女主夢
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シンくんの誕生日を祝う話。
平和軸/月見真
私は、何をする訳でもなく、シンの家に押しかけ、勝手に彼の膝上でゴロゴロさせてもらっていた。
彼は「夜に連絡もせずに来るのはどうなの」だとかぶつくさ文句を言っていたが、最終的には諦めて中に入れてくれた。
本当に彼氏様様である。勿論、私が何度も押しかけているのもあるかとは思うが。
「誕生日いつ?」
「……急に何…?」
ふと、疑問に思ったことを口に出す。
シンは、それを不可解に思ったのか、ちらりとこちらをみる。声があまりにも警戒心に満ちていて、出会った頃を思い出すようで口元が緩んだ。
「なんとなくだけど」
「…………」
そう言って彼に目を向ければ、懐疑心のこもった視線とぶつかる。本当にただの興味だというのに、彼は私が何かを企んでいると思っているらしい。
「まぁ、いいか……4月2日だけど」
「へぇ」
4月2日か。へー。
…………4月2日?
「…はぁ!?」
「うわっ!?」
私は思わず起き上がる。それに驚き彼は腕を退かす。
自分で思ったよりも大きな声が出たことに驚いた。
「急に起き上がるなよ、危ないな…!」
「ご、ごめん…ってそうじゃなくて!」
私はもはや、大声が近所迷惑だとか気にしている場合ではなかった。
「今日じゃん!しかももうすぐ終わるじゃん!!」
あまりにも彼が今日じゃありませんよなんて言い方をするから私も気づくのが遅れたけど、今日は4月2日だ。
「いや、なんか聞かれる前に教えると祝ってくださいって言ってるみたいだし……」
なんか恥ずかしくない?と私に同意を求めてくるシン。私もそこは同意するけど。けど!
「恋人の誕生日くらい祝いたいじゃん…!」
「う…」
私の訴えに、シンが押し黙った。
どうしようかな、今からでも出来ることはあるだろうか。のんびりしていた頭を回転させる。あ、でもその前に、
「…シン」
「何?」
「誕生日、おめでとう」
私の突然の言葉にシンはぱちくりと目を見開いた。
次第にその目は細まり、そして嬉しそうに細められる。
「……ありがとう」
そう言って彼は笑ったのだった。
「あ!プレゼント!プレゼント買ってくる!」
「え?」
「何欲しい!?」
私は勢いよく立ち上がる。そしてそのまま玄関に向かおうとするが、それは彼によって阻止された。腕を掴まれて引き戻されたのだ。私はそれに不満を顕にする。
「今からってもう8時だよ」
「えー、まだいけるでしょ」
「危ないしダメ」
8時はまだ危なくないのでは…?と思ったけど、シンの目が思ったよりも据わっていたので黙ることにした。
しょうがないから、彼が納得する案を考えなければならない。出来れば今日が終わる前に。
「…あ、じゃあ今からコンビニ行くから着いて来てよ」
「…はぁ?」
______
ボクはどうして自分の誕生日にコンビニに居るのだろうか。「あ、これもいいな」と商品を手に取っていく優を見やる。ちょっと待って。どんだけ買うつもりなの。
「ちょっと買いすぎじゃない?」
「え、パーティーなんだからいいでしょ」
それは君が食べたいだけだろう。
そう文句を言ってやりたがったが、まぁ今日はいいか、と思うことにした。優のポケットマネーで買うらしいし。
「ふぃ〜、いっぱい買ったねぇ」
「やっぱり止めるべきだった……なんでこんなに買うの…」
深夜帯にスイーツやらお菓子やら色々買うボクたちはさぞ店員さんに変な目で見られただろう。コンビニ袋が2袋もある。
「ねえ、袋私も持つよ、重いでしょ」
「いや、だ、大丈夫、………おも…」
「大丈夫じゃないじゃん…」
男としてのプライドで2袋持ってみたけど、やっぱり重い。うぅ、鍛えようかな………
「……あ、じゃあこうしよう」
そう言って彼女はボクの片手のコンビニ袋の持ち手を持った。片方の持ち手を彼女が持っているから大分軽く感じる。
「…これさ、バカップルみたいじゃない?」
「カップルなんだからいいじゃん」
「誕生日おめでとう!」
「…うん、ありがとう」
本日2回目のその言葉。2回も良いよ、なんて言ったらじゃあ仕切り直しってことで!と押し切られてしまった。
ボクが彼女の押しに弱いのか、はたまた彼女が強いのか………ボクは考えることをやめた。
「はぁ、良かった、ギリギリ今日に祝えたよ~」
「え?あ、ホントだ」
時刻を見れば、あともう少しで日にちが変わる時刻まで来ていた。帰る時、少し早足だったのはそういうことか。
祝われるボクよりも嬉しそうな彼女に、笑みが溢れる。
「…ふふっ」
「?何笑ってるの?」
「……ううん?」
君が祝ってくれることが、何より嬉しい、だなんて。
調子に乗るから言ってはやらないけど、ね。
平和軸/月見真
私は、何をする訳でもなく、シンの家に押しかけ、勝手に彼の膝上でゴロゴロさせてもらっていた。
彼は「夜に連絡もせずに来るのはどうなの」だとかぶつくさ文句を言っていたが、最終的には諦めて中に入れてくれた。
本当に彼氏様様である。勿論、私が何度も押しかけているのもあるかとは思うが。
「誕生日いつ?」
「……急に何…?」
ふと、疑問に思ったことを口に出す。
シンは、それを不可解に思ったのか、ちらりとこちらをみる。声があまりにも警戒心に満ちていて、出会った頃を思い出すようで口元が緩んだ。
「なんとなくだけど」
「…………」
そう言って彼に目を向ければ、懐疑心のこもった視線とぶつかる。本当にただの興味だというのに、彼は私が何かを企んでいると思っているらしい。
「まぁ、いいか……4月2日だけど」
「へぇ」
4月2日か。へー。
…………4月2日?
「…はぁ!?」
「うわっ!?」
私は思わず起き上がる。それに驚き彼は腕を退かす。
自分で思ったよりも大きな声が出たことに驚いた。
「急に起き上がるなよ、危ないな…!」
「ご、ごめん…ってそうじゃなくて!」
私はもはや、大声が近所迷惑だとか気にしている場合ではなかった。
「今日じゃん!しかももうすぐ終わるじゃん!!」
あまりにも彼が今日じゃありませんよなんて言い方をするから私も気づくのが遅れたけど、今日は4月2日だ。
「いや、なんか聞かれる前に教えると祝ってくださいって言ってるみたいだし……」
なんか恥ずかしくない?と私に同意を求めてくるシン。私もそこは同意するけど。けど!
「恋人の誕生日くらい祝いたいじゃん…!」
「う…」
私の訴えに、シンが押し黙った。
どうしようかな、今からでも出来ることはあるだろうか。のんびりしていた頭を回転させる。あ、でもその前に、
「…シン」
「何?」
「誕生日、おめでとう」
私の突然の言葉にシンはぱちくりと目を見開いた。
次第にその目は細まり、そして嬉しそうに細められる。
「……ありがとう」
そう言って彼は笑ったのだった。
「あ!プレゼント!プレゼント買ってくる!」
「え?」
「何欲しい!?」
私は勢いよく立ち上がる。そしてそのまま玄関に向かおうとするが、それは彼によって阻止された。腕を掴まれて引き戻されたのだ。私はそれに不満を顕にする。
「今からってもう8時だよ」
「えー、まだいけるでしょ」
「危ないしダメ」
8時はまだ危なくないのでは…?と思ったけど、シンの目が思ったよりも据わっていたので黙ることにした。
しょうがないから、彼が納得する案を考えなければならない。出来れば今日が終わる前に。
「…あ、じゃあ今からコンビニ行くから着いて来てよ」
「…はぁ?」
______
ボクはどうして自分の誕生日にコンビニに居るのだろうか。「あ、これもいいな」と商品を手に取っていく優を見やる。ちょっと待って。どんだけ買うつもりなの。
「ちょっと買いすぎじゃない?」
「え、パーティーなんだからいいでしょ」
それは君が食べたいだけだろう。
そう文句を言ってやりたがったが、まぁ今日はいいか、と思うことにした。優のポケットマネーで買うらしいし。
「ふぃ〜、いっぱい買ったねぇ」
「やっぱり止めるべきだった……なんでこんなに買うの…」
深夜帯にスイーツやらお菓子やら色々買うボクたちはさぞ店員さんに変な目で見られただろう。コンビニ袋が2袋もある。
「ねえ、袋私も持つよ、重いでしょ」
「いや、だ、大丈夫、………おも…」
「大丈夫じゃないじゃん…」
男としてのプライドで2袋持ってみたけど、やっぱり重い。うぅ、鍛えようかな………
「……あ、じゃあこうしよう」
そう言って彼女はボクの片手のコンビニ袋の持ち手を持った。片方の持ち手を彼女が持っているから大分軽く感じる。
「…これさ、バカップルみたいじゃない?」
「カップルなんだからいいじゃん」
「誕生日おめでとう!」
「…うん、ありがとう」
本日2回目のその言葉。2回も良いよ、なんて言ったらじゃあ仕切り直しってことで!と押し切られてしまった。
ボクが彼女の押しに弱いのか、はたまた彼女が強いのか………ボクは考えることをやめた。
「はぁ、良かった、ギリギリ今日に祝えたよ~」
「え?あ、ホントだ」
時刻を見れば、あともう少しで日にちが変わる時刻まで来ていた。帰る時、少し早足だったのはそういうことか。
祝われるボクよりも嬉しそうな彼女に、笑みが溢れる。
「…ふふっ」
「?何笑ってるの?」
「……ううん?」
君が祝ってくれることが、何より嬉しい、だなんて。
調子に乗るから言ってはやらないけど、ね。