第一章後編
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「ど、どうなってるんですか…!?どっちが嘘をついてるんですか!?」
「まあまあ、落ち着こうみんな」
鍵番に名乗り出た2人に、動揺を隠せない皆を宥めたのはケイジさんだった。
「いいかい?役職が重要になってくるのは決戦投票からだ。決戦投票で鍵番を選んだら……全滅することになる。2人のうち、どちらが本物の鍵番なのかは分からないけど、他に居ないのなら2人は投票の候補から外さなくちゃいけない。これは前進じゃないのかな?」
「そうですね。どちらかは嘘つきですが…犯人側の人間ではない確率が上がりました」
「なんでだ?」
Q太郎さんが不思議そうに問い掛けてくる。私は慎重に言葉を重ねた。
「考えうる最悪のパターンとして、この中に犯人側の人間…つまり裏切り者が居ると仮定しましょう。そしてその人物は鍵番の所有者で、私達を全滅させようとしている」
まあ……楽しむデスゲーム目的なら…立ち回りは変わってくるだろうが。私が話した内容にケイジさんが頷いた。
「その場合、自分が犠牲者に選ばれるよう態度や発言で誘導してくるかもしれないね。あるいは犯人の一味はここに2人居て、どちらかが身代のカードの所有者で、自分ともう1人を除いて全滅させようとしているのかもしれない。だがどっちの場合でも、自分で鍵番と名乗る意味はない。そうじゃないか?」
つまり、鍵番と自らを偽った人間は単純に生き残ろうとしているプレイヤーである可能性が高い。……ソウさん…やはり何かがある。
「鍵番を名乗った人物が2人いることは仕方ないとして、今後のことも考えて怪しい人間を探すことが先決だと思う。本当に、犯人側の人間が潜んでいるかもしれないしね」
そうケイジさんが締めくくると再び場は沈黙に包まれる。その沈黙を破ったのは……ゴンベエさんだった。
「やれやれ…最初の威勢はもう力尽きたか。…オレが話題を作ってやるよ。
紫藤ナギサ……オレはお前に投票する!返す言葉はあるか?」
「そう来るかぁ……」
ため息のような声が零れる。まあ、予測はしていたが…
「ま…待ってください!ナギサに投票するって本気ですか…!?」
「何を言う、千堂院沙良。オレはいつでも本気だ。こいつの行動に怪しい所はないか話し合ってみようじゃないか」