ケイジside


『私は…チャレンジャーには、
　サラさんの方が適任だと思います…。』


その言葉を聞いて、オレは正直とても驚いていた。


ナギサちゃんにはああ言ったものの、カイやソウと自己紹介しようとはしなかったから。

もしかして信頼されている方なんじゃないか、と思っていたけれど、オレを推薦しなかった。




だから、オレのことを推薦するんじゃないかと思っていた。でも後の言葉を聞いて、納得した。


オレが何故チャレンジャーにならないのか聞かれ、黙っていた時、


『あなたにとって話したくないことなのかもしれません、
　ですが、黙っていちゃ分かりませんよ！！』


黙っていちゃ分からない。


そんなことだけ言えば良かったのに、
あなたにとって話したくないこと、と言った。


ナギサちゃんは……薄々察していたのかもしれない。


オレがトラウマを抱えていることを。

そして、オレがそのことを話した時も、驚くわけでもなく、淡々とした表情で静かに聞いていた。



ナギサちゃんは……敵に回したくはない、ねー。



ケイジside終