キミガシネ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「鎖骨ってえっちですよね」
はぁ。
真面目な表情から繰り出された斜め上の言葉にあぁ、始まったなと思った。
これでもかと真剣な顔で何かを考え込んでいるものだから、はじめは何か悩み事でもあるのかと心配になったが聞いてみて拍子抜けしたものだ。
何度かこの優ちゃん節を経験し気づいたことなのだが、こういう時の彼女は大抵疲れている。
本当は早急に休ませるべきなのだとは思うのだが、いつもは聞けない本音が垣間見えたりするから中々その通りに出来ていない。(…彼女の性癖を聞くのが楽しいとか、面白いとかそういうことでは、ない。決して。)
すん、と真顔で淡々と話すにはアレな話題ではないだろうか。そんなことを思うが、正常ですみたいな顔のせいで、こちらが羞恥心を抱いているのがおかしなことみたいな気持ちになる。
「……鎖骨がえっちって、どういうこと、なのかな」
「えー、えっちですよね…?」
「分からないから聞いてるんだけど……」
優ちゃんはうーん、と考え込む仕草を見せる。彼女が首を傾げると同時に髪の毛がはらりと揺れて、なんとも言えない気持ちになった。
彼女がこんな話題を出したせい。そういうことにしておこう。
「鎖骨って、首の骨がそのまま出てて……こう、なんていうか……えっちだなって」
「……そう、なんだ」
「はい。だから私いつも見てるんです。ケイジさんのこと」
「……ん?」
「鎖骨見るの好きなんです。今日も綺麗だなーって」
「……へえ、そうなんだ……」
「はい、綺麗です。ケイジさんって綺麗だから」
「……うん」
…褒め殺しだ、こんなの。オレは今何を聞かされているんだ。
俺の綺麗な鎖骨とやらをそれはもう楽しそうに話す彼女を見ていられなくて思わず目を逸らした。と、彼女は何を思ったのかオレのシャツのボタンに手をかける。
「え」
「あ、ちょっと待ってください。今脱がしますから」
とんでも発言にオレは目眩がした。どうやら今日の彼女は相当に疲れているらしい。
「いや、いやいや。いやいやいや」
「はい?」
「なんで今の話の流れで脱がそうとしてるの、優ちゃん」
「鎖骨見るためにですけど…」
「……そ、そう」
もうどうでも良かった。好きにしてくれと思った。オレには鎖骨がえっちって感覚が分からないから、彼女の好きにさせるしかないだろう。
シャツのボタンは俺が止めなければ簡単に外れていく。え、これ俺が悪いのか?と混乱している俺をよそに彼女は鎖骨をジロジロと見始める。
「……本当に、綺麗だなあ……」
「あ……そう」
「はい……とっても綺麗です。素敵です」
「……そりゃどうも……」
蜂蜜を煮詰めたような甘ったるい視線を向けられて、オレは逃げるように彼女から顔を逸らす。すると彼女は何を思ったのか俺の鎖骨に唇を落とした。
リップ音と共に離れた柔らかい唇の感覚をどうしても意識してしまう。まるでそれは行為の前戯のようで、思わず身体が熱くなった。唇が離れ、満足そうな顔を見せる優ちゃんに何も言えなくなる。…これは不可抗力だ。
頭の中で必死に言い訳をする。相手にその気なんかなくて、ただそういうフェチなだけであって。
「はい、ありがとうございます。ごちそうさまです」
「……どーいたしまして……」
「あ、ケイジさん照れてます?」
「……うるさい」
言い出した時よりも満足そうな顔をして微笑む彼女に、言い返す気力も起きなくて。体に灯った熱を誤魔化すように彼女の頭を軽く叩いた。
彼女は痛いです!と大袈裟に反応してみせたが、その顔はとても嬉しそうだった。
……これは鎖骨を見られるのが恥ずかしいとか、そういう話ではなかったのかもしれない。彼女には一生勝てないのだろうと悟るしかなかった。
「…ところでケイジさん」
「……なあに、優ちゃん」
平常心を保とうとしながら、彼女に答える。
と、唐突に腕を引っ張られてバランスを崩して彼女に倒れ込むことになった。
「う、わっ」
距離が近づいて、ふわりと彼女の柔軟剤の香りに包まれる。
「……意識、しちゃいました?」
情事の最中のような、意地悪な声音。
鎖骨を、先程とは明らかに違う意図を含んだ触り方で撫でられて、ぞわぞわと背中に刺激が走る。
「…っ、」
何も言えなくなったオレに、彼女はふふっと微笑む。
「……えっちします?」
「……する」
はぁ。
真面目な表情から繰り出された斜め上の言葉にあぁ、始まったなと思った。
これでもかと真剣な顔で何かを考え込んでいるものだから、はじめは何か悩み事でもあるのかと心配になったが聞いてみて拍子抜けしたものだ。
何度かこの優ちゃん節を経験し気づいたことなのだが、こういう時の彼女は大抵疲れている。
本当は早急に休ませるべきなのだとは思うのだが、いつもは聞けない本音が垣間見えたりするから中々その通りに出来ていない。(…彼女の性癖を聞くのが楽しいとか、面白いとかそういうことでは、ない。決して。)
すん、と真顔で淡々と話すにはアレな話題ではないだろうか。そんなことを思うが、正常ですみたいな顔のせいで、こちらが羞恥心を抱いているのがおかしなことみたいな気持ちになる。
「……鎖骨がえっちって、どういうこと、なのかな」
「えー、えっちですよね…?」
「分からないから聞いてるんだけど……」
優ちゃんはうーん、と考え込む仕草を見せる。彼女が首を傾げると同時に髪の毛がはらりと揺れて、なんとも言えない気持ちになった。
彼女がこんな話題を出したせい。そういうことにしておこう。
「鎖骨って、首の骨がそのまま出てて……こう、なんていうか……えっちだなって」
「……そう、なんだ」
「はい。だから私いつも見てるんです。ケイジさんのこと」
「……ん?」
「鎖骨見るの好きなんです。今日も綺麗だなーって」
「……へえ、そうなんだ……」
「はい、綺麗です。ケイジさんって綺麗だから」
「……うん」
…褒め殺しだ、こんなの。オレは今何を聞かされているんだ。
俺の綺麗な鎖骨とやらをそれはもう楽しそうに話す彼女を見ていられなくて思わず目を逸らした。と、彼女は何を思ったのかオレのシャツのボタンに手をかける。
「え」
「あ、ちょっと待ってください。今脱がしますから」
とんでも発言にオレは目眩がした。どうやら今日の彼女は相当に疲れているらしい。
「いや、いやいや。いやいやいや」
「はい?」
「なんで今の話の流れで脱がそうとしてるの、優ちゃん」
「鎖骨見るためにですけど…」
「……そ、そう」
もうどうでも良かった。好きにしてくれと思った。オレには鎖骨がえっちって感覚が分からないから、彼女の好きにさせるしかないだろう。
シャツのボタンは俺が止めなければ簡単に外れていく。え、これ俺が悪いのか?と混乱している俺をよそに彼女は鎖骨をジロジロと見始める。
「……本当に、綺麗だなあ……」
「あ……そう」
「はい……とっても綺麗です。素敵です」
「……そりゃどうも……」
蜂蜜を煮詰めたような甘ったるい視線を向けられて、オレは逃げるように彼女から顔を逸らす。すると彼女は何を思ったのか俺の鎖骨に唇を落とした。
リップ音と共に離れた柔らかい唇の感覚をどうしても意識してしまう。まるでそれは行為の前戯のようで、思わず身体が熱くなった。唇が離れ、満足そうな顔を見せる優ちゃんに何も言えなくなる。…これは不可抗力だ。
頭の中で必死に言い訳をする。相手にその気なんかなくて、ただそういうフェチなだけであって。
「はい、ありがとうございます。ごちそうさまです」
「……どーいたしまして……」
「あ、ケイジさん照れてます?」
「……うるさい」
言い出した時よりも満足そうな顔をして微笑む彼女に、言い返す気力も起きなくて。体に灯った熱を誤魔化すように彼女の頭を軽く叩いた。
彼女は痛いです!と大袈裟に反応してみせたが、その顔はとても嬉しそうだった。
……これは鎖骨を見られるのが恥ずかしいとか、そういう話ではなかったのかもしれない。彼女には一生勝てないのだろうと悟るしかなかった。
「…ところでケイジさん」
「……なあに、優ちゃん」
平常心を保とうとしながら、彼女に答える。
と、唐突に腕を引っ張られてバランスを崩して彼女に倒れ込むことになった。
「う、わっ」
距離が近づいて、ふわりと彼女の柔軟剤の香りに包まれる。
「……意識、しちゃいました?」
情事の最中のような、意地悪な声音。
鎖骨を、先程とは明らかに違う意図を含んだ触り方で撫でられて、ぞわぞわと背中に刺激が走る。
「…っ、」
何も言えなくなったオレに、彼女はふふっと微笑む。
「……えっちします?」
「……する」
1/2ページ