「……すじこぉ」

1年ズが面白い任務をしているというので遊びに来た2年トリオ。

彼女の彼氏として聞いてはいたけれども。
実際に目にすると、思いの外クるものがあって、でもそれが自分以外の目に触れまくっている事を不愉快に思ってあからさまな態度で彼女の事を目に追ってしまう。

同期2人が仕事の邪魔したんなよと咎めるも全く聞く耳を持たない狗巻。
そんな様子をキッチン内で見ていた五条がそうだと閃き、2年トリオの座るテーブルまで足早に向かうと、3人を控え室まで案内した。

彼女を含めた1年ズ全員が内心ザワついていると、暫くして、スタッフの制服に着替えた2人とネクタイだけ巻いたパンダが出てきて吃驚する。

「いやね、あまりにもやりたそうにしてたからさ！」

にんまりして言う五条にすかさず

「棘の奴だけだろ！なんであたしらまで……！」

と真希が反論したがそこは五条に上手く丸め込まれてしまい結局手伝ってくれる事になる。
一方、早くも彼女の元まで詰め寄っていた狗巻は、

「こんぶ、高菜、明太子」

喋れないからキッチンスタッフだけど、と続けた上で

「……ツナマヨ？」

似合ってる？なんてわざと間近で彼女の目を凝視しながら聞いて来るものだからもう黙って頷くしかない彼女。

結局、器用に仕事はこなしながらも、彼女がキッチンに近づく度に抱き締めて離さなくなるので、そのうち彼女もキッチン担当にさせられるのだ。
(彼女に見られていると作業速度が爆速になる狗巻が居たとか居なかったとか)