第一章後編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「うーん…筋は通るかな…すごく怪しいけど…」
「あ、怪しくなんてないです!わ、私なんでも話します!」
「……なんでも?ナオさん、今…なんでもと言いましたか?」
「へ、そ、そうですけどぉ……」
「では……聞きたいことがあるのですがいいですか?」
ナオさんに確認をし、私は疑問を口にする。
「あなたが抱えていた箱の中にミシマさんの頭がなかったのですが……どこにやったんですか?」
「………えっ!?」
「おまわりさんも気になってたんだよねー…ナオちゃんが去った後、ナギサちゃんとサラちゃんで確認したけど…中身は空っぽだった」
「そ、そんなハズは…!」
ナオさんは本当に何も知らなかったように動揺した。そして…一瞬こちら側の誰かに目を向けようとしていた。
「私は……知りません!先生とずっと一緒でした…!どこへ行ってしまったんですかぁ!?」
「うーん…これは演技なのかな…?」
「……」
演技…ではなさそうだ。そもそもナオさんはそういうのが得意なタイプじゃないし…なにより彼女は嘘をついていない。
「ナオはそんなヤツじゃねぇ!消えた理由が…あるハズだ!」
「消えた頭部の謎…か。ナオちゃんの言動が演技だとして…ここでウソをつく理由がよく分からないんだよねー」
消えた頭部の謎……ありそうだな、ミステリー小説の章タイトルで。
「私は確かに自分を見失ってました…でも不審なこと何もしていません!消えた理由も…知りません!」
嘘は言っていない。しかし何かは隠している……ナオさんの別の行動から何か不可解な点はなかっただろうか。すると、ジョーくんがこう口にした。
「なぁ……ナオさん。どうしてナオさんは犯人探しをしようとしなかったんだ?事故とはいえ尊敬してる人が投票されたせいで…あんなふうに…怒る方が自然じゃねーか?」
「わ…私はそんなこと思いません…悪意のない投票だって…分かっていましたから……」
「……」
…本当に?ミシマさんには『3票』も入っていた。ひとつはミシマさんの票だと仮定しても……残り2票は確実に誰かがミシマさんに入れた票だ。犯人探しをしたくなるのが普通じゃないだろうか。
「……本当は尊敬していなかったとか?」
「な…何言って…」
「ナオさんとミシマ先生に絆なんてなかった…だったら犯人探しをしない心境も分かるってことさ」
「酷いです……酷いです!私は、わたしは…本当に先生を……!」
55/55ページ