謎の四角い建物に彼女と依頼人が閉じ込められたと聞き、ブチ切れる。

勢いに任せて壁を壊せば、そこにはダブルベットだけが置いてある空間があって。
お互い離れた位置で棒立ちになっていた現状を見て、すぅと目の前が真っ暗になる感覚に陥ったかと思いきや、咄嗟に依頼人の元へ駆け出そうとした所を全力で胸に飛び込んで来た彼女に止められる。

「見て！　見て！！　私の顔見てよ五条くん！！」

痛いくらい頬を叩かれ、はっとして下を向けば、不安そうに瞳をぐらつかせながら、しかし真っ直ぐ見つめ返してくる彼女の顔が映った。

「五条君なら、何とかしてくれるって、信じてたから。だから、大丈夫だよ」

五条の精神状態を気遣い、なるべくゆっくりと伝えてくれる彼女。

「……ん」

頬を包む彼女の手の温かさを感じ、五条は小さく、返事をした。