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バレンタインとじゅじゅ男子のお話
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任務を終え、伏黒の部屋に遊びに来ていた彼女。
イベント事にあまり関心の無さそうな伏黒にどう切り出して渡そうかと、ポケットに忍ばせてきていた手作りお菓子に意識を移せば、丁度同じタイミングで、伏黒から声を掛けられ、思わず彼女の肩が跳ねた。
「え、ごめん、何?」
「だから、何か温かいモンでも飲むかって」
「あ、うん! 頂きます、有難う!」
返事を聞いてから台所の前で背を向けた伏黒に、彼女は内心ガッツポーズをして机に向き合う。
お菓子を持ち出す絶好の機会が出来たことに喜んでいれば、やがて、嗅いだことのある甘い香りがして、彼女は咄嗟に台所の方へ顔を向けた。
「ん、お前の分」
「わ、有難う! ……て、まさかココア?」
いつの間にかすぐ傍にまで来ていた伏黒からカップを受け取り、中身を確認すると、やはりそこにはココアが入れられていて。
普段は緑茶か珈琲かなのに珍しいな、と不思議に思いながらもふぅーふぅーと冷ましながらそっと口に運んだ彼女に、伏黒はしれっと口を開いた。
「今日、バレンタインだろ。だからまあ、見かけたから買った、つーか」
「ん゛っ……え、伏黒君、バレンタイン知ってたの!?」
「あ?知らねぇわけねぇだろ、馬鹿にしてんのか」
「ひっ……だ、だって、全然話題にも出ないから」
「……お前が話題にしねぇからだろうが」
言いながら視線を逸らされ、そういえばとはっとする彼女。
どうせ興味無いだろうからとあえて本人への話題振りを避け、当日、吃驚させよう、と最初は思っていたのだった。
しかし今となっては、いざ渡すとなると緊張と不安で当初の目論見を忘れる、という結果に至っているのだが。
「……で、お前からは何かあんのかよ」
「へ? わ、私?」
「他に誰がいんだよ」
ジト目で見られ、急に緊張して上手く思考が回らなくなる彼女。
そんな彼女の反応を見て、
「……や、無いなら無いで、別に構わねぇけど」
と尻すぼみしながら残念そうに言うものだから、彼女は慌ててお菓子を出して
「ごめん! ここに! あります!!」
勢いに任せて手渡した。
手渡された手作り感満載のラッピングが施されたそれを見て、
「は……?手作り?」
とあまりの衝撃に固まる伏黒。
勘違いした彼女が「えっ嫌だった!?」とショックを隠しきれない様子で聞けば、
「ちげぇよ、馬鹿……あーくそっ」
腕で顔を隠しながら、暫く目も合わせてくれない伏黒であった。
イベント事にあまり関心の無さそうな伏黒にどう切り出して渡そうかと、ポケットに忍ばせてきていた手作りお菓子に意識を移せば、丁度同じタイミングで、伏黒から声を掛けられ、思わず彼女の肩が跳ねた。
「え、ごめん、何?」
「だから、何か温かいモンでも飲むかって」
「あ、うん! 頂きます、有難う!」
返事を聞いてから台所の前で背を向けた伏黒に、彼女は内心ガッツポーズをして机に向き合う。
お菓子を持ち出す絶好の機会が出来たことに喜んでいれば、やがて、嗅いだことのある甘い香りがして、彼女は咄嗟に台所の方へ顔を向けた。
「ん、お前の分」
「わ、有難う! ……て、まさかココア?」
いつの間にかすぐ傍にまで来ていた伏黒からカップを受け取り、中身を確認すると、やはりそこにはココアが入れられていて。
普段は緑茶か珈琲かなのに珍しいな、と不思議に思いながらもふぅーふぅーと冷ましながらそっと口に運んだ彼女に、伏黒はしれっと口を開いた。
「今日、バレンタインだろ。だからまあ、見かけたから買った、つーか」
「ん゛っ……え、伏黒君、バレンタイン知ってたの!?」
「あ?知らねぇわけねぇだろ、馬鹿にしてんのか」
「ひっ……だ、だって、全然話題にも出ないから」
「……お前が話題にしねぇからだろうが」
言いながら視線を逸らされ、そういえばとはっとする彼女。
どうせ興味無いだろうからとあえて本人への話題振りを避け、当日、吃驚させよう、と最初は思っていたのだった。
しかし今となっては、いざ渡すとなると緊張と不安で当初の目論見を忘れる、という結果に至っているのだが。
「……で、お前からは何かあんのかよ」
「へ? わ、私?」
「他に誰がいんだよ」
ジト目で見られ、急に緊張して上手く思考が回らなくなる彼女。
そんな彼女の反応を見て、
「……や、無いなら無いで、別に構わねぇけど」
と尻すぼみしながら残念そうに言うものだから、彼女は慌ててお菓子を出して
「ごめん! ここに! あります!!」
勢いに任せて手渡した。
手渡された手作り感満載のラッピングが施されたそれを見て、
「は……?手作り?」
とあまりの衝撃に固まる伏黒。
勘違いした彼女が「えっ嫌だった!?」とショックを隠しきれない様子で聞けば、
「ちげぇよ、馬鹿……あーくそっ」
腕で顔を隠しながら、暫く目も合わせてくれない伏黒であった。