ヨコハマのあるところに武装探偵社というところがある。
武装探偵社とは、軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門にする探偵集団だ。
そんな探偵社では午前から会議が行われていた。
“謎の白髪の女異能力者について”という議会名だった。
会議室には10人程人が集まっていた。

「みな、忙しいのに集まってもらって申し訳ない」

銀髪でウルフカットをした男 福沢諭吉が会議室に入るとさっきまで雑談をしていた者達も口を閉じ、福沢の方をむく。

「今日集まってもらったのはこの異能力者についてだ。国木田 説明を頼む」

「はい、この異能力者の名前は赤羽 みお。ヨコハマの天竺という不良グループに所属しているようです」

国木田 と呼ばれた男が調査資料を読み上げていく。

「不良ねェ……」

「こんなに噂になっているならポートマフィアにも狙われちゃいませんか？」

黄色い髪をした少年、宮沢賢治が手を挙げてそう言う。
ポートマフィアとは、港湾都市横浜を縄張りにする凶悪マフィアで、関東一円に多数存在する非合法組織間での抗争(通称龍頭抗争)を生き残った屈強な闇組織だ。

「賢治君の言う通りだ。多分 あっちも今頃会議でも開いてると思うよ」

全身に包帯を巻いている男、太宰治が同意する。


それから会議は2時間ほど続き………



「で 社長。この子をどうしてほしいの？」

黒髪で探偵のような服を着た男、江戸川乱歩が福沢に訊く

「この少女を保護しろ。」

「「はい！(了解しました)」」

会議はそれで終わり、社員は各自解散し、それぞれの仕事に取り掛かった。