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夏油傑
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任務帰り。疲れたね、なんて言い合いながら高専まで戻って来た私と夏油君は、部屋まで送るよという彼のお言葉に甘えて寮内の廊下を歩いていた。
「帰ったらすぐにでもお風呂に入りたいなぁ」
「今日はよく動いたからね」
「夏油君は冷静に立ち回ってたよね」
「ナマエが呪霊を惹きつけてくれていたお陰だよ」
なるほど、物は言いようだな、なんてつい冷めた考え方をしてしまう。
実際、私は敵の呪術に翻弄されるばかりで、肝心な所で働きかけてくれたのは全部夏油君だった。
混乱する私を時には諭し、時には冷静にさせて、最後には安心させてくれる彼の言葉や声に私は何度命を救われた事か。
いっそ、夏油君1人で相手にした方が良かったんじゃないか、なんて思う事もあるけれど、そんな事を言うと後が怖いから絶対に言わない。
「何か考えごとかい?」
「…え?」
はっとして夏油君を見れば、見透かすような目つきをした彼と視線がぶつかる。
私は咄嗟に嘘をついて誤魔化してから、すぐそこまで迫っていた自室の玄関前まで急いだ。
鍵を取り出し、ドアノブに手を掛けながら開錠する。
お礼を言う為に振り返ると、夏油君は両耳のピアスを外している真っ最中だった。
咄嗟に、体中の血流が速くなるのを感じた私は、開ける為に下げたドアノブをぎこちなく持ち上げてから玄関を背にして彼に向き直った。
「ん、入らないのかい?」
「っ……そ、そういう夏油君は、帰らないの?」
「部屋まで送ると約束したからね。このまま見送るよ」
付き合ってから今まで、色んな夏油君を見てきたけれど、だからこそ断言できる。
今、目の前で微笑んでいる彼のこの表情は、とても信用出来るそれではないと。
大体、夏油君がピアスを外す時は、決まって、身体を重ねる直前かそれを見越した時なのだと、「引っかかると案外痛いんだよね」なんて言っていたあの初めての夜の事を思い浮かべて確信する。
しかし、だからと言って私に、既にその気になった夏油傑という男を拒みきれる自信なんてどこにもなくて。
考えがまとまらず、ドアの前で固まっていた私に痺れを切らしたのか、距離を一瞬で縮めてきた夏油君が私を閉じ込めるようにドアにもたれかかった。
「っあの、疲れてるんだよね!?」
「そうだね。早く発散しないと溜まる一方だよ」
「っ……嘘つき」
ゆっくりと顔の距離を縮めてくる夏油君に視線を逸らしながら吐いたせめてもの文句は
「それは、お互い様だろう?」
そう、いとも容易くかわされて。
恐る恐る扉を開けてしまえば、後は彼に誘われるがままであった。
「帰ったらすぐにでもお風呂に入りたいなぁ」
「今日はよく動いたからね」
「夏油君は冷静に立ち回ってたよね」
「ナマエが呪霊を惹きつけてくれていたお陰だよ」
なるほど、物は言いようだな、なんてつい冷めた考え方をしてしまう。
実際、私は敵の呪術に翻弄されるばかりで、肝心な所で働きかけてくれたのは全部夏油君だった。
混乱する私を時には諭し、時には冷静にさせて、最後には安心させてくれる彼の言葉や声に私は何度命を救われた事か。
いっそ、夏油君1人で相手にした方が良かったんじゃないか、なんて思う事もあるけれど、そんな事を言うと後が怖いから絶対に言わない。
「何か考えごとかい?」
「…え?」
はっとして夏油君を見れば、見透かすような目つきをした彼と視線がぶつかる。
私は咄嗟に嘘をついて誤魔化してから、すぐそこまで迫っていた自室の玄関前まで急いだ。
鍵を取り出し、ドアノブに手を掛けながら開錠する。
お礼を言う為に振り返ると、夏油君は両耳のピアスを外している真っ最中だった。
咄嗟に、体中の血流が速くなるのを感じた私は、開ける為に下げたドアノブをぎこちなく持ち上げてから玄関を背にして彼に向き直った。
「ん、入らないのかい?」
「っ……そ、そういう夏油君は、帰らないの?」
「部屋まで送ると約束したからね。このまま見送るよ」
付き合ってから今まで、色んな夏油君を見てきたけれど、だからこそ断言できる。
今、目の前で微笑んでいる彼のこの表情は、とても信用出来るそれではないと。
大体、夏油君がピアスを外す時は、決まって、身体を重ねる直前かそれを見越した時なのだと、「引っかかると案外痛いんだよね」なんて言っていたあの初めての夜の事を思い浮かべて確信する。
しかし、だからと言って私に、既にその気になった夏油傑という男を拒みきれる自信なんてどこにもなくて。
考えがまとまらず、ドアの前で固まっていた私に痺れを切らしたのか、距離を一瞬で縮めてきた夏油君が私を閉じ込めるようにドアにもたれかかった。
「っあの、疲れてるんだよね!?」
「そうだね。早く発散しないと溜まる一方だよ」
「っ……嘘つき」
ゆっくりと顔の距離を縮めてくる夏油君に視線を逸らしながら吐いたせめてもの文句は
「それは、お互い様だろう?」
そう、いとも容易くかわされて。
恐る恐る扉を開けてしまえば、後は彼に誘われるがままであった。