⑴出会い
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総人口の約8割がなんらかの超常能力<個性>を持った世界で、人々の間ではヒーローという存在が確立された
ヒーローは誰もが一度は憧れる職業として脚光を浴びていて、もちろん私も例外ではなくて漠然とヒーローはかっこいいと思っていた
でも私は漫画の主人公じゃないし自分がヒーローになりたい、なんて思う訳はないのだ
ごく一般の偏差値の普通科の学校に進学して学生時代をさらっと終えて、将来の夢も、やりたいことも何もなかった私は平凡にその辺の企業に就職してどこにでもいるOLの一員になった
20歳を過ぎた頃から
「いい加減あんたも結婚しなさいよ」
子供の行く末を心配した母親にあんたには女の幸せを掴んで欲しいからと耳にタコが出来るほど<結婚>を促された
私だって結婚したくないわけじゃないし
もちろん恋愛に興味がないわけでもない
同世代の友達がみんな結婚していく中で
すでに取り残されてる気分も味わってる
ただ、何もかも自分から変化を求めるのが億劫で目立ちたくなかった
恋愛にしたって流されるままに始まっていつのまにか勝手に終わってた
何も始まってないのにいつだって私には無理だなって全部諦めて、今更失恋したくもないし傷付きたくもないから予防線を張る
「…恋愛か〜。今更彼氏出来るかなぁ」
そんな私は、今日この日まで適当にその辺で出会った可もなく不可もないごく普通の男と結婚するものだと思ってた
きっかけは普段、ほとんど喋ることもない直属の上司からの呼び出しだった
あれ?私何か仕事でやらかしたかな?なんて悶々と考えるけど特に何も思い当たらない
少し上機嫌な上司が私に手招きをする
「お疲れ様。君、独り身だったよね?僕の知り合いの紹介なんだけど、見合い受けてもらえないかな?」
「え゛っ………」
いやいやそんな急に無理だよ、ってこれがお父さんやお母さんなら普通に突っぱねる所だけど相手は上司なのでとりあえず話を聞く
なんでも上司の知り合いが見合い相手を探しているというのだ
なんで私なんですか?って聞くよりも早く「先方が君の個性を気に入ってるらしいよ」って嬉しそうな上司の声が聞こえた
ああ、なるほど、個性婚か
先方がどんな人かなんて何も知らないけど、社内の人間の個性まで把握出来る人、つまり結構なお偉いさんだ
自由恋愛が当たり前な今のご時世にも<個性婚>しようなんて人がいるんだなぁって正直印象は良くない
上司がとりあえず一度会うだけでもいいから、と言うので半ば強引に流されるまま私は見合いを承諾した
うちの親はなんて言うだろう?
自分の携帯から<母親>の番号を表示して私は久しぶりに母親に電話した
「もしもし、お母さん。
…個性婚って知ってる?」
ヒーローは誰もが一度は憧れる職業として脚光を浴びていて、もちろん私も例外ではなくて漠然とヒーローはかっこいいと思っていた
でも私は漫画の主人公じゃないし自分がヒーローになりたい、なんて思う訳はないのだ
ごく一般の偏差値の普通科の学校に進学して学生時代をさらっと終えて、将来の夢も、やりたいことも何もなかった私は平凡にその辺の企業に就職してどこにでもいるOLの一員になった
20歳を過ぎた頃から
「いい加減あんたも結婚しなさいよ」
子供の行く末を心配した母親にあんたには女の幸せを掴んで欲しいからと耳にタコが出来るほど<結婚>を促された
私だって結婚したくないわけじゃないし
もちろん恋愛に興味がないわけでもない
同世代の友達がみんな結婚していく中で
すでに取り残されてる気分も味わってる
ただ、何もかも自分から変化を求めるのが億劫で目立ちたくなかった
恋愛にしたって流されるままに始まっていつのまにか勝手に終わってた
何も始まってないのにいつだって私には無理だなって全部諦めて、今更失恋したくもないし傷付きたくもないから予防線を張る
「…恋愛か〜。今更彼氏出来るかなぁ」
そんな私は、今日この日まで適当にその辺で出会った可もなく不可もないごく普通の男と結婚するものだと思ってた
きっかけは普段、ほとんど喋ることもない直属の上司からの呼び出しだった
あれ?私何か仕事でやらかしたかな?なんて悶々と考えるけど特に何も思い当たらない
少し上機嫌な上司が私に手招きをする
「お疲れ様。君、独り身だったよね?僕の知り合いの紹介なんだけど、見合い受けてもらえないかな?」
「え゛っ………」
いやいやそんな急に無理だよ、ってこれがお父さんやお母さんなら普通に突っぱねる所だけど相手は上司なのでとりあえず話を聞く
なんでも上司の知り合いが見合い相手を探しているというのだ
なんで私なんですか?って聞くよりも早く「先方が君の個性を気に入ってるらしいよ」って嬉しそうな上司の声が聞こえた
ああ、なるほど、個性婚か
先方がどんな人かなんて何も知らないけど、社内の人間の個性まで把握出来る人、つまり結構なお偉いさんだ
自由恋愛が当たり前な今のご時世にも<個性婚>しようなんて人がいるんだなぁって正直印象は良くない
上司がとりあえず一度会うだけでもいいから、と言うので半ば強引に流されるまま私は見合いを承諾した
うちの親はなんて言うだろう?
自分の携帯から<母親>の番号を表示して私は久しぶりに母親に電話した
「もしもし、お母さん。
…個性婚って知ってる?」
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