サラside

『まあ早速だが、
　これからゲームのルール説明をさせてもらうぜ。』

「る…ルール説明ですか…？」

『そりゃそうだよ！ルールも知らねえで命賭けんのかぁお前は！酔狂だねぇ！』

「命を…賭ける…？」


その一言で、空気が一気に重くなる。
命。またあんな馬鹿げたことをしなきゃならないのか。


『簡単なお遊びさ！ この部屋には今お前ら
　５人の人間が居るだろ？

　部屋を見渡せ…！
　空いている席は４つだ。
　
　一人はチャレンジャー、残り４人は席に座り、的になってもらうぜ。』

「……ちょっと待ってくれ。ここには６人いるが？」


ケイジさんが口を挟む。確かにそうだ。今ここには６人居る。


『あれ？本当だな。じゃあしょうがねえ、一人には見ててもらうか。』


ちょっと適当だと思ってしまったのは、私だけではない気がする。


「的…だぁ…？ なんの的になれっちゅうんじゃ…！」

『おいおい、この部屋でクールな武器をくれてやっただろ？』

「り…リボルバーの的になれって言うんかじゃ！？」


リボルバーや弾はそのためにあったのか。
それで、誰かを殺してしまうかもしれないのに…


「それで？そのルールって言うのはなんだい？
　もちろん死 なずに済む方法があるんだろうね？」

『はっはっは！ 当然だ！
　ただ死ぬ仕掛けなんてユニークじゃねーだろ？

　けどなぁ…まずはチャレンジャーを誰にするか決めて
　もらわないといけねぇ。』

「内容も知らずに撃つ野郎を決めろって言うんかじゃ！
　んなもん誰が的になるっちゅうんじゃ！」


Qタロウさんの言う通りだ。
そんなの誰も的になんてなりたがらないだろう。


「………チャレンジャーは安全なのか？」

『おう！ スリルを味わえるのは的だけだ！
　残念だな！』

「…そうか。サラ、お前にチャレンジャー頼めるか？」

「…な！」


突然の提案。それはとても突飛なものだった。


「ふ…ふざけんが…！
　勝手に決められっちょ、良いわけねーだろ！」

「流石に女の子に銃を撃たせるのはいかがなものでしょうか……。」

「おまわりさんは賛成だなーサラちゃんは頭が切れる。」


ナギサは何も言わず、俯いて思案しているようだった。


「サラ、どうよ自信は？」

「自信…？」


ジョーは…あの時私が託した願いに応えてくれた…

今度は私に託そうとしているんだ…！

応えてみせる…絶対に…！