「誘拐犯について知ってることはありますか？」

「フン……情報はゼロだ……
ここへ連れてこられる前、珍しく面会の予定が入ったんだ

だが面会室に来ても誰も来ない、おかしいと思った頃には気が遠くなってたな」


…連れ去った、というかこれは全体が容認して連れてかれたのか……
つまり、警察側にも影響があるほどの権力…


「なんでずっと隠れてたの？」

「目が覚めて思ったんだ…やばい！ここはやばい！……ってな」

「語彙力大丈夫です？」


「試練がどうこうスピーカーからなっていたがバカバカしい 身を隠すのが先決だ

赤い扉にカギをかけ、長き間息をひそめた…！
虎が獲物を狩る時と…同じように…！！」

「(怯えて引きこもってたんだな…)」

「しかし、世にも恐ろしい音が近くで何度も響き渡ったんだ…」

「その音…とは？」

「しらばっくれるなよ…お前」

「………」

「胸に手を当てて考えるんだな…」


はぁ、とため息をついた。
やっぱり私たちが何人か殺したと思われてるなぁ……

……もう大分時間はとった。これ以上は必要ないな。


「……なるほど、つまりアナタは……

聞いてしまったんですね（・・・・・・・・・・・）？」

「なっ…」

「うーん…聞いてしまったのなら、仕方ありません…
サラ、銃を出してくれますか」

「…………分かった。」

「な…！！！」


私が何を考えているかは分かっていないようだが、じーっと目を見て、大丈夫と思ったのかサラちゃんは私に銃を手渡した。その様子を見ていたゴンベエさんは焦りだす。


「その通りですよ、ゴンベエさん。

貴方が聞いた音は…人を撃った時の銃声。

さっき、私の言うことを聞かず反発する輩がいーっぱい居ましたから…思わずやっちゃいました」



「…オレを殺す気か…！」

「ええ、その通りです。


……最後に何か、言うことはありますか？」



コツコツとより近づき、ゴンベエさんの頭にリボルバーを突きつける。

ゴンベエさんは身震いした後、静かに目を閉じた。


「それで他のヤツが無事なら……いい…


さっさと撃て…」

「……………」


その発言を聞き、私はきょとんとする。同時にケイジさんが微かに笑ったような気がした。


「…ナギサちゃん。そろそろ揶揄うのを辞めてあげたらいいんじゃない？」

「……ええ、そうですね。」


ケイジさんに窘められ、私は銃を下ろす。

ゴンベエさんはいつまでも衝撃が来ないことを不思議に思ったのか目を開けた。