「やぁーっと帰ってきた。ねぇ、僕をどんだけ待たせる気？」
「おかえり、ナマエ。疲れたでしょ？　先にお風呂入っといで。……ああ、お前は行くなよ」
「はぁ？　なんでお前にそんな命令されなきゃいけないわけ？」
「あはは、ナマエの裸見てお前が一切手を出さないってんなら良いよ、別に。でもさ………無理だろお前」
「当然。何なら今すぐにでも僕を慰めて欲しいくらいだよ……ねぇ、ナマエ？」

そう囁きながら、耳たぶを甘噛みする五条。
甘えた五条は余裕が無いからとにかく常に彼女にひっつきたがる。

スパダリ五条の方はと言えば、

「ナマエは疲れてる、つってんだろ」

言って、どちゃくそ怖い顔して甘えた五条を引き剥がそうとする。
本当に疲れてるしお風呂も早く入りたい彼女はそれでも2人のことが好きなので蔑ろには決して出来ない。
自分なりに考え、とりあえず前と後ろとで言い合っていた後ろの甘えた五条の方に声を掛けた彼女は、触れるだけのキスを頬にして、伝えていたよりも遅くなった事を謝罪した。
するとすぐに反応した彼が

「あーくそっ、やるならせめて口にしてくんない？」

苛立ちながら、後ろから自身の物をグリグリ押し付けてくる。

「ﾁｯ、いい加減に」
「まあでも、どうせ慰めて貰うなら、君がやる事全部終えた後の方が確かに良いかもね。　てなわけで待ってるよ、ナマエ」

そう言って頬にキスをすると、先に部屋へと戻って行った甘えた五条。
コロコロと変わる情緒に拍子抜けする取り残された2人だったが、えっとじゃあ……と彼女の方も浴室へ向かおうとした所を五条が止める。

どうかしましたか、と振り返った際に唇にキス。
吃驚する彼女に

「……あいつだけ君とキスするなんて、何だか癪でしょ」

そう言ってまた、触れるだけのキスを顔中に降り注いでから

「今日もご苦労様」

なんて優しく囁いて、自分も部屋に戻る五条なのであった。