第一章前編『決意と喪失』
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サラside
他の場所を探索しようとしたところを
ケイジさんに呼び止められ、私は振り返った。
「あれ、サラさん。行かないの?」
後ろからソウさんの不思議そうな声が聞こえる。
すると、私の少し後ろにいたナギサがさっと青ざめ、
「っ、サラさん、危ないっ!!!」
「うわっ、ナギサっ!?」
すごく強い力で引っ張られる。
一体なにが、と思った所で、後ろからガシャン!という音が聞こえた。
ナギサに抱きとめられている形になりながら、後ろを見る。ちょうど私が立っていたところに、鉄格子があった。
どくどく、と心臓が煩い。
もしも、ナギサが気づいて引っ張ってくれなかったら…
想像するとぞっとした。私はもうちょっとで死 んでしまうところだった。
「うわっ…なんだ…!?
サラさん!大丈夫!?」
「っはーー、サラさん、大丈夫でしたか…?」
「……ああ、大丈夫だ。」
静かに顔を顰めているナギサの目には確かな怒りが見えた。
ここに来てから、ナギサのことは見てきたつもりだったが、これほどの感情を顕にしたのは初めて見た。
だけど、瞬きした後は目に怒りは消えていて。
いつも通りの表情に戻った。
ナギサは私の体制を直したあと、ゆっくりと離した。
「くそっ、開かない!
何かこじ開けられそうなもの探してくる!」
ソウさんはそうして奥に消えていく。
ナギサはそれを観察するように、表情の無い顔でただ静かに見つめていた。
そして、私たちの近くにみんながやって来る。
「サラちゃん、ナギサちゃん、大丈夫かい!」
「サラ、ナギサ、怪我はねーか!?」
「はぁ…なんとか生きてますよ…。」
「ああ…私は大丈夫だが……。」
「くそっ! 罠だがや! 何が起きるか分からん!
気をつけろ!」
ちらりと隣のナギサに目線を向ける。
さっきとは打って変わって、落ち着いているように見えた。
ここに来た時もそうだ。
怯えるわけでも、怒鳴るわけでもなく、
壁に背を預けて静かにこちらを観察していた。
こちらを見透かすような瞳で、少し怖気付いたのを覚えている。
ナギサが、よくわからない。
『おいおい、そんなに身構えるなって。』
「うわっ、誰の声だ!?」
『はっはっは、
細けぇことは気にすんなよ。
オレはこの部屋の主、アルジーとでも呼んでくれよ。』
―――――
サラside続きます
他の場所を探索しようとしたところを
ケイジさんに呼び止められ、私は振り返った。
「あれ、サラさん。行かないの?」
後ろからソウさんの不思議そうな声が聞こえる。
すると、私の少し後ろにいたナギサがさっと青ざめ、
「っ、サラさん、危ないっ!!!」
「うわっ、ナギサっ!?」
すごく強い力で引っ張られる。
一体なにが、と思った所で、後ろからガシャン!という音が聞こえた。
ナギサに抱きとめられている形になりながら、後ろを見る。ちょうど私が立っていたところに、鉄格子があった。
どくどく、と心臓が煩い。
もしも、ナギサが気づいて引っ張ってくれなかったら…
想像するとぞっとした。私はもうちょっとで死 んでしまうところだった。
「うわっ…なんだ…!?
サラさん!大丈夫!?」
「っはーー、サラさん、大丈夫でしたか…?」
「……ああ、大丈夫だ。」
静かに顔を顰めているナギサの目には確かな怒りが見えた。
ここに来てから、ナギサのことは見てきたつもりだったが、これほどの感情を顕にしたのは初めて見た。
だけど、瞬きした後は目に怒りは消えていて。
いつも通りの表情に戻った。
ナギサは私の体制を直したあと、ゆっくりと離した。
「くそっ、開かない!
何かこじ開けられそうなもの探してくる!」
ソウさんはそうして奥に消えていく。
ナギサはそれを観察するように、表情の無い顔でただ静かに見つめていた。
そして、私たちの近くにみんながやって来る。
「サラちゃん、ナギサちゃん、大丈夫かい!」
「サラ、ナギサ、怪我はねーか!?」
「はぁ…なんとか生きてますよ…。」
「ああ…私は大丈夫だが……。」
「くそっ! 罠だがや! 何が起きるか分からん!
気をつけろ!」
ちらりと隣のナギサに目線を向ける。
さっきとは打って変わって、落ち着いているように見えた。
ここに来た時もそうだ。
怯えるわけでも、怒鳴るわけでもなく、
壁に背を預けて静かにこちらを観察していた。
こちらを見透かすような瞳で、少し怖気付いたのを覚えている。
ナギサが、よくわからない。
『おいおい、そんなに身構えるなって。』
「うわっ、誰の声だ!?」
『はっはっは、
細けぇことは気にすんなよ。
オレはこの部屋の主、アルジーとでも呼んでくれよ。』
―――――
サラside続きます