柳生
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朝8時。身だしなみを整えた男子生徒2人が校門前で挨拶運動を行っている。
遠くからでも聞こえる大きな声は真田くん。
よく通るハキハキとした声は柳生くんだ。
そんな2人に軽く会釈をして通り過ぎようとすれば、誰かに腕を掴まれた。
「失礼。貴女、髪染めてますね。」
「え…?」
それは今挨拶をしてきた柳生くんだった。彼はそのまま私をまじまじと見ると頷いた。
「規定の色より若干明るいかと。…太陽光もありますし、少し場所を移動しましょうか。」
何が何だか分からないまま、私は柳生くんに連れられる。柳生くんの明るい茶髪を見ながら、私は考えることを辞めた。
連れられたのは校舎の影となった花壇横。
何も無いここには誰もおらず、私と柳生くんの2人きりである。
「…。えっと、髪なんだけど、さ…。」
話し出した私に柳生くんは何も言わず私の言葉を待つ。
「地毛なんだよね。これ。明るいのは傷んでるだけかと…。」
「…そうですか。それは大変失礼しました。」
私の言葉に柳生くんは頭を下げる。
「それに私が明るいんだったら丸井くんとこか仁王くんの方がやばいでしょ。」
「それは一理ありますね。彼らを見逃しているのですから私たちにはなにも言う権利はありませんね。」
「え?いや、そこまで言ってないけど…。」
なんかごめん、そう謝った私に柳生くんは気にしないでください、とだけ言うとそろそろ教室へと戻りましょう。とまた私を連れ出した。
柳生くんに連れられて教室へと戻れば同じクラスの真田くんは私たちを見るとむっとしながら話しかけてきた。
「柳生。仕事を放るのは感心しないな。」
「申し訳ありません。彼女の身だしなみについて指導していましてね。」
柳生くんがそう言うと真田くんは私をまじまじと見る。
「…?身だしなみは特に問題は「ああ、真田くん、幸村くんが呼んでいますよ。」
「む、そうか。ではな、□□。」
扉の傍には確かに幸村くんが立っていて、真田くんはそちらへ向かっていた。
真田くんがいれば必然的に私と柳生くんが残される訳で。
「えっと…。席行っても大丈夫?」
「そうですね…委員の仕事は終わりましたし…。いや、少しお話してもよろしいですか?」
柳生くんは考えた素振りをした後に私を見てそう言った。
お話とは言うけれど私は柳生くんとそんなに仲が良かった記憶が無い。
「お話って?」
「いえ、そのように身構えるような話ではありませんよ。……ああ、参りましたね。」
柳生くんが困ったような声色で続けた言葉に私は驚いて動けなくなった。
「好きな人を前にすると、上手く言葉が出ないようでして。」
遠くからでも聞こえる大きな声は真田くん。
よく通るハキハキとした声は柳生くんだ。
そんな2人に軽く会釈をして通り過ぎようとすれば、誰かに腕を掴まれた。
「失礼。貴女、髪染めてますね。」
「え…?」
それは今挨拶をしてきた柳生くんだった。彼はそのまま私をまじまじと見ると頷いた。
「規定の色より若干明るいかと。…太陽光もありますし、少し場所を移動しましょうか。」
何が何だか分からないまま、私は柳生くんに連れられる。柳生くんの明るい茶髪を見ながら、私は考えることを辞めた。
連れられたのは校舎の影となった花壇横。
何も無いここには誰もおらず、私と柳生くんの2人きりである。
「…。えっと、髪なんだけど、さ…。」
話し出した私に柳生くんは何も言わず私の言葉を待つ。
「地毛なんだよね。これ。明るいのは傷んでるだけかと…。」
「…そうですか。それは大変失礼しました。」
私の言葉に柳生くんは頭を下げる。
「それに私が明るいんだったら丸井くんとこか仁王くんの方がやばいでしょ。」
「それは一理ありますね。彼らを見逃しているのですから私たちにはなにも言う権利はありませんね。」
「え?いや、そこまで言ってないけど…。」
なんかごめん、そう謝った私に柳生くんは気にしないでください、とだけ言うとそろそろ教室へと戻りましょう。とまた私を連れ出した。
柳生くんに連れられて教室へと戻れば同じクラスの真田くんは私たちを見るとむっとしながら話しかけてきた。
「柳生。仕事を放るのは感心しないな。」
「申し訳ありません。彼女の身だしなみについて指導していましてね。」
柳生くんがそう言うと真田くんは私をまじまじと見る。
「…?身だしなみは特に問題は「ああ、真田くん、幸村くんが呼んでいますよ。」
「む、そうか。ではな、□□。」
扉の傍には確かに幸村くんが立っていて、真田くんはそちらへ向かっていた。
真田くんがいれば必然的に私と柳生くんが残される訳で。
「えっと…。席行っても大丈夫?」
「そうですね…委員の仕事は終わりましたし…。いや、少しお話してもよろしいですか?」
柳生くんは考えた素振りをした後に私を見てそう言った。
お話とは言うけれど私は柳生くんとそんなに仲が良かった記憶が無い。
「お話って?」
「いえ、そのように身構えるような話ではありませんよ。……ああ、参りましたね。」
柳生くんが困ったような声色で続けた言葉に私は驚いて動けなくなった。
「好きな人を前にすると、上手く言葉が出ないようでして。」
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