「おや、今帰りかい。フフ、お疲れ様」

言いながら頬に手を添えてきた夏油君にピクッと身体が反応したのを

「じっとしてて」

そう制止されて、親指で頬を優しく擦られる。

わ、何か顔に付いてたのかな？だとしたら恥ずかしい……。

「……」
「！」

なんだけど、夏油君の温かい手が気持ち良くて、つい擦り寄ってしまう。
疲れた。もう今日は頑張れないし頑張りたくない。
早く帰って、お風呂に入って、それから夏油君に甘やか……、

「……！！」
「ん？　どうしたんだい？」

慌てて後ずさろうとしたのをいつの間にか腰に回されていた彼の手に阻止された。
見れば、ニコニコと微笑む彼がいて。
まさかあなたに触られたくなった、なんて口が裂けても言えないから、何か適当な言い訳を探していたら

「悪いけど、煽っといてやっぱりは聞けないからね？」
「っ、」
「私が気持ち良くしてあげようね」

珍しく、痺れを切らした夏油君に囁かれ、そのまま彼の部屋まで連行されて食べられた。