第一章後編
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ドンッ
「うわっ!?」「きゃっ!?」
周りに目線を向けながら前を歩いていると、
誰かとぶつかった。
「あ……ゴメン、カンナちゃん!」
やべ、前見てなかった。考えごとをしながら歩くのは私の悪い癖だ。
どうやらぶつかってしまったのは
カンナちゃんのようで、尻餅をついていた。
目には涙が浮かんでいて、やはり痛かっただろうか、と手を差し出す。
「い、いえ…私も、前見てなかったのでっ…」
受け答えるカンナちゃんは、どこか元気がない。
それどころか、私と目を合わせてくれない。
……やっぱりさっきの話は、もっと前に止めるべきだった。
………よし、
「カンナちゃん…ちょっと、失礼するね?」
「…… へ、!?」
カンナちゃんを引っ張って抱きしめそのまま頭を撫でれば、
驚いたようにびくっと体を揺らし、恐る恐るといったように手を回してくれた。
そうして少しの間抱きしめていると、僅かに嗚咽が聞こえてきた。
悪くないと言っても、きっと逆に自分のせいと責めてしまうだろう。だから今はきっと、下手な言葉よりこうして誰かの温もりがある方がいい。
「ぅ……ナギサさん…すみません、ありがとうございました……」
「ううん、大丈夫だよ。あ、ハンカチどーぞ?」
こちらを伺うように覗き、ぎこちない動作で離れる。
ハンカチを渡せば、消え入りそうな声で感謝を伝えてくれた。
「困った時はお互い様だよ、カンナちゃん。
私、行きたいとこあるからもう行くねー!」
「あ、はいっ………!」
まだ少し不安は残るけど、多分大丈夫だろう。
余程のことがない限り怪我しない…と信じたい。
「うわっ!?」「きゃっ!?」
周りに目線を向けながら前を歩いていると、
誰かとぶつかった。
「あ……ゴメン、カンナちゃん!」
やべ、前見てなかった。考えごとをしながら歩くのは私の悪い癖だ。
どうやらぶつかってしまったのは
カンナちゃんのようで、尻餅をついていた。
目には涙が浮かんでいて、やはり痛かっただろうか、と手を差し出す。
「い、いえ…私も、前見てなかったのでっ…」
受け答えるカンナちゃんは、どこか元気がない。
それどころか、私と目を合わせてくれない。
……やっぱりさっきの話は、もっと前に止めるべきだった。
………よし、
「カンナちゃん…ちょっと、失礼するね?」
「…… へ、!?」
カンナちゃんを引っ張って抱きしめそのまま頭を撫でれば、
驚いたようにびくっと体を揺らし、恐る恐るといったように手を回してくれた。
そうして少しの間抱きしめていると、僅かに嗚咽が聞こえてきた。
悪くないと言っても、きっと逆に自分のせいと責めてしまうだろう。だから今はきっと、下手な言葉よりこうして誰かの温もりがある方がいい。
「ぅ……ナギサさん…すみません、ありがとうございました……」
「ううん、大丈夫だよ。あ、ハンカチどーぞ?」
こちらを伺うように覗き、ぎこちない動作で離れる。
ハンカチを渡せば、消え入りそうな声で感謝を伝えてくれた。
「困った時はお互い様だよ、カンナちゃん。
私、行きたいとこあるからもう行くねー!」
「あ、はいっ………!」
まだ少し不安は残るけど、多分大丈夫だろう。
余程のことがない限り怪我しない…と信じたい。