幸村
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幸村精市という男の子を知っているだろうか。
彼はテニス部強豪校の立海テニス部の部長で、眉目秀麗な男の子である。
そんな彼に好きな人がいると風の噂で聞いた。しかもそれが私だと言うのだ。
かく言う私も彼に片想いをしているものだからこんな噂を聞けば期待しないわけがない。
だけど彼は雲の上の存在。こんな噂は間違いでしかない、そう思っていたけど。
それを覆す出来事が起こってしまった。
何故なら、いま、私の目の前には件の幸村精市がいるからである。
しかも彼は何を喋るでなく、私の前に立っている。今は放課後で、特別用事のない私は時間に余裕がある。しかし彼は違う。なにせ強豪テニス部の部長である。放課後の大事な時間を私などに使っていいのだろうか。
いいわけが無い。
そう思い口を開こうとすると幸村くんの一言で制される。
「何も言わないでくれ。…あと少し、待ってくれないか。」
なんだか切羽詰まった様子の幸村くんに私は頷く。
カチカチカチ、と秒針の響く教室で私たちは静かに向き合う。
…なんだこれ、そう言い出したいのを抑えて幸村くんの言葉を待っていると彼と目が合う。だけど彼はすぐに逸らしてしまった。
私も恥ずかしくて逸らしたかったけれど、幸村くんの方がとても早かった。
もしかして私に視界に入るな、とか言うんだろうか。私の言葉を遮るのも、私に喋らせたくないとか?そんなことを考えながら、やっぱり噂なんてアテにならないと落胆していれば幸村くんは口を開いた。
「キミの、連絡先が知りたいんだ。」
「…………………え?」
「だから、□□さんの連絡先が知りたいんだけど…。」
だめかな、そう呟いた幸村くんに私は顔を赤くする。
え、待って。私への用事ってこれ?私の連絡先が知りたいって…?
突然の出来事に混乱してしまい、何も返せないでいると幸村くんはいや、無理にとは言わないんだ、いきなりすまない、なんて謝っている。
「全然、大丈夫だけど…LINEでいい?」
「LINE……。ああ、構わないよ。」
含みのあるような言い方が気にかかったが、深くは追求せず、幸村くんとLINEを交換した。
「ありがとう。…用事がなくても連絡してもいいかな。」
嬉しそうに画面を見つめながらそう言う幸村くんに私は顔を赤くしながら頷いた。
ああ、もしかしたら、噂は本当かもしれない。
彼はテニス部強豪校の立海テニス部の部長で、眉目秀麗な男の子である。
そんな彼に好きな人がいると風の噂で聞いた。しかもそれが私だと言うのだ。
かく言う私も彼に片想いをしているものだからこんな噂を聞けば期待しないわけがない。
だけど彼は雲の上の存在。こんな噂は間違いでしかない、そう思っていたけど。
それを覆す出来事が起こってしまった。
何故なら、いま、私の目の前には件の幸村精市がいるからである。
しかも彼は何を喋るでなく、私の前に立っている。今は放課後で、特別用事のない私は時間に余裕がある。しかし彼は違う。なにせ強豪テニス部の部長である。放課後の大事な時間を私などに使っていいのだろうか。
いいわけが無い。
そう思い口を開こうとすると幸村くんの一言で制される。
「何も言わないでくれ。…あと少し、待ってくれないか。」
なんだか切羽詰まった様子の幸村くんに私は頷く。
カチカチカチ、と秒針の響く教室で私たちは静かに向き合う。
…なんだこれ、そう言い出したいのを抑えて幸村くんの言葉を待っていると彼と目が合う。だけど彼はすぐに逸らしてしまった。
私も恥ずかしくて逸らしたかったけれど、幸村くんの方がとても早かった。
もしかして私に視界に入るな、とか言うんだろうか。私の言葉を遮るのも、私に喋らせたくないとか?そんなことを考えながら、やっぱり噂なんてアテにならないと落胆していれば幸村くんは口を開いた。
「キミの、連絡先が知りたいんだ。」
「…………………え?」
「だから、□□さんの連絡先が知りたいんだけど…。」
だめかな、そう呟いた幸村くんに私は顔を赤くする。
え、待って。私への用事ってこれ?私の連絡先が知りたいって…?
突然の出来事に混乱してしまい、何も返せないでいると幸村くんはいや、無理にとは言わないんだ、いきなりすまない、なんて謝っている。
「全然、大丈夫だけど…LINEでいい?」
「LINE……。ああ、構わないよ。」
含みのあるような言い方が気にかかったが、深くは追求せず、幸村くんとLINEを交換した。
「ありがとう。…用事がなくても連絡してもいいかな。」
嬉しそうに画面を見つめながらそう言う幸村くんに私は顔を赤くしながら頷いた。
ああ、もしかしたら、噂は本当かもしれない。
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