ててご夢、龍如夢共通。
ハンター夢
おなまえ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日は
いつもは楽しくないゲームもなんのその!
今日はハロウィンの日!
楽しい楽しいハロウィンの日!
だってだって今日はーー!
「トリックオアトリート!お菓子をくれなきゃイタズラするよ?」
女子サバイバーはお菓子やら食事やらを仕込んでいて、男子サバイバーはカボチャをくり抜いてランタンを作ったり部屋の飾り付けをしたりと忙しそうにしていた。
危ないからとお子様扱いの私とメモリーは私の部屋で遊んで待っていた。
メモリーは私の方を心配そうに見ていた。
「何?メモリー?」
「皆ね、心配していたんだけど……権兵衛ちゃんはハンターの所に行くの?」
「そりゃあ行くでしょ?お菓子貰いに行かなきゃ。」
やっぱりとメモリーは私の服の裾を握り締めていた。
「危ないから……ハンターはハンターなんだよ?いつも怒られるって話してたよね。」
「バルクは特に怒るよー。馬鹿もん!ネズミが入って来たわい、ボンボン!掃除じゃ!!って怒るよー。」
「爆弾投げられるんでしょ?危ないよ!」
「大丈夫、大丈夫。ボンちゃんは優しいからわざと爆弾外してくれてるし、バルクは壁で挟まないからねー。あっ、ペルシーから首根っこ掴まれて外に投げられたんだった。やっぱ仕返しに行かないと。」
「権兵衛ちゃん!……え?」
メモリーは驚いて手を離した。
権兵衛は着ていた服を脱ぎ捨てて、下着姿でペタペタとクローゼットを開けていた。
「ふふん、今日のために用意して貰ってたのよ。この服を見なさい!」
ハロウィンの日のために用意した服を取り出し、メモリーに見せた。
「ハロウィンと言えば魔女でしょ?今日の為にリンゴだってくすねて来たんだから。」
黒いとんがり帽子に黒のマント、黒の膝丈のワンピースに黒のロングブーツを用意した。
勿論、かごと林檎もね。
サッと着替えて、メモリーの制止を振り切り二階の窓から外へと飛び出した。
「トリックオアトリート!お菓子をくれなきゃイタズラするよ!トリックオアトリート!お菓子をくれなきゃイタズラするよ!」
ご機嫌に歌いながら歩を進め、ハンターの館へ向かっていると声をかけられた。
「人の子がこのような時間に何用だ?」
「トリックオアトリート!お菓子をくれなきゃイタズラするよ!トリックオアトリート!」
臆すること無く私はハスターに手を差し出した。
「トリックオアトリート?お菓子をくれなきゃイタズラする?……ああ、ハロウィンとかいうお祭りか。」
「そうそう。ハロウィンだからお菓子を貰いに来たの。」
どんなお菓子が貰えるのだろうとワクワクしていたら、沢山の瞳はパチリと閉じてしまい顎に手をやり何か考えている様だった。
「困った事になった。我はお菓子を持っておらず、イタズラを受けるしかないのだろうか?」
「ええー。イタズラするつもりは無かったからいいけど……けど、お菓子は欲しいなあ。じゃあ他のハンターに貰いに行くよ。」
「我も行こう。」
「おっけー!連れて行ってね。」
「分かった。」
「トリックオアトリート!お菓子をアイタァァァ。」
地下室の頑丈な扉を開くと直ぐにお決まりの言葉を言おうとしたが私が貰えたのはゲンコツだった。
「何故こやつがここにおるんじゃ!……ハスターが連れてきたのか。」
「バルクじーじ!会って早々ゲンコツは良くないと思う!」
「……っっその呼び方はやめろと何度言えば……、ボンボン掃除じゃ!」
「権兵衛、イラッシャイ。オカシ、アル。」
「やっぱりボンボンは優しいねー。あ!ゾンビのペルシーも居る。野生のゾンビだし、よく考えたらバルクじーじも野生のマッドサイエンティストみたいじゃん?ボンボンは野生のペンギン?」
「……アンデッドだ、いい加減覚えるんだな………野生とは?……まあどうでもいい。……それにしても珍しい組み合わせだな?」
「我が庭園で権兵衛を見つけ、お菓子を欲しがる権兵衛の為に案内をしてあげているのだ。」
「……ここも男所帯だからな……。美智子とかマリー辺りの方がお菓子くらい持ってるだろ。……ボンボン、それはどうした?」
奥からボンボンがお菓子をお盆にのせていた。
「バルク、タノンダ。ボンボン、タノンダ。」
板チョコと黒と白のボーダーの包み紙で巻かれたキャンディだった。
「ありがとう!権兵衛がチョコ好きなの覚えてくれてたんだね、バルクじーじ。あとこのキャンディの包みはボンボンみたいだねー。」
「ボンボン、キャンディ。アマイ、キャンディ。」
バルクは何か言いたげにボンボンの頭を杖で叩いていたが、ペルシーの方にくるりと向いた。
「……こんな小さい子にペルシーは何にもやらないのかのう?」
「……急に言われてもそんなに出てくるものでは……。」
ポケットを探り飴が入った小瓶を取り出した。
「なになになに?飴が入ってるの?」
「……これはオルフェウスが押し付けて来たのだが、この為だったんだろうな。」
綺麗な小瓶の中には真っ黒い飴が詰まっていた。直ぐに権兵衛の目の前に突き出したが、意外にも権兵衛直ぐに手を伸ばさずに少し困った顔をしていた。
「……オルフェウスから貰ったのに、権兵衛にあげてもいいの?」
「……奴は俺にあげたつもりは無いだろう。……俺にとっての悪夢を見なくて良かったから俺はそれで良い。権兵衛が貰った方が……嬉しいと思う。」
「えへへー、じゃあトリックオアトリート!お菓子をくれなきゃイタズラするよ!」
と権兵衛は小さな手の端をくっ付けて両手を差し出してきたので、その両手に小瓶を置いた。
「……どんなイタズラを考えていたんだ?」
「イタズラはしないよ。されたら嫌だから。」
「イタズラ、ナニ。ペルシー、オシエル。トリックオアトリート、ナニ。ペルシー、オシエル」
ガシャンガシャンと近付いてくる足音にペルシーはぎょっとして直ぐにドアに向かった。
「用事が出来た。ボンボン、また今度な。ハスター、美智子とか謝必安達のところに行けばお菓子があるんじゃないか?。」
「そうだな。我々も行こう。」
「そうだね。ありがとうバルクじーじ、ボンボン、ペルシー。またねー。」
「ええい、もう来るでない!」
「権兵衛、バイバイ。ペルシー、オシエル。」
「またな。……ボンボン、申し訳ないが俺は用事があるんだ。」
楽しそうな声を聞きながらドアが閉まるまで手を振った。
「次は誰のところに行くの?」
「秘密だ。」
「べー。ハスターのイジワルー。」
権兵衛はパタパタと走り出してしまったが、角を曲がった所で直ぐに尻餅を付いていた。
「イタタタタタタ。前を見てなくてごめんなさい」
「おやあ?可愛らしい魔女ですねぇ。ハスターも一緒にハロウィンですか?魔女さん、お怪我はありませんか?」
自然な動作で手を差し出されたので手を乗せるとそのままお姫様抱っこをされていた。
「あ……え?待って待って、ジャック!大丈夫だよ?」
「ところでハスター、どちらに向かっていたのですか?」
「美智子の部屋に行こうと思っていたのだが。」
「なんとちょうど、マリーが権兵衛をお茶会に招いているそうですよ。どうです?権兵衛。」
「お茶会……お菓子ある?」
「勿論。」
「ハスター、行きたいなー。」
「我は権兵衛の行きたい所に案内するだけだから良い。」
「ありがとう、ハスター。」
ハスターの方を見て手を振っているとグイッと仮面が近寄った。
「ひんっ」
「寂しい事をするのですね、権兵衛は。いまエスコートしているのは私はなのによそ見ですか?それよりも私からはお菓子を強請らないのですか?」
そう言えばジャックの衣装は伯爵だ、
「じゃあじゃあ早速トリックオア」
「Trick or Treat」
「へ?ジャックが言うの?」
「ええ。ダメでしたか?」
「子どもだけって聞いたけど……でもみんな欲しいよね、お菓子。……でも林檎しかもってないや。これは貰ったお菓子だからあげないよ。」
林檎が入ったカゴにお菓子が入っているのが見えて、黙っていればいいのに、馬鹿正直に包み隠さず自信満々な表情にフフっと笑ってしまった。
「それではイタズラをして差し上げますね。」
チュッと頬にキスをされ、私は顔から火が出るほど真っ赤にさせた。
「っっっっっっ!?」
「フフ、着きましたよ。それではハスター、後は頼みましたよ。」
硬直していた私はゆっくりと床に降ろされ、ジャックは私が持っていたカゴに黄色い飴を入れた。
「フフ、ファーストキスはレモンの味でしたっけ?楽しみにしていますよ、権兵衛。」
「っっジャックとファーストキスなんてしないからねっ、ハスターも助けてよ。」
「危害では無いと判断したのだが?あれは紳士というものではな」
「はいっちゃうよ!トリックオアトリート!お菓子をくれなきゃイタズラするよ!」
ハスターは何か話していたけど、ワクワクが抑えきれずにドアを開けると、部屋は真っ暗でお茶会って聞いたのにと首を傾げているとパッと電気がついた。
「ひゃああ……、ん……。」
ゆっくりと目を開けると白いテーブルにたくさんのお菓子が並んでいて、マリーとジョゼフ、アントニオが座っていた。
「まあ、なんてみすぼらしい格好なのかしら。まるで捨て猫のようね。」
「…………私の事ぉ?この日のためにしっかり準備したんだからっ、魔女なんだからっ、魔女っうぅ。」
花嫁の格好をしたガラテアが端からちょこんと顔を出し、
「ふふふ、マリーは意地悪ね。貴女の為にドレスを準備してみたの。着てみる?」
「ひっくっっ、うん、着る。」
ゴシゴシとみすぼらしいと言われた袖で涙を拭き、ガラテアの元へと走った。
「みすぼらしくなんかないもん、私が悩んで、選んだもん。」
「2度着替える事が出来たと思えば幸運とは思いませんか?権兵衛。私はその服は似合っていると思いますよ。」
「アンだ!そうだね、ラッキーかもね。……あ、慰めてくれるの?優しいね。」
黒猫が私の足元に擦り寄ってきて、喉元をそっと撫でた。
「さ、着替えて見せて。」
ガラテアは嬉しそうな表情でハンガーに掛かったピンクのドレスを指さしていた。
ピンクの膝丈のドレスにキラキラのティアラ、白のフリルが付いた靴下に、ドレスとお揃いのピンクの靴に着替え、みんなの居た所に戻った。
「じゃーん!マリー!可愛いでしょ!」
「まあ、お子様なりに気飾れたんじゃないかしら。」
「いや、可憐だよ権兵衛。こっちを向いてポーズを取ってよ。」
そう言いながらも、パシャパシャっとシャッターを切る音が響いていた。
「……そんなに撮ってどうするの?」
「それはコレクションだったり、交渉のカードに……いや何でもないよ。よく撮れたから記念に1枚あげよう。」
そうジョゼフは微笑むと私に一枚の写真を渡してきた。
「踊って差し上げるわ、権兵衛。いらっしゃい。」
「踊れないよー。」
「私の真似をすればいいわ。子どもがきちんと踊ることが出来るだなんて思ってもいないから。」
「……ふえ。」
ガックリと肩を落とした私の頭にポンっと手がのった。
「…………。マリーは権兵衛が下手でも気にしないといってる。楽しく踊ろうと誘っているようだが?泣くな。私の演奏を聞けば嫌でも足は動くだろう。」
「アントニオ……。マリーは優しいんだね……うん、踊ってくる。」
マリーの方へ走って行くと、アントニオのヴァイオリンの演奏が始まり、ドレスの裾を持って広げたマリーの真似をしてお辞儀をして、クルクル回りながら演奏に合わせて踊り、マリーもニコリと微笑んでいたので私もニコリと笑顔で楽しく踊れた。
いつの間にか沢山の三脚に乗ったカメラがセットされていて、ジョゼフが小走りでカメラに移動している姿にも笑ってしまった。
「……本当にあの人はカメラ好きね。」
「そうだね。」
「そのドレスはそのまま差し上げるわ。レオ達も権兵衛の事待ってると聞いたからお部屋に行っておあげなさい。」
「ありがとうマリー、ずっと大切にするね。レオなら沢山お菓子をくれそうだなー。嬉しいなー。」
「……そ、そうならいいの。汚したりしたら許さ……でもたまには着てもいいのよ。勿体無いでしょ。」
マリーはぱっと手を離し、最初と同じ様にスカートの裾をひろげたので私も慌てて真似してペコりとお辞儀をした。
「とってもお似合いでしたよ、権兵衛。」
アンとガラテアが近付いてきて、私にカボチャの形をした籠を渡してきた。
「さっきの味気ないカゴだったから、私が持っていたカゴに変えてあげたの。……その彫刻は私から……いらないなら別に。」
「すごい!石のキャンディだ!大切にするね。ありがとう、ガラテア。」
カボチャのカゴには貰ったお菓子と、追加で沢山のお菓子が入っていた。
「名残惜しいけど行っておいで、権兵衛。また何時でも遊びにきていいからね。」
とパシャパシャっとカメラ越しにジョゼフから別れの言葉をかけられた。
「では失礼しよう。権兵衛?」
「うん、ハスター行こうかな。みんなありがとうね!」
ドアが閉まるまで手を振り、今度こそハスターについて行った。ドアの向こうから写真が云々と沢山の声が聞こえた。
(続く)
書き終わらなかったんごね。続きは11月へL('ω')┘三└('ω')」ハッピーハロウィン★