名前変換が無い場合は、ミョウジ ナマエになります。
気になるあの子とじゅじゅ男子
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「……やられたね。」
四方塞がった窮屈な箱の中のような場所に閉じ込められた夏油は、自身の置かれた状況を理解してから溜め息混じりに呟いた。
「っ…何か特殊な呪術なの、かな?」
「だろうね。少なくとも力づくでどうにかなるモノでは無さそうだよ。」
「そ…そっか。」
そう分かりやすく落胆するナマエは、夏油の顔すぐ左右に肘と腕を付けて何とか今の体勢をキープしていた。
前を向けばお互いの吐息がかかる位には窮屈な場所で、必死に横を向いて堪えるナマエに夏油は思わず眉をひそめる。
そんな彼の様子に気づいたのか、少し辛そうに息を吐きながらナマエは、申し訳なさそうに夏油へ謝った。
「ご、ごめん、ね……っ」
「いや…こうなった以上、非があるのはお互い様だろう?それより、きついならもっと私に身を任せたらどうだい。」
「えっ!?やっ…良い!大丈夫、だからっ……。」
「………君も強情だな。」
こちらは気遣って言っているのに…。
そう思った途端、夏油の脳裏にはあまり思い出したく無い記憶が蘇った。
今はそんな時ではないと思いつつ、夏油は、同期の五条が放ったとある言葉を思い出していた。
それは2日前の事。
いつものようにナマエを誘ってコンビニから戻って来た五条は、彼女の机の向かいに座りながら買ってきた新商品と思われるお菓子たちを広げて談笑を楽しんでいた。
「…よく甘いものばかりそう食べられるね。」
隣の席で肘をつきながら2人を眺めていた夏油が呆れたように呟いた。
「んだよ、傑。欲しいなら素直にそう言えよ、ほら。」
「どう聞いたら今の台詞がそう解釈出来るのか教えて欲しいね、悟。」
「…あ"ぁ?」
「っ、まあまあ…怒るくらいだったら五条君はお菓子食べよ?ほら、これとか好きでしょ?」
些細なやり取りで一触即発しそうになる2人を咄嗟に間に入ったナマエが食い止める。五条はナマエから受け取ったお菓子を咥えながら夏油から顔を逸らした。
「夏油くんも…その、ごめんね?甘いものって、苦手な人からしたらにおいも気になるもんね…。」
「っ…別に、私だって嫌いなわけじゃないさ。ただ…ほら、悟と違って君は女の子なんだから。あいつみたいに考え無しで食べまくるのは友達としてどうかと思ったまでだよ。」
「はぁぁ?何だその、如何にもクソみてぇな教師や親が上から目線で子どもに言うような台詞はよぉ。」
「…何?」
五条の発言により再び教室内の空気がガラリと変わる。
たまたま教室に戻って来た家入が咄嗟にナマエの手を引いてその場から避難したものだから、教室内で2人きりになった彼らを制止するものはもう何も無かった。
「大体、傑お前がナマエに言ってんのは、要約すれば甘いもんばっか食ってんじゃねぇよデブ、てそういう事だろ?」
「…悟。お前と話してると内容の馬鹿さ加減に頭が痛くなるよ。誰もそんな事は思ってないし、第一、ナマエの体系に関して私がどうこう思う事があるはずないだろう。」
「なら一々、水差すような事言ってんじゃねぇよ。俺はあいつと駄弁って食うのが楽しいから誘ってんだよ。それこそ、オトモダチとしてって奴だろ?」
そう茶化すように笑いながら言う五条からはしかし、確かに怒りを夏油は感じ取っていた。
今一度、自分の言動を振り返った夏油は、珍しくこれ以上は何も言い返すべきでは無いと考えるに至り、そのまま五条の煽り文句にも反応せず無言で教室を出た。
それからは今日の同期全員での任務に就くまで、夏油はろくに悟やナマエと顔さえ合わせなかった訳なのだが。
まさかこうして彼女と急接近する事になろうとは。
考えようによってはラッキー……と、そこまで考えてはっと我に返った夏油は、珍しく一致しない自分の考えと気持ちに内心焦っていた。
冷静になってみれば先程から良い匂いがして堪らない。
…この甘い匂いは、ナマエからだろうかと無意識に彼女の腰へ手を回せば、吃驚したのかナマエからは聞いたことも無いような短い悲鳴が漏れて夏油の鼓膜をくすぐった。
「っ…力抜けるから止めてくれる!?夏油くん!」
「…すまない。だが、」
「え、うわっ!?」
上にいるナマエごと、急に体をねじって横を向いた夏油は、随分と久しぶりに見た気がする彼女の顔を見るなりいつもの笑顔を見せて
「これで少しは楽になっただろう?」
と、続けた。
確かに、自分の体重を無理に支えなくて良くなった分、楽にはなったが…。
「な…なんか、これはこれで恥ずかしくない?!」
ただでさえ重たい等とは思われたくない一心で堪えていたナマエの目には、既に羞恥心から込み上げた涙が溜まっていて。
お世辞にも細いとは言い難い、肉付きの良い身体は、どうしても夏油の体と密着せざるを得ない部分もあって、ナマエはただただ申し訳の無い気持ちで一杯だった。
「大丈夫だよ…ほら、私の目を見て。」
そんなナマエの気持ちを察してか、片手で彼女の頬を包み込むようにして撫でながら、優しく声を掛ける夏油に、ナマエは俯きながら小さく首を振る。
「…どうして?もしかしてナマエは、私の事が嫌いなのかい?」
「なっ…ち、違っ…そうじゃなくて!…………っ、嫌…でしょ、普通……私みたいな大きい子…。」
そう、尻すぼみして伝えられたナマエの言葉に、夏油は胸を抉られるような感覚を覚える。
勿論、夏油自身は、ナマエ自身をそのように思った事は一度も無い自信があったが。
だとすれば、あの日あの時、自分自身が彼女に言った言葉は、あまりにも無神経過ぎたのでは無いか。
五条の言葉に反論が出来なかった自分とそんな自分自身がわざと気づかぬように目を背けていた気持ちとが一気に押し寄せてきた夏油は、思わず強引にナマエを抱き寄せた。
「すまない…。」
「っ……夏油、くん?」
慌てて離れようと手に力を入れようとしたナマエの耳元で聞こえた夏油の声はあまりにもか細くて。
思わず固まって夏油の言葉を待ってあげていれば
「……私はただ、君と屈託なく話せる悟が羨ましかっただけなんだ。」
そんな台詞が耳に届いたものだから、咄嗟に目頭が熱くなったナマエは下唇を噛んでその衝動に堪えた。
「っ…それって、もしかして告白だったりする?」
涙ぐんだ声でナマエが尋ねれば、
「ん"……流石にそれは、もっと恰好ついた場所と姿で改めて言わせて欲しいかな…。」
そんな、夏油らしからぬ、気まずそうな声が返って来たものだから思わず吹き出すナマエ。
すると、そんなナマエを覗き見た夏油が不意に彼女の唇を塞いだ。
吃驚しすぎて目を丸くして固まるナマエに睫毛が触れそうな程の至近距離で夏油が微笑む。
「と、思ったけど、今の笑顔が可愛すぎたからやっぱり今伝えておこうかな。愛してるよ、ナマエ。ここから出られたら私と付き合ってほしい。」
て、聞こえてるのかな、これ。
放心する彼女を見つめながら疑問に思う夏油であったが、すぐ後に、呪術の解ける感覚がして。
久しぶりに見た外の光に眩しくて目を細めていれば、横になる2人を見下ろす五条と家入の姿があった。
「何?もしかしてお楽しみだったか?」
「まあね。ところで、呪霊はもうやったのか?」
「や、まだだけど…は、え、マジ??」
揶揄ったつもりが意味深な反応で返ってきたものだから混乱する五条を他所に、呪霊探索へと戻る夏油。
一方その頃、女子陣はといえば。
「ナマエー、無事か?」
「っ…な、何とか。有難う…。」
「顔が赤いな。中で何かあったりした?」
「何っ…!?な、何も無いよ!?大丈夫!本当に何もなかったから!」
いや、嘘下手か。まあ無事で何よりだけど。
その後、任務を終えてから改めて正式に付き合う事になった夏油とナマエであったが、あの時何かが吹っ切れた夏油は、五条曰く餌付けもして楽しむようになったそうな。
四方塞がった窮屈な箱の中のような場所に閉じ込められた夏油は、自身の置かれた状況を理解してから溜め息混じりに呟いた。
「っ…何か特殊な呪術なの、かな?」
「だろうね。少なくとも力づくでどうにかなるモノでは無さそうだよ。」
「そ…そっか。」
そう分かりやすく落胆するナマエは、夏油の顔すぐ左右に肘と腕を付けて何とか今の体勢をキープしていた。
前を向けばお互いの吐息がかかる位には窮屈な場所で、必死に横を向いて堪えるナマエに夏油は思わず眉をひそめる。
そんな彼の様子に気づいたのか、少し辛そうに息を吐きながらナマエは、申し訳なさそうに夏油へ謝った。
「ご、ごめん、ね……っ」
「いや…こうなった以上、非があるのはお互い様だろう?それより、きついならもっと私に身を任せたらどうだい。」
「えっ!?やっ…良い!大丈夫、だからっ……。」
「………君も強情だな。」
こちらは気遣って言っているのに…。
そう思った途端、夏油の脳裏にはあまり思い出したく無い記憶が蘇った。
今はそんな時ではないと思いつつ、夏油は、同期の五条が放ったとある言葉を思い出していた。
それは2日前の事。
いつものようにナマエを誘ってコンビニから戻って来た五条は、彼女の机の向かいに座りながら買ってきた新商品と思われるお菓子たちを広げて談笑を楽しんでいた。
「…よく甘いものばかりそう食べられるね。」
隣の席で肘をつきながら2人を眺めていた夏油が呆れたように呟いた。
「んだよ、傑。欲しいなら素直にそう言えよ、ほら。」
「どう聞いたら今の台詞がそう解釈出来るのか教えて欲しいね、悟。」
「…あ"ぁ?」
「っ、まあまあ…怒るくらいだったら五条君はお菓子食べよ?ほら、これとか好きでしょ?」
些細なやり取りで一触即発しそうになる2人を咄嗟に間に入ったナマエが食い止める。五条はナマエから受け取ったお菓子を咥えながら夏油から顔を逸らした。
「夏油くんも…その、ごめんね?甘いものって、苦手な人からしたらにおいも気になるもんね…。」
「っ…別に、私だって嫌いなわけじゃないさ。ただ…ほら、悟と違って君は女の子なんだから。あいつみたいに考え無しで食べまくるのは友達としてどうかと思ったまでだよ。」
「はぁぁ?何だその、如何にもクソみてぇな教師や親が上から目線で子どもに言うような台詞はよぉ。」
「…何?」
五条の発言により再び教室内の空気がガラリと変わる。
たまたま教室に戻って来た家入が咄嗟にナマエの手を引いてその場から避難したものだから、教室内で2人きりになった彼らを制止するものはもう何も無かった。
「大体、傑お前がナマエに言ってんのは、要約すれば甘いもんばっか食ってんじゃねぇよデブ、てそういう事だろ?」
「…悟。お前と話してると内容の馬鹿さ加減に頭が痛くなるよ。誰もそんな事は思ってないし、第一、ナマエの体系に関して私がどうこう思う事があるはずないだろう。」
「なら一々、水差すような事言ってんじゃねぇよ。俺はあいつと駄弁って食うのが楽しいから誘ってんだよ。それこそ、オトモダチとしてって奴だろ?」
そう茶化すように笑いながら言う五条からはしかし、確かに怒りを夏油は感じ取っていた。
今一度、自分の言動を振り返った夏油は、珍しくこれ以上は何も言い返すべきでは無いと考えるに至り、そのまま五条の煽り文句にも反応せず無言で教室を出た。
それからは今日の同期全員での任務に就くまで、夏油はろくに悟やナマエと顔さえ合わせなかった訳なのだが。
まさかこうして彼女と急接近する事になろうとは。
考えようによってはラッキー……と、そこまで考えてはっと我に返った夏油は、珍しく一致しない自分の考えと気持ちに内心焦っていた。
冷静になってみれば先程から良い匂いがして堪らない。
…この甘い匂いは、ナマエからだろうかと無意識に彼女の腰へ手を回せば、吃驚したのかナマエからは聞いたことも無いような短い悲鳴が漏れて夏油の鼓膜をくすぐった。
「っ…力抜けるから止めてくれる!?夏油くん!」
「…すまない。だが、」
「え、うわっ!?」
上にいるナマエごと、急に体をねじって横を向いた夏油は、随分と久しぶりに見た気がする彼女の顔を見るなりいつもの笑顔を見せて
「これで少しは楽になっただろう?」
と、続けた。
確かに、自分の体重を無理に支えなくて良くなった分、楽にはなったが…。
「な…なんか、これはこれで恥ずかしくない?!」
ただでさえ重たい等とは思われたくない一心で堪えていたナマエの目には、既に羞恥心から込み上げた涙が溜まっていて。
お世辞にも細いとは言い難い、肉付きの良い身体は、どうしても夏油の体と密着せざるを得ない部分もあって、ナマエはただただ申し訳の無い気持ちで一杯だった。
「大丈夫だよ…ほら、私の目を見て。」
そんなナマエの気持ちを察してか、片手で彼女の頬を包み込むようにして撫でながら、優しく声を掛ける夏油に、ナマエは俯きながら小さく首を振る。
「…どうして?もしかしてナマエは、私の事が嫌いなのかい?」
「なっ…ち、違っ…そうじゃなくて!…………っ、嫌…でしょ、普通……私みたいな大きい子…。」
そう、尻すぼみして伝えられたナマエの言葉に、夏油は胸を抉られるような感覚を覚える。
勿論、夏油自身は、ナマエ自身をそのように思った事は一度も無い自信があったが。
だとすれば、あの日あの時、自分自身が彼女に言った言葉は、あまりにも無神経過ぎたのでは無いか。
五条の言葉に反論が出来なかった自分とそんな自分自身がわざと気づかぬように目を背けていた気持ちとが一気に押し寄せてきた夏油は、思わず強引にナマエを抱き寄せた。
「すまない…。」
「っ……夏油、くん?」
慌てて離れようと手に力を入れようとしたナマエの耳元で聞こえた夏油の声はあまりにもか細くて。
思わず固まって夏油の言葉を待ってあげていれば
「……私はただ、君と屈託なく話せる悟が羨ましかっただけなんだ。」
そんな台詞が耳に届いたものだから、咄嗟に目頭が熱くなったナマエは下唇を噛んでその衝動に堪えた。
「っ…それって、もしかして告白だったりする?」
涙ぐんだ声でナマエが尋ねれば、
「ん"……流石にそれは、もっと恰好ついた場所と姿で改めて言わせて欲しいかな…。」
そんな、夏油らしからぬ、気まずそうな声が返って来たものだから思わず吹き出すナマエ。
すると、そんなナマエを覗き見た夏油が不意に彼女の唇を塞いだ。
吃驚しすぎて目を丸くして固まるナマエに睫毛が触れそうな程の至近距離で夏油が微笑む。
「と、思ったけど、今の笑顔が可愛すぎたからやっぱり今伝えておこうかな。愛してるよ、ナマエ。ここから出られたら私と付き合ってほしい。」
て、聞こえてるのかな、これ。
放心する彼女を見つめながら疑問に思う夏油であったが、すぐ後に、呪術の解ける感覚がして。
久しぶりに見た外の光に眩しくて目を細めていれば、横になる2人を見下ろす五条と家入の姿があった。
「何?もしかしてお楽しみだったか?」
「まあね。ところで、呪霊はもうやったのか?」
「や、まだだけど…は、え、マジ??」
揶揄ったつもりが意味深な反応で返ってきたものだから混乱する五条を他所に、呪霊探索へと戻る夏油。
一方その頃、女子陣はといえば。
「ナマエー、無事か?」
「っ…な、何とか。有難う…。」
「顔が赤いな。中で何かあったりした?」
「何っ…!?な、何も無いよ!?大丈夫!本当に何もなかったから!」
いや、嘘下手か。まあ無事で何よりだけど。
その後、任務を終えてから改めて正式に付き合う事になった夏油とナマエであったが、あの時何かが吹っ切れた夏油は、五条曰く餌付けもして楽しむようになったそうな。