第一章前編『決意と喪失』
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「………分かったよ。確かにオレには無理かもしれねー。
けどな! まだ言いてぇことがある!
ケイジ! お前さんがチャレンジャーをやればいい話じゃねえか!職業柄、修羅場だってかいくぐってるハズだろ!」
「………。」
「……た…確かにそれは…。」
さて、みなさん突然ですが、
『首を触る』という行為は何を示しているでしょうか?
…人が首を触るとき、というのは、
なにか不安やストレスを抱えていたり恐れがあったり、
嘘をついている時が多いんですよね~。
そしてケイジさんはよく首を触っている。
でもその時、嘘をついている訳ではなかった。
…ここまで言えば、言いたいことは分かるだろう。
ケイジさんには何か、『トラウマ』がある。
そう、それこそチャレンジャーに立候補しない、出来ないほどの、銃に対してのトラウマが……
だから私は、ケイジさんが適任とは言わなかった。
今のケイジさんのままでは、仮に私が必勝法の話をしても、全員助かるかは分からない。
けれど、かと言って私が話すのも無理だ。
私はもうすでにかなり目立っている。
もしも誘拐犯側が私の情報をあまり知らないのであるのなら、厄介視されて口封じに殺されてしまうかもしれない。
……自分の口で話すしてもらうしかない、か。
「そうですね、私もずっと疑問に思っていました。
なぜ、一番適任である警察の方が自薦しないのか……と。」
「まあ、そう思われるよね……。」
「オレだって命を預けるなら少しでも信頼できるヤツがいいんだ。自分以外ならケイジ……お前さんしかいねーぜよ。」
「ケイジさん……どうしたんだ……?」
「………。」
ケイジさんはなにも喋らない。
まあ、そりゃ話したくはない、よなぁ。
私だってそんなこと聞きたくないし、話したくもない。
……でも、今はそうしなくちゃ前に進めない。
すうっと息を吸い込む。
「ケイジさん!! 答えなさい!!!」
「うおっ」
怒鳴られるとは思っていなかったらしく、驚いている。
「あなたにとって話したくないことなのかもしれません、
ですが、黙っていちゃ分かりませんよ!!」
「…………ふふっ、
はっはっはっは! キミは、オレの母ちゃんか? はっはっは!」
……え、いきなり笑い出したぞこの人…
こっちは覚悟決めた上で怒ってんだけどなぁ!?