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片想いのじゅじゅ男子と彼女のお話
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「君はさ、一体何が見えてるの?」
偶然、好意を抱いている彼女と非術師であるらしい相手の彼氏との会話に出くわしてしまった伏黒。
聞き耳を立てるつもりは無かったが、どうしても気になった為、物陰から密かに様子を窺っていた。
「ごめん……やっぱり怖いかもしれない」
「……そっか。そうだよね」
「だからさ、ちょっと暫く距離を」
「ざけんな。身勝手なことぬかしてんじゃねぇぞ」
「!?」
「! え、伏黒くん?」
やってしまった、といつの間にか2人の前に出てきていた伏黒は思った。
明らかに困惑する2人の視線が痛い。止めろ、俺だって想定外だ、クソッ。
しかし出てしまったからには言いたい事を言おうと、伏黒は腹を括って男の方を見た。
「おいお前。自分と違う物が見えて何なんだよ。怖いってのはただの言い逃れで、本当はもっと別の感情があるんじゃねぇのか? あぁ?」
「っ……な、何なんだよお前! 関係ねぇ奴は黙ってろよ!」
「関係ねぇことねぇよ。俺はこいつと同じ、見える側の人間で、俺自身はこいつの事をずっと好きだった。……言うのは初めてだけどな」
チラリと彼女の方を確認した伏黒は、驚きを隠せない様子でいる彼女に対し、申し訳ない気持ちを抱く。
しかし、口ごもる男の様子を見ていると、やはり黙ってはいられなかった。
「分かったならはっきり決めてやれ。問題はこの先も、こいつの事を愛せるのか、愛せないのかだ。……単純だろ」
「っ…………」
長い沈黙の後、男は静かに彼女の前で頭を下げ、ごめんと小さく謝った。
「気持ちが悪いと……思ってしまったんだ。本当にごめん」
もう一度深く頭を下げてから、男は去って行った。
取り残された2人の間に再び沈黙が流れる。下唇を噛み、必死に泣くのを堪えている彼女を見て、伏黒は黙って彼女を抱き寄せた。
「っ……!」
「嫌なら拒絶でも何でもしてくれ……先に言っとくが、俺の方はただの下心だからな」
「っふ……何それ。普通、本人に言っちゃう?」
「それだけマジだって事だ。それより、お前も覚悟しとけよ」
「え?」
ぜってぇ落とすからな、お前のこと。
腕の中で見つめ合った、伏黒の真っ直ぐな瞳に、彼女の中で何かが弾けた音がした。
偶然、好意を抱いている彼女と非術師であるらしい相手の彼氏との会話に出くわしてしまった伏黒。
聞き耳を立てるつもりは無かったが、どうしても気になった為、物陰から密かに様子を窺っていた。
「ごめん……やっぱり怖いかもしれない」
「……そっか。そうだよね」
「だからさ、ちょっと暫く距離を」
「ざけんな。身勝手なことぬかしてんじゃねぇぞ」
「!?」
「! え、伏黒くん?」
やってしまった、といつの間にか2人の前に出てきていた伏黒は思った。
明らかに困惑する2人の視線が痛い。止めろ、俺だって想定外だ、クソッ。
しかし出てしまったからには言いたい事を言おうと、伏黒は腹を括って男の方を見た。
「おいお前。自分と違う物が見えて何なんだよ。怖いってのはただの言い逃れで、本当はもっと別の感情があるんじゃねぇのか? あぁ?」
「っ……な、何なんだよお前! 関係ねぇ奴は黙ってろよ!」
「関係ねぇことねぇよ。俺はこいつと同じ、見える側の人間で、俺自身はこいつの事をずっと好きだった。……言うのは初めてだけどな」
チラリと彼女の方を確認した伏黒は、驚きを隠せない様子でいる彼女に対し、申し訳ない気持ちを抱く。
しかし、口ごもる男の様子を見ていると、やはり黙ってはいられなかった。
「分かったならはっきり決めてやれ。問題はこの先も、こいつの事を愛せるのか、愛せないのかだ。……単純だろ」
「っ…………」
長い沈黙の後、男は静かに彼女の前で頭を下げ、ごめんと小さく謝った。
「気持ちが悪いと……思ってしまったんだ。本当にごめん」
もう一度深く頭を下げてから、男は去って行った。
取り残された2人の間に再び沈黙が流れる。下唇を噛み、必死に泣くのを堪えている彼女を見て、伏黒は黙って彼女を抱き寄せた。
「っ……!」
「嫌なら拒絶でも何でもしてくれ……先に言っとくが、俺の方はただの下心だからな」
「っふ……何それ。普通、本人に言っちゃう?」
「それだけマジだって事だ。それより、お前も覚悟しとけよ」
「え?」
ぜってぇ落とすからな、お前のこと。
腕の中で見つめ合った、伏黒の真っ直ぐな瞳に、彼女の中で何かが弾けた音がした。