「？　そちらの方は？」
「え？」

どこから聞きつけたのか、何故かいるのがこの人。しかもちゃっかり任務に参加してくる。依頼人に了承を得てから、とりあえず会場内を一緒に見て回る事にした彼女だったが、そんな事しなくとも彼の六眼ですぐに見つけられるのでは？なんて思ってたりもして。チラリと彼の方を見れば、普段見慣れないスーツ姿に彼女の胸が高鳴った。

「て、聞いてる？」
「え？　あ、ごっごめんなさい！」
「もー、何見惚れてんのさ、えっち♡」
「みっ見惚れてなんか……！」
「と、ごめんね。ほら、ちゃんと前見ないと」
「す、すみません……」

すれ違いざまに人とぶつかりかけた所を咄嗟に彼女の肩を抱き寄せて回避した五条。いつもはしない香水の香りがして、彼女は自身の身体が熱くなるのを感じた。

「折角だからこのままディナーにでも行っちゃおっか？」

彼女の耳元で五条が甘く囁く。

「に、任務中ですってば……！」
「じゃあ僕が祓ってくるから君は外で待ってて？」
「や、流石にそれは申し訳な……て、悟さん！？」

返事も待たずに何処かへ行ってしまった五条は、程なくして、報告も全て済ませてから彼女の元にと戻ってくる。

「じゃ、行こっか♡」

とにかく自由奔放な五条と今夜はスイートルームで決まり。脱がし合いっこしよっか？（強制）とか言ってくるやつッ。