学校の屋上に1人の少女。そこから見える風景は茜色の美しい光景が広がっている。
少女はどさりとリュックを足元に置いた。リュックからはなれフェンスをよじ登り、猫が通れそうなくらいの幅に足を降ろす。下を見れば校庭が広がっており、落ちたら確実に死ぬ高さであることは一目瞭然だ。しかし、いまの彼女には生気が感じられない。目はどこか虚ろで赤く腫れていた。
「やっと、おわる、のね。やっと。」
下を見つめては微笑していた。
そう、今まさに彼女は自殺しようとしている。
「さようなら。そしてー」
ーごめんなさいー
彼女の謝罪はなにに対してだったのだろうか？
謝罪と共に落ちた少女。その顔は嬉しそうにも見えだが、悲哀に満ちているように思えた。
「彼女なら、もしかしたら。私のー。」
命が散りそうになっている場面を見ていたとある神。彼は彼女が地面に落ちて紅い花が咲く前に彼女を自分の世界に攫った。

これが2人の出会いと始まり