真田
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「上がったよ〜。」
部屋のドアを開けながら弦一郎くんに声をかける。どうやら筋トレが終わったところのようで、髪から滴る汗が鎖骨に流れた。それはもう中学生とは思えない色気を放っていて一瞬にして目を奪われた。
「何を呆けている。湯冷めする前に何か着ておけ。」
下着姿の私にそう声をかけると弦一郎くんは私の部屋の押し入れに置かれている着替えを抱えお風呂に向かった。
お風呂上がりにスキンケアも全て済ませる私は、部屋に戻るとやることがないのでスマホを弄る。
暇つぶしにと動画を見るがこの後のことを考えると集中できず、直ぐに閉じてしまった。
「ほんとにやるの...?」
そう呟きながら手に取ったのは、今日買った飴の大袋。何種類かの味が入ったそれはこの後のとあるチャレンジのために用意された。
____きっかけは本当に些細なことだった。
とある彼女さんが『キャンディキスチャレンジ』というものを彼氏さんとした。
それを見た私は感化されたのだが。
「まさかその後違う子に触発されてやる羽目になるなんて...。やったらやるなんて言っちゃったし、あの子本当にやってたし...」
羞恥から赤くなる顔と、それに合わせて上がる体温にため息をついた。
それからしばらくして。
弦一郎くんがお風呂から上がってきた。
エアコンが付いているが暑いのに彼は毎度きっちりと前を閉めている。
それは彼の真面目な性格とその寝衣が和服だからだだと勝手に推測している。
とうとう2人ともお風呂が終わり今夜はもう寝るだけ。
いつもならそうやって終わる1日だが、今日はそうはいかなかった。
(やるって約束したし...そろそろ先に進みたいし...)
悶々としているとその様子を訝しんだ弦一郎くんが私に声をかけた。
「何をしている、眠らないのか?......。そう言えば今日は落ち着きがなかったが...隠し事でもしているのか。」
そう言った弦一郎くんに対し首を横に振る。
すると弦一郎くんは余計に分からないとでも言うように眉間にシワが寄る。
その表情に申し訳なくなると同時に羞恥が襲う。俯きながらも何かを言わんとする私を弦一郎くんは見下ろしながら静かに待った。
「......あの、私、やりたいことがあるの。」
____もうこうなればヤケだ。私が動かなくちゃ、私たちの関係は進まない。
その言葉を聞いた弦一郎くんは片眉を一瞬上げた。また何か企んでいるのか、そう言いたげなその表情に億さず飴の袋を手に取る。
「やはり飴か...。普段舐めないというのに欲しいと言ったのは何かまた企んで...」
「キャンディキスチャレンジ。」
「は?」
弦一郎くんの言葉を遮り私はそれを口に出す。
「キャンディキスチャレンジだよ、知ってる?」
そう問えば、短く否定の言葉を返す。
「一方が飴を口に入れたらそれを舐めないでそのまま目隠しした相手に口移しするの。そしてそれを目隠しした方が何味かを当てる。これがキャンディキスチャレンジ。」
そう言えば弦一郎くんは顔を赤くする。想定内の反応だ。きっとこのままやってくれない。
「た、たるんどる!普通に渡せばいいでは無いか、それに、なぜ俺たちがそのようなことを...。」
このまま愚図っても弦一郎くんに有耶無耶にされる。
ここまで勇気を出したんだ、絶対に成功させたい。
「......弦一郎くんと先に進みたいの...ねえ、ダメ?」
そう上目遣いで問う。もちろん彼の寝衣を軽く掴むのも忘れずに。
我ながら頭を振り絞ったものだと感心した。彼が私の「お願い」と「甘え」に弱いのは分かっている。
そう、びっくりするほど弱い。彼の後輩曰く、チョロい。
「...しかし...」
だが彼も強情だ。内容が内容なだけに踏み出せないようだった。でも言葉に厚みがない、目も合わない、これは彼が動揺している証拠だ。あと一押しだ、分かっているけど。
ねえ、私だって恥ずかしいんだ。これじゃあもう本当に諦めたくなる。
羞恥を捨てるしかない。ああ、さよなら私の謙虚な心。
「弦一郎くんは、私とキスするのいや?」
眉を下げ、瞳を潤わせる。
ああもう奥手な誰かさんのせいで変なテクニックばかり覚えてしまっている。
そんな私に弦一郎くんは喉を鳴らした。
弦一郎くんは慣れない雰囲気に遠慮がちに自身の手で私の目を塞ぐ。
明るい場所でも寝れる私の部屋にアイマスクなんてものは無い。
大きな手で封じられた視界に脈が上がる。頬も熱を持つ。
ぴり、飴の個包装が破かれる音に脈が増す。ああ、どうしよう、本当に、私たち、
「...行くぞ。」
飴を口に含んだために舌足らずな彼の言葉に頷く。
軽いリップ音とともに唇への暖かい感触。
飴を入れるには唇を開けなければいけないけど、今更になって恐ろしい程の羞恥に襲われ、薄らとさえ私の唇は開かない。
業を煮やしたのか弦一郎くんは飴を口内で少しずらした。歯にぶつかり、ころんと飴が音を立てる。
それを理解した瞬間、唇に伝わったのは彼の唇よりも暖かい、ぬるりとした感触。
驚きから声が漏れそうになったとき、僅かに開いた唇に彼が舌を入れる。
そして更に、彼は私を自分の方へ寄せた。
まさかのアクションに私は完全に気を取られた。
滑り込まされた舌にはいつの間にか飴が乗せられており、私の口内へと移動させられる。
私の舌が飴を捕らえると、離されると思った唇は離れる様子がない。
待って。なにこれ知らない。
私は混乱してしまった。え、だってあんなに奥手だったじゃん。頭の整理のつかない私を他所に行為は激しくなる。
未だに深く口付けられ、苦しくて短く、まるで喘ぐような息をする私に彼は興奮したのか止まる様子がない。
彼の舌は私の口内を自分のモノだとでも言うように蹂躙する。
飴なんて気にしてる暇はない。でも味はとっくに分かっている。
答えたいけど、彼に答えさせる気がない。
止まって欲しくて、私は弦一郎くんの胸板を叩こうとする。しかし彼に密着していて、強く抱きしめられた私には腕が動かせない。
仕方なく体を捻れば、彼は何を勘違いしたのか私の体のラインをなぞった。
更に私の頭は混乱した。
長いキスに彼との肺活量の差を感じさせられながら私は飛びそうな意識の中抵抗の術を探した。
そしてとうとう意識の途絶えるその瞬間、私の頭に浮かんだのは_____
目を覚ませば、弦一郎くんは心配そうな声をかけてきた。しかしこちらは見ない。
「......すまない、止められなかった。」
前髪をかきあげ俯く彼は深く反省しているようだった。
そんな彼への愛しさと、先程のキスの恥ずかしさから私は弦一郎くんにおかしな言葉をかけてしまった。
「や、やっぱり中学生は若いね...。」
部屋のドアを開けながら弦一郎くんに声をかける。どうやら筋トレが終わったところのようで、髪から滴る汗が鎖骨に流れた。それはもう中学生とは思えない色気を放っていて一瞬にして目を奪われた。
「何を呆けている。湯冷めする前に何か着ておけ。」
下着姿の私にそう声をかけると弦一郎くんは私の部屋の押し入れに置かれている着替えを抱えお風呂に向かった。
お風呂上がりにスキンケアも全て済ませる私は、部屋に戻るとやることがないのでスマホを弄る。
暇つぶしにと動画を見るがこの後のことを考えると集中できず、直ぐに閉じてしまった。
「ほんとにやるの...?」
そう呟きながら手に取ったのは、今日買った飴の大袋。何種類かの味が入ったそれはこの後のとあるチャレンジのために用意された。
____きっかけは本当に些細なことだった。
とある彼女さんが『キャンディキスチャレンジ』というものを彼氏さんとした。
それを見た私は感化されたのだが。
「まさかその後違う子に触発されてやる羽目になるなんて...。やったらやるなんて言っちゃったし、あの子本当にやってたし...」
羞恥から赤くなる顔と、それに合わせて上がる体温にため息をついた。
それからしばらくして。
弦一郎くんがお風呂から上がってきた。
エアコンが付いているが暑いのに彼は毎度きっちりと前を閉めている。
それは彼の真面目な性格とその寝衣が和服だからだだと勝手に推測している。
とうとう2人ともお風呂が終わり今夜はもう寝るだけ。
いつもならそうやって終わる1日だが、今日はそうはいかなかった。
(やるって約束したし...そろそろ先に進みたいし...)
悶々としているとその様子を訝しんだ弦一郎くんが私に声をかけた。
「何をしている、眠らないのか?......。そう言えば今日は落ち着きがなかったが...隠し事でもしているのか。」
そう言った弦一郎くんに対し首を横に振る。
すると弦一郎くんは余計に分からないとでも言うように眉間にシワが寄る。
その表情に申し訳なくなると同時に羞恥が襲う。俯きながらも何かを言わんとする私を弦一郎くんは見下ろしながら静かに待った。
「......あの、私、やりたいことがあるの。」
____もうこうなればヤケだ。私が動かなくちゃ、私たちの関係は進まない。
その言葉を聞いた弦一郎くんは片眉を一瞬上げた。また何か企んでいるのか、そう言いたげなその表情に億さず飴の袋を手に取る。
「やはり飴か...。普段舐めないというのに欲しいと言ったのは何かまた企んで...」
「キャンディキスチャレンジ。」
「は?」
弦一郎くんの言葉を遮り私はそれを口に出す。
「キャンディキスチャレンジだよ、知ってる?」
そう問えば、短く否定の言葉を返す。
「一方が飴を口に入れたらそれを舐めないでそのまま目隠しした相手に口移しするの。そしてそれを目隠しした方が何味かを当てる。これがキャンディキスチャレンジ。」
そう言えば弦一郎くんは顔を赤くする。想定内の反応だ。きっとこのままやってくれない。
「た、たるんどる!普通に渡せばいいでは無いか、それに、なぜ俺たちがそのようなことを...。」
このまま愚図っても弦一郎くんに有耶無耶にされる。
ここまで勇気を出したんだ、絶対に成功させたい。
「......弦一郎くんと先に進みたいの...ねえ、ダメ?」
そう上目遣いで問う。もちろん彼の寝衣を軽く掴むのも忘れずに。
我ながら頭を振り絞ったものだと感心した。彼が私の「お願い」と「甘え」に弱いのは分かっている。
そう、びっくりするほど弱い。彼の後輩曰く、チョロい。
「...しかし...」
だが彼も強情だ。内容が内容なだけに踏み出せないようだった。でも言葉に厚みがない、目も合わない、これは彼が動揺している証拠だ。あと一押しだ、分かっているけど。
ねえ、私だって恥ずかしいんだ。これじゃあもう本当に諦めたくなる。
羞恥を捨てるしかない。ああ、さよなら私の謙虚な心。
「弦一郎くんは、私とキスするのいや?」
眉を下げ、瞳を潤わせる。
ああもう奥手な誰かさんのせいで変なテクニックばかり覚えてしまっている。
そんな私に弦一郎くんは喉を鳴らした。
弦一郎くんは慣れない雰囲気に遠慮がちに自身の手で私の目を塞ぐ。
明るい場所でも寝れる私の部屋にアイマスクなんてものは無い。
大きな手で封じられた視界に脈が上がる。頬も熱を持つ。
ぴり、飴の個包装が破かれる音に脈が増す。ああ、どうしよう、本当に、私たち、
「...行くぞ。」
飴を口に含んだために舌足らずな彼の言葉に頷く。
軽いリップ音とともに唇への暖かい感触。
飴を入れるには唇を開けなければいけないけど、今更になって恐ろしい程の羞恥に襲われ、薄らとさえ私の唇は開かない。
業を煮やしたのか弦一郎くんは飴を口内で少しずらした。歯にぶつかり、ころんと飴が音を立てる。
それを理解した瞬間、唇に伝わったのは彼の唇よりも暖かい、ぬるりとした感触。
驚きから声が漏れそうになったとき、僅かに開いた唇に彼が舌を入れる。
そして更に、彼は私を自分の方へ寄せた。
まさかのアクションに私は完全に気を取られた。
滑り込まされた舌にはいつの間にか飴が乗せられており、私の口内へと移動させられる。
私の舌が飴を捕らえると、離されると思った唇は離れる様子がない。
待って。なにこれ知らない。
私は混乱してしまった。え、だってあんなに奥手だったじゃん。頭の整理のつかない私を他所に行為は激しくなる。
未だに深く口付けられ、苦しくて短く、まるで喘ぐような息をする私に彼は興奮したのか止まる様子がない。
彼の舌は私の口内を自分のモノだとでも言うように蹂躙する。
飴なんて気にしてる暇はない。でも味はとっくに分かっている。
答えたいけど、彼に答えさせる気がない。
止まって欲しくて、私は弦一郎くんの胸板を叩こうとする。しかし彼に密着していて、強く抱きしめられた私には腕が動かせない。
仕方なく体を捻れば、彼は何を勘違いしたのか私の体のラインをなぞった。
更に私の頭は混乱した。
長いキスに彼との肺活量の差を感じさせられながら私は飛びそうな意識の中抵抗の術を探した。
そしてとうとう意識の途絶えるその瞬間、私の頭に浮かんだのは_____
目を覚ませば、弦一郎くんは心配そうな声をかけてきた。しかしこちらは見ない。
「......すまない、止められなかった。」
前髪をかきあげ俯く彼は深く反省しているようだった。
そんな彼への愛しさと、先程のキスの恥ずかしさから私は弦一郎くんにおかしな言葉をかけてしまった。
「や、やっぱり中学生は若いね...。」