第一章前編『決意と喪失』
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ああだからさっきあんなに…」
ケイジさんが私の方を凝視してたことを納得したように呟く。
「事実じゃないかなー」
「うわあ…酷い。今更名前の一つや二つでなんも支障でませんよ…」
「ええと、じゃあナギサにも話を聞いていいか…?」
「はい、もちろんですよ!」
ケイジさん…覚えてろよ……っ
正直言って経緯とかは話したくないが、ここで拒否するのはよくないだろう。私はケイジさんへと怒りを抑えながら笑みを浮かべる。
「ここに来るまでの経緯とか分かるか?」
「ええと…最近、園辺之…?というところに引っ越してきたんですが、道が分からないと困るのであっちこっち彷徨っていたら急に後ろからガっと掴まれて…そこからは気絶してしまったんですよね。」
「私の学校の近くだ…!」
「わあ、そうなんですか?えへへ、 案外近所だったりして!」
適当に調べて挙げたところがまさかサラちゃんの高校の近くだったのか。ちょっとサラちゃんの顔が明るくなった。やっぱかわいい…
私たちのやりとりに大人の人達が微笑ましそうにこちらを見ている。…場が少し和んだようだ。
「わ、私はミシマ先生の元教え子です!
名前は絵心菜緒です!ミシマ先生のおかげで今は美大に通ってます!」
ナオちゃん…と言うのか。
ふむ、可愛い。おどおどしてるとこがかわいい。そして自分のことよりミシマ先生の誤解を解こうとしてるのがかわいい!!
サラちゃんには敵わないけどな……
そして最初の試練。サラちゃんの反応の見ると、たぶん同じ内容なんだろう。
一本のカギ、信頼と冷静さが試される感じか。
命がかかっている試練、か…少し気になるな…
「オレはバーガーバーグQ太郎や!野球選手じゃ!」
すごい方言が混ざっていると思ったが…なるほど孤児か。首輪を力づくで外そうとしていたが、外れないみたいだ。やっぱり首輪の材質が気になるなあ…
「佐藤戒と申します。なんの変哲もないシュフです。」
得意料理はエッグベネディクトか、美味しいのだろうか?ちょっと花村くんと会わせてみた…いや、だめだな。後ろの料理器具がちょっと気になるが、まあそれはそれとしておこう。
そして、さっきから隅っこで怯えている女の子…
たぶん中学生ぐらいだと思う。どうやらサラちゃんも気になるみたいだ。