第一章後編
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「これは予選投票です。満場一致でゴンベエさんに投票した場合…」
「本戦投票の選択肢がゴンベエさんだけになっちゃうのか…」
「んなっ!もしゴンベエさんが身代か鍵番だったら…!」
「全滅…ですね」
「そもそも役割のカードはボクらが自由に選択したわけじゃないよね」
「まさか…誘導されて…!?」
「誘拐犯が1番信頼されていないゴンベエさんに特殊な役割を与えて楽しんでいる可能性は…あります」
全く有り得ない話ではない。ゴンベエさんが手に取れる場所に特殊な役職のカードを置いておけば成立する、が……私の見立てだと、カードを設置したのはQ太郎さんだ。
あんな目立つところにカードを、知らない人が置けば嫌でも目立つ。なら…参加者にやらせれば自然にカードを配置出来るだろう。
が、しかし…赤の部屋は途中まで閉じられていた…赤の部屋にQ太郎さんがカードを置いた可能性は排除していいだろう。となると…カードはランダムに参加者の手に渡っている可能性が高い。
「さーて、大混乱タイムだ!オレはお前らの慌てっぷりをじっくりと見させてもらうぜ…」
「趣味悪いですねぇ…」
「こりゃ…思った以上にイジワルなゲームだねー…」
ルールはシンプルなのに、意外と奥が深い。キチンと練られているのがよく分かる……誘拐犯側の生半可じゃない気持ちが伝わる。
「オレたちは生き残るために…なるべく6人の候補者を作らなきゃいけない」
「6人も…疑うのかよ…!」
「………」
「ククク…お前らにとっちゃオレ以外は協力しあった仲間たち…か。傑作だな」
「……ゴンベエさん、それでもキミが第一に選ばれる位置に居るのは間違いないよ…なんでそんな自信があるの?」
「フン…聞いていたか?オレは鍵番か身代の可能性が…」「…ごめんね、ひとつ…可能性を削っておくよ」
「あ?」
「ボクは鍵番だ」
「…!」
………嘘、だ。
周りを見回す。皆動揺している中…1人だけ、食い入るようにソウさんを見つめている人が居た。
サラちゃん。サラちゃんが本物…か?
「本当か、本当なんだよな!?ほかに名乗るヤツがいねーなら信じてもいいんだよな」
Q太郎さんが確認のために声を張り上げる。私はサラちゃんを横目で見た。さて……どう出る、サラちゃん。
「ま…待ってください!私が鍵番です!」
サラちゃんが役職を明かす。
「へぇ…そう来るんだ、サラさん」
「それはこちらの台詞です、ソウさん」
2人が睨み合う。サラちゃんはキッとソウさんを睨みつけるのに対し、ソウさんは冷徹な瞳でサラちゃんを見ていた。
「2人のうち、どちらかが…嘘つきってことですね」