攻め主
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「__あれ、誰かいる…?」
月も見えないような暗い夜。
最近は繁忙期なのもあり目まぐるしい忙しさで今日のところは帰れそうにないと伝えておいたけど、事が思ったよりも早く片付いたのでデビルズパレスの自室へ来た、のだが。
指輪を嵌め自室の扉の前に立つと、誰かの気配を感じた。気になって扉に耳を当ててみる。と、僅かに寝息が聞こえた。
誰かが、寝ている。
一体誰が寝ているのだろうか。
開ける前に考えてみようと、仕事明けの頭で考える。
疲れて寝てしまう、という点であればベリアン、ルカス、ナックなどが思い当たるが、流石にそれはないと思う。
何せこの前、俺が全員強制的に寝かせたばかりだ。
だからおそらく違う。
仮に眠くても、彼らなら頑張って部屋まで戻るだろう。
となると可能性は…ハナマルかボスキ。
もはやどこでも寝れるからな、あいつら…
流石にあの2人でも俺の部屋で寝るのはしないと思うんたけど。
今の担当執事はハナマルだし、その可能性が高いかな。そんなことを考え、扉に手をかける。
中を覗き込めば予想通り、
ベッドに抹茶色の癖毛が見えた。
というかこれは、ベッドに突っ伏している。
ベッドに近づけばシーツが綺麗に整えられているのが分かった。それもハナマルがいるから台無しだが。
…ベッドメイクをしようとして、途中で寝こけてしまったのか。
なるほど、なんともハナマルらしい理由だ。
顔を覗き込んでみて、隈があるか確認する。
なさそうだ。うん、ひとまず安心。
きめ細やかな肌(というのも癪だが)や、長い睫毛を見て、本当に黙ってたらイケメンなんだけどなぁ…と失礼ながらも思った。
主のベッドで居眠りしてるとこを他の執事に見られたら正座ものなので、惜しく思うが起こそうと声をかける。
バレたらハナマルは多分殺される。ミンナ、コワイ。
「…ハナマル、起きろ〜」
「……………」
とんとん、と肩を叩きながら声をかける。が。
起きない。
これ居眠りのレベルじゃないだろ。
え、気絶してる?いやいや、そんな訳あるか。
頭の中に浮かんだ嫌な思考をかき消す。
「ハナマル、起きないと怒られるぞー」
「……んぅ、あるじ、さまか…?」
もう一度声を掛け、
ゆさゆさと肩を揺さぶると、ようやく目を覚ます。
「そうだよ、主様。主様だよ。起きろ……って、うわっ!?」
手を伸ばし引っ張り起こそうとすると、
逆に強い力で引っ張られ、バランスを崩す。
そのままハナマルに抱きとめられた。
「……##夢主##様はいつも頑張って偉いねぇ。よしよし。」
「………は、…」
ハナマルの手が俺の頬に移動し、優しく撫でられ、その衝撃で俺の体が強ばった。
デビルズパレスの執事の中では割とフランクなハナマルだが、キチンと主と執事の距離は保つ。
……たまに保たないが。
普段は、こんなことはしないはず。
………寝ぼけたら、こうなるのかぁっ……
今にも叫びだしたい気分だ。
本当に、ふいうちはダメなんだってば。
叫び出しそうになるのをどうにか抑えて、初めて息を吸ったかのようにたどたどしく息を吸い込む。
落ち着け、俺。
ドクドクと心臓が音を立てているのが耳に伝わる。
相手は寝ぼけてるだけだ。
決してわざとじゃない。…わざとじゃないよな。これで俺を揶揄うためにしてるんだったら策士にもほどがある。
まずは落ち着いて話しかけ……
「………すー…すー……」
「……………っはぁ…」
俺が覚悟を決めた瞬間を狙っていたかのように、寝息が聞こえてきて気が抜ける。
その上、俺の肩に頭を乗せて頬ずりをしてきた。
首にハナマルのくせっ毛な髪がかかり、くすぐったい。
「…………………。」
俺の葛藤なんかまるで知らず呑気に眠っているハナマルを見て、俺は決めた。
このまま放置してやろうと。
それでユーハンに怒られればいい。
抱き締められて、力が強くて退けようにも退けれなくて、とか言ってやる。
ご機嫌そうな顔で眠っているハナマルの頬に口を寄せ、キスを落とす。
今は、これで我慢してやろう。
______
「……………ハナマルさん、何か言い残すことはありますか?」
「いや、誤解だってユーハン!俺マジで記憶にないんだって!」
「ハナマルってば俺にキスもしたんだよ…(嘘)
ハナマルのえっちぃ~」
「……………。」チャキ
「あ~~ユーハンさん、一旦話し合おう、だからその武器をしまってくれませんかねぇ!?」
1/3ページ