第一章前編『決意と喪失』
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次に目についた黒板を見てみる。
黒板には、ズラリと名前が書かれている。
【飲酒可】
アリス・カイ・カズミ・ケイジ・シュンスケ・
ソウ・ナオミチ・マイ・メグミ・レコ・Qタロウ
【飲酒不可】
アンズ・カンナ・ギン・クギエ・サラ・ジョー・
ナオ・ナギサ・ヒナコ・ランマル
ふむ、大人は11人、子供…んん、未成年は10人か。
にしても……随分綺麗にまとめられてるな…
じっと見てみる。黒板であるということは、書き換えられるということ。しかも、これは50音順になっている。
それをぴったり合うように、しかも他と書体を同じに書き換えるにはかなり時間がいる。
だから恐らく同じ場所しか書き換えてないと思う。
文字をひとつひとつ確認していく。
予想通り、ソウさんの名前の所だけ擦り後があり、
他と微妙に筆跡に違いがある。
ソウさんの名前しか書き替えられた後が見えないと、いうことは……
本名は、一文字目がシ~ナのどこかになるはずだ。
し・す・せ・そ・た・ち・つ・て・と・な、のどれか…
ソウ、の跡にしか消し跡が無いという事は、恐らく本名は2文字。
2文字でかつ、1文字目がシ~ナになるのは……
もしも、一文字目がしだった場合、後に来るのは、ら行、は行、ん行。
シン。…真、新、仁、匠、信、慎………
ソウ、は反対にすると嘘。そして、真。
日和、とかけて苗字は月がついていたりして……?
…まさかな。
「ナギサ! ちょっといいか?」
ぽん、と肩を叩かれ、意識が戻る。
「あっ、すみません。ちょっと考えごとしてまして……
なにかありましたか?」
「椅子の後ろに引き戸があったんだが……開けられないか?」
「ソウさんで開けられなかったなら、開けられないと思いますよ。」
「やっぱりそうだよな……。」
あと、仮に開いちゃった時にソウさんが可哀想でならない……
そう、だけに……
……ちょっとそんな顔しないでよ。
ここにはもう特になにもなさそうなので、違う場所に行ってみることにした。