柳生
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私の彼氏は嫉妬しない。
クラスの男の子と話していてもボディタッチを受けても。彼は非難することも無ければ、嫉妬の視線を向けることも無い。
別に嫉妬させたい訳では無いけれどなんだか釈然とせず、私は自分の席でため息をつく。
そんな私に気づいた同じクラスの真田が声をかけてきた。
「どうした。元気がないようだが。」
「んー?いや、別に真田に言っても…。」
そこまで言ってハッとする。同じテニス部なら嫉妬するのでは?そんな考えに行き着いた私は真田を手招きする。
「ねえ真田こっち来て。」
「?なんだ……おい、!」
話を聞くために屈んだ真田のネクタイをこちらへ引く。そうすれば真田は態勢を崩し、私の方へと近づく。
「…何がしたい。」
「……あーダメだ。」
訝しげな真田の視線を無視してため息をつく。私の彼氏にはちっとも響いていない。なぜなら彼は未だにダブルスパートナーである仁王と話している。
「見向きもしない。はぁ…。ほんとに好きなのかな。」
「…?ああ、柳生か。…俺を巻き込むな。」
私の視線を追った真田がそう言ってため息をつく。その様子に少し申し訳なくなりながら私は真田に一言謝る。そうすれば女子には比較的優しい真田は小言を言わずにそのまま去っていく。
そうして話は振り出しに戻る。
よくよく考えてみれば嫉妬というのは彼には似合わない。そんな印象を受けないのだ。
だからこそ彼が嫉妬しないのも頷ける…気がする。
大きくため息をつけば、いつの間にいたのか仁王が声をかけてきた。
「なんじゃ、お前さんがため息とは珍しいのぅ。」
「ひぇ、に、仁王…!急に話しかけないでよ…びっくりした…。」
私の言葉に仁王は悪びれもせず話を続ける。
「お前さんの視線を感じてな。…嫉妬かと思って話しかけたんじゃが…違うかの。」
「え、私が仁王に?あるわけないじゃん…2人の仲良し加減は知ってるし。」
「ほうか。仲良しこよしした覚えはないがの。…見んしゃい、柳生がそろそろ来るぜよ。」
視線を後ろにやったと思えば仁王はヒラヒラと手を振り私の席から離れていく。
「柳生くん?どうしたの。」
私の問いかけに柳生くんはいえ、と断ると隣である自分の席へ着く。
「楽しそうに話してらしたので。何を話していたんです?」
「えー?別に中身なんてないよ?世間話。」
「そうですか。…真田くんとは少し近づいてましたが…何を話していたんでしょう?」
「え…それ、は…その…」
言い淀む私に柳生くんは微笑む。
「いえ、無理に言わなくても大丈夫です。」
「無理って言うか…柳生くんの話だから恥ずかしいというか…」
「私の?」
驚いたような表情をする柳生くんに私は小さく頷く。なんだか嫉妬云々を考えていたことが恥ずかしくて私は腹を括った。
「柳生くんって、嫉妬しないのかなって思って。…真田が近かったのも反応見たかったからで…。ごめん、ね…」
そこまで言ってハッとする。もしかしてこれ、妬かれているのでは…?真田が近くて、何を話していたか、聞かれているこの状況は…。
「…そう、でしたか。……聡い貴女ならお気づきかと思いますが、私も嫉妬はしますよ。身近な人間なら、尚更。」
「あ、と…うーんと…そうみたいだね…?」
柳生くんでも嫉妬すること、それも私のことで嫉妬することを知ってしまった私は火照った顔を見せたくなくて机に突っ伏した。
頭上からは柳生くんの嬉しそうな、照れたような声が聞こえて、やっぱり好きだ、そんなことを思った。
クラスの男の子と話していてもボディタッチを受けても。彼は非難することも無ければ、嫉妬の視線を向けることも無い。
別に嫉妬させたい訳では無いけれどなんだか釈然とせず、私は自分の席でため息をつく。
そんな私に気づいた同じクラスの真田が声をかけてきた。
「どうした。元気がないようだが。」
「んー?いや、別に真田に言っても…。」
そこまで言ってハッとする。同じテニス部なら嫉妬するのでは?そんな考えに行き着いた私は真田を手招きする。
「ねえ真田こっち来て。」
「?なんだ……おい、!」
話を聞くために屈んだ真田のネクタイをこちらへ引く。そうすれば真田は態勢を崩し、私の方へと近づく。
「…何がしたい。」
「……あーダメだ。」
訝しげな真田の視線を無視してため息をつく。私の彼氏にはちっとも響いていない。なぜなら彼は未だにダブルスパートナーである仁王と話している。
「見向きもしない。はぁ…。ほんとに好きなのかな。」
「…?ああ、柳生か。…俺を巻き込むな。」
私の視線を追った真田がそう言ってため息をつく。その様子に少し申し訳なくなりながら私は真田に一言謝る。そうすれば女子には比較的優しい真田は小言を言わずにそのまま去っていく。
そうして話は振り出しに戻る。
よくよく考えてみれば嫉妬というのは彼には似合わない。そんな印象を受けないのだ。
だからこそ彼が嫉妬しないのも頷ける…気がする。
大きくため息をつけば、いつの間にいたのか仁王が声をかけてきた。
「なんじゃ、お前さんがため息とは珍しいのぅ。」
「ひぇ、に、仁王…!急に話しかけないでよ…びっくりした…。」
私の言葉に仁王は悪びれもせず話を続ける。
「お前さんの視線を感じてな。…嫉妬かと思って話しかけたんじゃが…違うかの。」
「え、私が仁王に?あるわけないじゃん…2人の仲良し加減は知ってるし。」
「ほうか。仲良しこよしした覚えはないがの。…見んしゃい、柳生がそろそろ来るぜよ。」
視線を後ろにやったと思えば仁王はヒラヒラと手を振り私の席から離れていく。
「柳生くん?どうしたの。」
私の問いかけに柳生くんはいえ、と断ると隣である自分の席へ着く。
「楽しそうに話してらしたので。何を話していたんです?」
「えー?別に中身なんてないよ?世間話。」
「そうですか。…真田くんとは少し近づいてましたが…何を話していたんでしょう?」
「え…それ、は…その…」
言い淀む私に柳生くんは微笑む。
「いえ、無理に言わなくても大丈夫です。」
「無理って言うか…柳生くんの話だから恥ずかしいというか…」
「私の?」
驚いたような表情をする柳生くんに私は小さく頷く。なんだか嫉妬云々を考えていたことが恥ずかしくて私は腹を括った。
「柳生くんって、嫉妬しないのかなって思って。…真田が近かったのも反応見たかったからで…。ごめん、ね…」
そこまで言ってハッとする。もしかしてこれ、妬かれているのでは…?真田が近くて、何を話していたか、聞かれているこの状況は…。
「…そう、でしたか。……聡い貴女ならお気づきかと思いますが、私も嫉妬はしますよ。身近な人間なら、尚更。」
「あ、と…うーんと…そうみたいだね…?」
柳生くんでも嫉妬すること、それも私のことで嫉妬することを知ってしまった私は火照った顔を見せたくなくて机に突っ伏した。
頭上からは柳生くんの嬉しそうな、照れたような声が聞こえて、やっぱり好きだ、そんなことを思った。