いまだに気絶している女の子をケイジさんは起こすと…

注目を集めるためか堂々と広間の真ん中に立った。

だけど…


「テメーら 誰だ！ここはどこなんだよ！」

「オレ達も知らんだきゃ！ 落ち着けって！」


不思議なメイクをした女性が、
とても大きな男性につかみかかっている。


「どなたか説明できる人はいないんですか！？」

「なにがなんだか… 困りましたね…」


みんな取り乱しているためかケイジさんに目も向けやしない。
ちょっと可哀そうだ。


「ちょいと待てって！ ここはまずお互い知っていることを確認するべきだ」


ようやくケイジさんが口を挟む。


「そんなこと言っても…ここがどこかもわからないんですよ！」

「先ほどひどい目に遭いましたから…冷静ではいられませんねぇ…ククク」


ケイジさんの発言に怯えながらも言い返す女の子…？
と怪しげなスーツの男性も話すが…


それ以外の人はまとめようにも混乱していて話を聞きそうにない。


これは少し骨が折れそうだ…

先程起きた、いや起こされた女の子が、さっきの男の子に恐る恐るといったように話しかける。


男の子は一瞬他人のように振る舞った後…二カっと笑って冗談を繰り出した。


ふぇ…？ってなんだめちゃ可愛いんですが！？


守りてぇ～～～！！！
あわよくばお姫様抱っことかさせてほし～～！！！






…………閑話休題（それはさておき）。



私は壁に寄りかかっていたのだが、耳が良いため会話の内容からして女の子はサラちゃん、男の子はジョーくんと言うようだ。


名前まで可愛い…


ケイジさんも聞いていたらしく、彼らに近寄って話かけている。


だが、ジョーくんはそれに答える気はないらしく口を噤んだ。


…警戒、しているなあ。ケイジさんにだけというより、
ここに首謀者がいるかもしれないことを疑っているのだろうか。


「よーし、みんな話を聞いてくれ。」


今度こそ大丈夫だろうとケイジさんが声を響かせた。
今度も無視されたら面白いんだけどなあ。


「たぶんオレ達はみんな同じことを思ってる。」


すいません、私思ってないです。


「ここはどこなんだ？なぜ自分は連れて来られたんだ？
わかっているのは自分が何者か…くらいだ。」


なぜ自分がここにいるのか…わからないとはいえ、検討はついている。