シャカシャカシャカと勢いよく、それでいて力強く生クリームを混ぜる虎杖に当然だけど男の子らしさを感じて内心ドキッとする彼女。

「あの……そんな見られると、流石に恥ずかしいんですケド……」

彼女の視線に気づいた虎杖が気まずそうに手を止めた。

「ごめん、カッコ良くてつい」

と謝れば、

「生クリーム混ぜてるだけだよ？」

と不思議そうに返してまた手を動かし始めた。


「(衣装の効果も相まって）職人さんてカッコイイよね！」

と嬉しそうに話す彼女を見て、そういうもんなのかなぁ？と思いつつも、まんざらでもなかった虎杖はつい気合いを入れてその後も手を動かし続ける。

しかし、力み過ぎたのか、途中から跳ねたクリームが彼女の顔にまで飛んでしまってパニックになる。
何か拭くもの……！と慌てて辺りを見渡す虎杖に、大丈夫だよ、と彼女がポケットからハンカチを出せば、不意に安心したのとその絵面のヤバさに気づいたのとで思考停止してしまう。

はっとしてハンカチを使おうとした彼女の手を掴んだ虎杖は、

「ご、ごめん、あの……ワタクシが拭かせて頂きます……」

言って、自分の腰巻エプロンの端で丁寧にクリームを拭った虎杖であった。