男主攻め
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
意識しちゃってください
「……あ、サラじゃん。」
やっほーと、肩を軽く叩いて話しかけてくる此奴は、園辺之高校の間では名の通った男だ。
文武両道、品行方正、その上気さくで、どんな問題児とも打ち解けてしまうから、先生たちにも大変重宝されている。
その人気っぷりは学年の女子だけには収まらず、他学年の女子、さらには男子にも好評というハイスペックである。なんだこいつ。噂ではファンクラブもあるのだとか。規模が違うな……
…そんな有名な彼が、なぜいちクラスメイトなだけの私になんぞに絡んでくるのか。私は未だに理解出来ていなかった。
もちろん、頭が良いからなのかとても話しやすいし、ジョーと同じくらい仲が良い、と勝手に思っている。それでも私が見かけるといつも誰かに囲まれているし、別に私と仲良くしなくてもいいのではないか、と思ってしまうのだ。
…このまま悩んでいても答えはきっと出ない。そう確信し、私は思い切って彼に聞いてみることにした。
「なあ、聞きたいことがあるんだがいいか?」
「ん? いいけど……」
きょとんと首を傾げて、髪が傾きに合わせさらりと揺れた。目が合えば、すうっと目を細めて微笑まれて心臓が悲鳴をあげる。
「…なんで神城は何かと私に構うんだ?」
変なときめきを誤魔化すようにそう問いかけてみれば、彼ははたと動きを止めた。
……なにか良くないことを言ってしまったのだろうか。慌てて様子を見ようと顔を覗き込もうとしたその時、
「あ~~~~~」
急に大声を出しながら勢いよくしゃがみ込むものだから、私は驚いてビクリと後ずさる。
一体なんなんだ。彼は、結構アピールしてたほうなんだけど……となにやら独り言をぶつぶつ言っている。
「よしっ!」
そして意気込んだかと思えば急にがばっと立ち上がり、私の肩を掴んできた。一口に掴んできたと言っても手加減していて、拒否すれば離せる程度の力だった。
「サラ。」
「な、なんだ………?」
真剣な目でこちらを真っ直ぐと見据えられる。その表情はいつもよりもずっと真剣で、どきっとしてしまう。
「俺さ、サラのこと好きだよ。」
「………っへ?」
好き。その二文字を頭で理解するのに多少時間を要した。学校の人気者の彼が、私のことを、好き?
「まあ、すぐ振り向かせられるとは思わないからさ、今度はちゃんとアピールするから……」
覚悟しとけ、サラ。
耳元でそう囁き、不敵な笑みでにっと笑う神城。そのままそいつはぱたぱたと去っていった。……私は、というと突然のことに驚きすぎて腰が抜けてしまい、廊下にへたりと座り込む。
顔が、熱い。体中の熱が顔に集まってきていると思ってしまうほどに。
私はもう、アイツに落とされていたのかもしれない。
「……あ、サラじゃん。」
やっほーと、肩を軽く叩いて話しかけてくる此奴は、園辺之高校の間では名の通った男だ。
文武両道、品行方正、その上気さくで、どんな問題児とも打ち解けてしまうから、先生たちにも大変重宝されている。
その人気っぷりは学年の女子だけには収まらず、他学年の女子、さらには男子にも好評というハイスペックである。なんだこいつ。噂ではファンクラブもあるのだとか。規模が違うな……
…そんな有名な彼が、なぜいちクラスメイトなだけの私になんぞに絡んでくるのか。私は未だに理解出来ていなかった。
もちろん、頭が良いからなのかとても話しやすいし、ジョーと同じくらい仲が良い、と勝手に思っている。それでも私が見かけるといつも誰かに囲まれているし、別に私と仲良くしなくてもいいのではないか、と思ってしまうのだ。
…このまま悩んでいても答えはきっと出ない。そう確信し、私は思い切って彼に聞いてみることにした。
「なあ、聞きたいことがあるんだがいいか?」
「ん? いいけど……」
きょとんと首を傾げて、髪が傾きに合わせさらりと揺れた。目が合えば、すうっと目を細めて微笑まれて心臓が悲鳴をあげる。
「…なんで神城は何かと私に構うんだ?」
変なときめきを誤魔化すようにそう問いかけてみれば、彼ははたと動きを止めた。
……なにか良くないことを言ってしまったのだろうか。慌てて様子を見ようと顔を覗き込もうとしたその時、
「あ~~~~~」
急に大声を出しながら勢いよくしゃがみ込むものだから、私は驚いてビクリと後ずさる。
一体なんなんだ。彼は、結構アピールしてたほうなんだけど……となにやら独り言をぶつぶつ言っている。
「よしっ!」
そして意気込んだかと思えば急にがばっと立ち上がり、私の肩を掴んできた。一口に掴んできたと言っても手加減していて、拒否すれば離せる程度の力だった。
「サラ。」
「な、なんだ………?」
真剣な目でこちらを真っ直ぐと見据えられる。その表情はいつもよりもずっと真剣で、どきっとしてしまう。
「俺さ、サラのこと好きだよ。」
「………っへ?」
好き。その二文字を頭で理解するのに多少時間を要した。学校の人気者の彼が、私のことを、好き?
「まあ、すぐ振り向かせられるとは思わないからさ、今度はちゃんとアピールするから……」
覚悟しとけ、サラ。
耳元でそう囁き、不敵な笑みでにっと笑う神城。そのままそいつはぱたぱたと去っていった。……私は、というと突然のことに驚きすぎて腰が抜けてしまい、廊下にへたりと座り込む。
顔が、熱い。体中の熱が顔に集まってきていると思ってしまうほどに。
私はもう、アイツに落とされていたのかもしれない。