第一章前編『決意と喪失』
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「うわっ、なんだろうアレ。」
イスには人の形をした何かがぐったりと座っている。
へー、いち、にぃ、さん、よん……5体ある。
対して、空きのイスは4つある。
「ボクらも近づいて調べてみようか。」
サラちゃんたちが近づいていくのを見て、私はちらりと扉を見た。
……ここの材質は鉄っぽい。
閉じ込めることができそうだ。
鉄格子とかで……注意しなきゃな。
と、考えつつそのままは怪しまれるので私もイスの方に向かうことにした。
とりあえず、気になっていたカイさんの所へ行く。
「どうやらこれは人形のようですね。」
「なにか意味ありげに置かれていますね…」
「頭の部分に重みを感じます。
揺さぶると……チャプン…と音がするんです。」
「へえ、液体が人形の中に入ってるんですかね。」
「喉が渇いたら、ここにストローを突き刺し
水分を補給しろという誘拐犯側の意図があるのでしょう。」
「……なかなかのジョークですね?カイさん。」
「おや、分かりますか。」
「ふふ、こういう時こそ冗談は必要ですよね。」
ふうん……そこまで悪い人では無さそうだ。
今の所嘘というような嘘もついていないし…
だけど、私は今のである推測が浮かんだ。
これは命を賭けた“ロシアンルーレット”なのでは?……と。
5つの人形、そしてイスの空きは4つ…
合計すると9だ。
そして、ダミー弾は6つ。
もしも、3つの実弾とリボルバーが見つかれば…
確実にそうなるだろう。
ロシアンルーレットとなれば、あそこの鉄格子にも説明がつく。
逃がさないためだ。
さて、一度サラちゃんと……
…………?
ソウさんの雰囲気がさっきと違う…
これがソウさんのついている嘘か?
というか、サラちゃん青ざめてるし………止めに行こう。
「なに話してるんですか?」
にこっといつもの笑顔で、二人の間に割り込む。
二人ははっとしたようにこちらを見た。
「あー…なんでもないよ、ごめんね、サラさん。」
「………いいえ。」
ソウさん、それはなんでもある時の台詞です…
でも恐らく聞いても話してくれないため、サラちゃんに話しかける。
「サラさん、なにかありましたか?」
「……ああ、これを見つけたんだ。」
そういって目の前に出されたのは、
3つの実弾と、リボルバー。
……予想通りだ。
「とてつもなく物騒ですね…私はもうちょっと調べてみますね?」
「ああ、分かった。」