「虎杖悠仁、特製パンケーキお待ちー！」

彼はフリフリのメイド服着ながらも普段と変わらない様子で接客してそう。
正直、ガタイ良いから似合う似合わんで言ったらそんな似合ってないけどそれが良い。寧ろ私は似合わん方が好き！(真顔)
わりと何でもノリ良くやってくれるけどいざ彼女が来店すると何が何でも一番に話しかけて接客したがる。
でもやっぱり人気なのもあって他のお客さんから名指しで呼ばれてしまって。

「はーい！　じゃ、また後でな！」

ちょっと残念そうにテーブルを離れて行くものだから、人気者は大変だなぁなんて彼女も苦笑い。
暫くして、いい加減彼女の元へ戻りたくなっていた虎杖がチラリと彼女のいるテーブルの方に視線をやれば、なんと友達同士の野薔薇と彼女が楽しそうにお喋りしてるではないか。

（ずっずりぃぃぃ！！）

虎杖君、つい見るのに夢中になりすぎて、対応中のお客から不安がられちゃう。
何とかして彼女の元に戻ると、彼女楽しそうに

「今ね、野薔薇ちゃんと悠仁くんの話してたんだけど」

また野薔薇との事を話し出したものだから、手に持ってたお盆で顔を隠してこっそり触れるだけのキスをする。突然の事に言葉を呑み込みざるを得なくなった彼女は顔を真っ赤にして口をパクパクさせながら虎杖を見ていた。

「釘崎ばっかズルくね？　ナマエは俺のご主人でしょ」

拗ねたように言うてくるからもう駄目。好き。