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共同生活 1

六道骸は今日も雲雀恭弥から襲われていた。
襲われていたとは物理的に、そう、今まさにトンファーで頭をかち割らんとしているのだった。
すんでのところで己の三叉槍で受け止めるが正直疲れ果てていた。
これが毎日続いていたのである。

事の発端は、クローム達の安全を優先とするためボンゴレの基地に黒曜一行が住み始めた事だった。
骸たちが、否、骸が住み始めたその日から雲雀は勝負がしたくて仕方なく日々骸を襲っていたのである。
安全な基地にいるはずなのにこの疲労感は何なのか。

今日も一勝負が終わり満足そうに雲雀は自室に戻っていった。
今日の勝負は寸でのとこで雲雀が勝ち。
一回の勝負で終わったのはいい方だ。
彼は勝つまで永遠に勝負を挑み続けてくるのだから。
ヘトヘトで自室に向かう途中、我らがボス、綱吉が金キラ頭と話していた。
跳ね馬ディーノだ。
彼は同盟ファミリーということもありこちらの基地にもよく顔を出す。
そして愛弟子の雲雀にも会いにきている。

(そうだ…!)

骸はなぜもっと早くこの金キラ頭を思い出さなかったのかと思った。
完全にいうことを聞くとは思えないが、この人間から注意されれば雲雀も考えてくれるかもしれない。

「跳ね馬!少しご相談が…」
「俺にか?」

ディーノの顔には珍しいという驚きがにじみ出ていた。
勿論だ。骸は基本マフィアを毛嫌いしている。わざわざ話しかける事の方が珍しい。
ザッと今の現状を話し終えると、ディーノはバツの悪そうな顔で頰をかいた。

「いやな。別にお前の相談を無下にしたいわけじゃないんだが、恭弥は俺のいうことを聞かないぜ?」
「はあ?あなたそれでも彼の家庭教師だったんですか?」

ごもっともだ。
しかし雲雀は未だディーノの言うことは聞かない。
しばらく困っていたディーノだったが突然閃いたと言わんばかりに手のひらを打ち、骸に向き直った。

「そうだ!お前がうちの基地に逃げ込んでくればいいんじゃないか?」

名案と言わんばかりの顔だったが骸には意味がわからなかった。
こいつは正気なのだろうか?
正直ディーノとは親しくもなければ、自分は綱吉にさえ反抗心が強い。
そんな得体の知れない人物を弟弟子の守護者だからといってすごすご預かるのはいかがなものか。
返答をあぐねていると横から綱吉が口を挟む。

「いいんじゃないか?ディーノさんが良いって言ってくれてるんだし」

おずおずと口を挟んだその顔からはこれ以上基地を壊されてはたまらないという心情が読み取れた。
なるほど。自分は雲雀といると厄介者になるわけだ。
そもそもクローム達の安全が確保できればよしと思い、この基地に住居を移したのだ。自分が移動するだけなら何の不都合も骸にはないのである。
それならばせっかくの申し出だ。

「おやおや。僕を厄介払いしたいのですね。癪には障りますがその話のりました。そろそろゆっくり体を休めたかったのです。」
「よっしゃ!交渉成立だな!」

やたらと喜ぶディーノに疑問を覚えながらも、これを機に骸はディーノの基地に住むことになったのである。
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