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推しが出ない彼女とじゅじゅ男子のお話
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「はいはい、またまた爆死だね。ウケる」
「全然面白くなんて無いですよ!」
あまりの推し引きの無さに絶望する彼女の隣で追加シロップをこれでもかと入れたコラボカフェ特製ドリンクを口にする五条。
付き合う前から彼女がそういう趣味である事は知っていたので、こうして自分と行くのであればオタ活も良いよと認めていたのだが、内心はやはり面白くは無いようで。
すでに空になったドリンクの蓋を開け、中にある氷を怒りを鎮めるように口に入れて噛み砕いた。
「やっぱり物欲センサーて奴なのかなぁ」
「いんや、僕が嫌いだからじゃない?」
残念そうに頬杖をついていた彼女の顔がきょとんとなる。
「まさか。嫌いだから出ないなんて、聞いた事ないです」
「そういう君は好きだから出ないって嘆いてるのに?」
「うっ……な、なんにしたって、それじゃあ五条さんといる限り私の推しは一生出ないじゃないですかっ」
「え、駄目なの?」
「へ?」
一瞬、ピリッとした空気が流れた気がした彼女は、五条からの問いかけに思わず変な声が出た。
というか、そこは流すところじゃないのか……と、内心文句を垂れながらも、
「そ、そんな事、ないです」
気まずさから視線を逸らした彼女に五条はすかさず
「逸らすなよ、不安になる」
と圧をかけた。
「っ……あ、あまり、揶揄わないで下さい」
「何が?」
「…………不安なら、わざわざこんなとこにまでついて来てくれないですよ、普通」
「逆でしょ。不安だからついてくるんだよ。僕以外の事考えながらお前がひとりで一喜一憂してんのは癪だし」
「そんな……や、やきもち、みたいな」
「みたいなじゃなくて実際めちゃくちゃに妬いてるんだけど」
そこまで言い切ると、じわりじわりと赤みを増していた彼女の顔が、途端に湯気が出そうな程赤くなった。
何だこいつ、おもしろ。なんて思いながら、
「……一応聞くけど、顔大丈夫?」
そう茶化すように問い掛ければ、
「っっじゃないです!!」
案の定、彼女は両手で顔を覆い隠した。
揶揄わないでと言われた時は思わずむっとしたものだが、今やそんな事などどこ吹く風といった様子で愉しげに彼女を見つめる五条。
彼女の方はと言えば、いつも余裕綽綽な五条に妬いてもらえた事が嬉しかったようで、でも私に?え、私に??などと1人自問自答しながら情報の完結しない状態に陥っていた。
「なーんか。とんだバカップルだったね、僕たち」
知らぬ間に人目を集めていた事に気付き、さっさと片付けを済ませてカフェから出た2人。
「……す、すみません」
「なんで謝んのさ」
「や、途中明らか挙動不審になってしまったので……」
「そう? 可愛かったけど。まあ、君が見せたいって言うなら、僕はいつだってOKだよ」
何が、とはあえて聞かない事にした彼女の腰に不意に五条の手が回って来て引き寄せられた。
吃驚する彼女の耳元で
「それはそうと、今度は僕が構ってもらう番ね」
そう囁いた五条は、この後のデートを思う存分満喫するのであった。
「全然面白くなんて無いですよ!」
あまりの推し引きの無さに絶望する彼女の隣で追加シロップをこれでもかと入れたコラボカフェ特製ドリンクを口にする五条。
付き合う前から彼女がそういう趣味である事は知っていたので、こうして自分と行くのであればオタ活も良いよと認めていたのだが、内心はやはり面白くは無いようで。
すでに空になったドリンクの蓋を開け、中にある氷を怒りを鎮めるように口に入れて噛み砕いた。
「やっぱり物欲センサーて奴なのかなぁ」
「いんや、僕が嫌いだからじゃない?」
残念そうに頬杖をついていた彼女の顔がきょとんとなる。
「まさか。嫌いだから出ないなんて、聞いた事ないです」
「そういう君は好きだから出ないって嘆いてるのに?」
「うっ……な、なんにしたって、それじゃあ五条さんといる限り私の推しは一生出ないじゃないですかっ」
「え、駄目なの?」
「へ?」
一瞬、ピリッとした空気が流れた気がした彼女は、五条からの問いかけに思わず変な声が出た。
というか、そこは流すところじゃないのか……と、内心文句を垂れながらも、
「そ、そんな事、ないです」
気まずさから視線を逸らした彼女に五条はすかさず
「逸らすなよ、不安になる」
と圧をかけた。
「っ……あ、あまり、揶揄わないで下さい」
「何が?」
「…………不安なら、わざわざこんなとこにまでついて来てくれないですよ、普通」
「逆でしょ。不安だからついてくるんだよ。僕以外の事考えながらお前がひとりで一喜一憂してんのは癪だし」
「そんな……や、やきもち、みたいな」
「みたいなじゃなくて実際めちゃくちゃに妬いてるんだけど」
そこまで言い切ると、じわりじわりと赤みを増していた彼女の顔が、途端に湯気が出そうな程赤くなった。
何だこいつ、おもしろ。なんて思いながら、
「……一応聞くけど、顔大丈夫?」
そう茶化すように問い掛ければ、
「っっじゃないです!!」
案の定、彼女は両手で顔を覆い隠した。
揶揄わないでと言われた時は思わずむっとしたものだが、今やそんな事などどこ吹く風といった様子で愉しげに彼女を見つめる五条。
彼女の方はと言えば、いつも余裕綽綽な五条に妬いてもらえた事が嬉しかったようで、でも私に?え、私に??などと1人自問自答しながら情報の完結しない状態に陥っていた。
「なーんか。とんだバカップルだったね、僕たち」
知らぬ間に人目を集めていた事に気付き、さっさと片付けを済ませてカフェから出た2人。
「……す、すみません」
「なんで謝んのさ」
「や、途中明らか挙動不審になってしまったので……」
「そう? 可愛かったけど。まあ、君が見せたいって言うなら、僕はいつだってOKだよ」
何が、とはあえて聞かない事にした彼女の腰に不意に五条の手が回って来て引き寄せられた。
吃驚する彼女の耳元で
「それはそうと、今度は僕が構ってもらう番ね」
そう囁いた五条は、この後のデートを思う存分満喫するのであった。