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いつもの様に来て欲しくないハンター2人、サバイバー2人をBAN出来るシステムでは大抵話し合いの上で、夢の魔女か隠者、最近では書記官や夜の番人のBANが流行っていた。

ナワーブはいつも通り、書記官と夜の番人をBANする旨を紙に書いて執事に渡した。

「本日のBANはサバイバーは占い師、機械技師です。ハンターはリッパー、白黒無常です。」

「…………は?」

ラグビーボールをポロリと落としたウィリアムが口をあんぐりと開けていた。

「お、俺じゃないぞ、俺はババアとダイソンだぜ?」

「私でも無いわ。」

口を開いたフィオナの隣のフレデリックも首を振っていた。
視線の先には大慌てで手を振っていた人物が居た。

「違うの、違うの。3人は同じBAN選ぶだろうから、私は嫌いなハンターをBANしちゃったの。ごめんってー。」

「よく分かりませんので、どう言う事か説明して頂けますか?」

淡々と、丁寧だが隠しきれていない怒りに溢れた声が後ろから聞こえ直ぐに私は謝必安に両肩を掴まれていた。

「あひ……あれ、BANされたのにっ、訪問ですかねっ、こんにちは、お日柄もよくっっ」

動揺を誤魔化すために頼んでいたオレンジジュースに口を付けた所で目の前にリッパーが来たので、そのまま噴射してしまった。

「……貴方の言い分では嫌いなハンターをBANしたと……。どうして私がそのBANに入るのですかね?」

「ひ………、あれ?そんな事言いましたっけ?あ、あの、ゲーム始まっちゃうので、また、今度にでも……。」

「大丈夫です、安心して下さい。急いで貴方のために持ってきましたから。」

ニコリと笑った謝必安の右手にはぐったりと首根っこを掴まれたトレイシーが居た。

「……あ……の、BAN……。」

「その点もきちんと許可は得ましたから大丈夫です。さあ、釈明して頂きましょうか。
私は嫌いなハンターをBANしちゃったの。理由でも。」

「フフ、珍しく謝必安と意見が合いますね。理由は詳しくお願いしますね。」

「あ……ひぃ……、助けっ」

「よ、よおし、トレイシー頑張ろうな、解読頼むぜ?」

「そうね、切り替えて行きましょ。フレデリック、準備は出来た?」

「……勿論。」

3人が私の方は見ずに話し合いを始めた所で私は目の前のリッパーに抱き上げられ、「……ここは……」と呟くトレイシーが代わりに椅子に座らされて、文字通り目の前が真っ暗になった。






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