次に進んでみると、そこは食堂のような場所だった。


「ここは…… 食堂みたいだね。
　もしかして、誘拐犯はボクらにここで食事をしろとでも言いたいのかな。」

「……」


食堂だけど、机に置いてある椅子の数はバラバラで……
なにか意味があるのだろうか？

そして、机の上には意味ありげに小さなダーツとジッポライターがあった。


「小さいけど…高そうなダーツだね。
　先端が鋭いから気を付けなくちゃ。」

「ジッポライターは高そうですね…
　うーん、サラさん。この二つ持っておいて貰っていいですか？」


ぽん、とそれを手渡した。
サラさんはああ、と了承し、それをポケットに突っ込んだ。


調理室の扉は固く閉ざされている。
外側から施錠するタイプだ。

なぜ、だろうか。うーん……誰かが故意に閉めている、とかはないか…？
その中で出来たのは、カイさん、ケイジさん、ソウさん…


私の勘的にはカイさんなんだけど、理論なしに決めつけるのはよくない。これも後回しだな…

食堂には更に奥があって、
そこは暗闇の中に赤いランプが光る部屋、だった。


「物々しい雰囲気だね……
　赤いランプが不気味だよ
　あの扉に入る勇気は…ボクにはないなぁ……」


ソウさんの言うことも良く分かる。
暗闇の中に、赤のランプが光っているのは完全にホラーゲームの雰囲気がある。

恐る恐る進み、扉に手をかける。カギ開いてるな…


「あ、これカギかかってないですね……
　よいしょ、っと。」

「なんの躊躇もなく開けたね…」


ソウさんの声は無視しつつ、中に入る。
中は予想と違い、拍子抜けするようなピンクちっくな女の子の部屋のような…

いや、女の子の部屋が実際にどんな感じは知らないが。
超高校級に普通を求められても困るって話だ。


棚、兎の人形、そして、人形の胴体と思われるもの。
それから、ハート型の通気口。

……人が一人通れそうな大きさ。
妙だ。さっきの部屋の雰囲気と言い、この部屋の雰囲気と言い…

そう、まるで人の危機感を煽る、ような…

…………。


「とりあえず……一応調べてみようか。」

「そうですね。」


なにをしてるんだ、私。
不安になるな。

すう、と息を吸い込む。
ようやく思考が戻って来て、頭が回転を始める。

大丈夫、だ。きっと。