第一章前編『決意と喪失』
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「ククク…………あー笑った……。
そうだな、説明させてもらうよ。
オレは人を撃ってしまったんだ。
それ以来……銃が撃てなくなっちまった。」
「…………。」
私の予想した通りの答えだった。
ケイジさんは人を殺してしまったのだ。
でも、それでここまでとなると……大事な人だったのだろうか。
「情けないもんだね、その覚悟があったから刑事になったはずだったのに。」
「でも、そんなことがあればニュースになっているはずじゃ……。」
「表に出るものだけが真実じゃないさ。
……それだけ、だよ、本当。」
この人は、本当に……。
「……そん話は本当かじゃ?」
「………ああ。」
「……仕事でだよな?
撃たれたヤツは…死んだのか……?」
「………。」
一瞬の沈黙。それはとても重苦しい雰囲気だった。
「……………トラウマってことか……。」
「期待に応えられなくて、ごめんごめん。
あれ以来、人に銃を向けると頭が変になって汗が止まらないんだ。」
「そんなやつにゃあ……任せたくねーわな。」
「そ、それじゃあサラに賭けてくれるのか?
Qタロウさん!」
「……ま、待ってくれ! やっぱ不安じゃ!命なんだぞ!!賭けるもんは!!」
そりゃまあ不安にもなるよな。Q太郎さんの気持ちは充分分かる。…というか、むしろこれが普通の反応だろう。
「えぇ!? Qタロウさん!!」
「サラ……お前の言葉で…信じるに足るか……見定めてやるぜよ!」
「分かりました……!」
そうして、二人の激しい舌戦が始まった。
「ゼェゼェ……疲れたぜよ……」
終わった二人は疲れきった様子だった。
そりゃあんなに激しく言い合ったらそうなるなぁ……
「本音で言い合ったっけなんだかスッキリした気分だがや。」
「え……。」
「……さて、話も落ち着きましたしそろそろ多数決しますか。」
「そうだねー、二人にはお疲れのとこ悪いけど、始めようか。」
「そうですね。」
サラ 5票
Qタロウ 1票
……カイさん……?
「どうやら……決まりじゃな。」
「流石に異論はない……よね?」
「はっはっは! 当然だろ!
サラ、ナギサ、お前さんたちほどハッキリ言えるヤツは最近のがきんちょにはほとんど居ないよ。
お前さんになら、賭けていいと思えたぜ。」
「Qタロウさん……!」
「格好いいこと言うねー。」