ててご夢、龍如夢共通。
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おなまえ
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「っひいっっ。」
足をもつれさせながら走り、無駄に板を倒しては割られて、泣きべそをかきながら逃げていく新人のサバイバー。それがこの女、権兵衛。
まずチェイスのルート取りが悪い。
板を先倒しするが、板を倒すのが遅いから板の読み合いは必ず負ける。
その後は良くて弱ポジ、悪くて板も何も無いところに行くし、恐怖をもらうのは当たり前、救助狩りにも当然と言っていいほど合っている。更に隠密は…草むらからガサガサ音がする始末。震えが止まらないらしいが…。
いったいこのサバイバーは何が出来るんだ?とハンターの身分でありながら頭を抱えていたと同時に、惹かれていったのも事実。
──────対戦後─────
「皆さんお上手でした。」
ゲーム後、ハッチ逃げが出来た権兵衛の声を皮切りに他のサバイバーが囲み、口々に褒め合っていた。
いや、気紛れにわざとハッチ方面に追い込んでやったんだよと顔を出してやろうかと幕を握り締めた。
権兵衛がハッチ逃げを出来た事で負けが引き分けになったので、仲間は権兵衛を持て囃していた中で、当の本人は嬉しそうに笑っていた。
「いつもいつもみなさんの足を引っ張っていて、やっと練習の成果が出ました。ハンターさんも調子が悪かったんです。教わったチェイスルートも通れませんでしたし。」
そりゃそうだ。鬼没も溜まってたし、板をスルーしてそのまま道を走り出した時は反射的にドリルをぶち込む事をグッと抑えたり、
目の前でゆっくり板を倒す時なんて、本当に手が何度もでそうだった。
でも謙虚なサバイバーなんだなと握り締めた幕を離し、くるりと踵を返した所にそれは聞こえた。
「レオさんにお礼とまた練習をお願いしなきゃいけませんね。」
あ?
俺は気が付いたらサバイバーの方まで歩み寄り、お目当ての権兵衛の手首を掴むと、そのまま練習用の待合室に引っ張っていた。
「あの、ご、ごめんなさい。引き分けにしてしまってっあの。」
「練習…すんだろ?レオと同じ徒歩ハンターだからいいだろ?文句あるか?」
「ひいっっ、な、ないです。ないです。でも申し訳なっっ」
待合室の椅子に権兵衛を座らせると、自分も定位置の椅子に戻り準備を始めた。
「おい、……衣装は何が好きなんだ?」
「な、なんでも好きで……ひいっっ。」
取っておきの完璧なスマイルに着替えて訪問すると、権兵衛は驚き慌てて椅子から落ちてしまった。
「おいっ」
「ひいっっいっい、いつもの服がお似合いですっっ。」
「……そ、そうか?」
そう言われたら取っておきはまたの機会にするとして、ナスもピエロキングもその辺に投げ捨てて準備に入った。
………いつもの服か……そう言われてしまったら……仕方ねぇなあ。
準備を完了させて待っていると、諦めた様に泣きそうな権兵衛も準備を終えたようだ。