「……職業を教えてください」

「職業はその…なんだサラリーマンだな…」

「その服装でですか？」

「うっ…！！」

「もう少しマシな嘘ついてくださいよ……
にしても、まるで囚人服のようですね」


「バカめ、舎房着にこんな柄はない…！パジャマも縦シマだしな」

「…随分詳しいんですね」


サラちゃんが追い討ちをかける。


「……！！テメェ、罠か…！！」

「いや、アナタが勝手にボロ出したんでしょうが」


顔に青筋をたてて、悔しそうにする。

私がツッコめば、ケイジさんがククッと笑った。おいそこ笑うな。お笑いじゃないんだよ。


「ふむ…なんだか疲れる人ですね…」


カイさんに言われるとは…中々だなコヤツ。


「確かに、ちょっと長い間、人から物を借りすぎて捕まったさ」

「窃盗犯ね…」

「アンタだってゲームとか借りパクしたことくらいあんでしょ！！」


いや、ないだろ。


「だが…模倣囚として真面目に過ごしてたんだ！なのに…こんな所に突然連れてこられて…！」


うーん……模倣囚として真面目に過ごしてた、ってことは収容所から連れされるほどの権力なのか……？


「誘拐犯について、何か知っていますか？」

「うるさいわね！！アタシばっかり答えさせて！！」


うーん、答えてくれない。
サラちゃんがため息をつき、もう一度話しかける。


「まずは冷静になりませんか？ゴンベエさん」

「…オレはいつだって冷静だ」

「私達は敵ではありません。言い争うことはやめませんか？」

「フン……確かに腹が減るだけだな。だが…やり方が気に入らねぇ、こんなのは対等な話し合いじゃねぇ」


うーん、聞いてはいるようだけど…
あともう一、二回だな。