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モブ→彼女とじゅじゅ男子のお話
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「ナマエさんて好きな人とかいるんですか!?」
イベントで京都校に来ていた彼女は、そこで知り合った男からの熱烈な好意を先程から一心に向けられていた。勢いに押されそうになるのを何とか踏ん張って、彼氏がいる事を伝えた彼女に、男は一瞬落ち込むもまたすぐ顔を上げて
「あ、もしかして五条さんですか!?」
と切り返してきた。
「違う違う! もう1人黒髪の方!」
「ああ! 夏油さんですか! 良いですね、フラれた僕が言うのも何ですけど、凄くお似合いのカップルですよ!」
「! そ、そうかな? 有難う……」
何だか照れ臭くて俯いていたら、丁度話題に出ていた夏油が2人の視界の端から声を掛けて来たものだから、男は咄嗟に挨拶を交わしてからそれじゃあと走り去って行った。
「何だい? 今の」
もう見えなくなった男の背中を怪訝な表情で見ていた夏油が尋ねる。
「んー、うちでいう灰原君タイプの人かなぁ」
「や、そうじゃなくて」
「ん?」
チラリと彼女の表情を確認する夏油に目の合った彼女が首を傾げる。本人は普通にしているつもりなのだろうが、上がった口角に下がった目尻はどう見ても何か嬉しい事があった顔だと、状況的に心中穏やかでない夏油は密かにモヤモヤを募らせていた。
「……何か嬉しい事でもあった?」
「え? 別に?」
「にしては口元が緩みまくりだけど?」
幸福感に浸っていた彼女がピリついた空気に反応して、はっと夏油の顔を見上げる。眉間に皺を寄せた彼の瞳は、不安と怒気を孕んでいるように見えた。
「違うよ? 彼とは何も無いから」
咄嗟に彼の袖の端を掴んだ彼女が先程とは打って変わって真面目な表情で答えた。
「大丈夫、そこは私も信用してるよ」
「え? じゃあ何に怒ってるの?」
「……そうだなぁ」
突然身を屈ませた夏油が彼女との距離を限りなく縮める。キスをしそうな位にまで近づいた彼の瞳が彼女の瞳を射竦めた。
「君があまりにも可愛い顔をしてたものだから、かな」
「っ……」
「楽しむのは結構だけどね」
子どもじみた妬き方をして悪かったね。
そう言って屈めた身体を起こすのと同時に彼女の頭をポンポンと撫でた夏油に、彼女はこっそり満更でもないような表情を浮かべてから、ひとつ弁解を口にした。
「私たちの事、お似合いですねって言われて……その……嬉しかった、だけだから……」
「……へぇ」
「ッッニヤニヤしないで! だから言いたく無かったんでしょ!!」
「してないよ」
「してるよ!!」
結局、暫くそのネタで揶揄われては、羞恥心を弄ばれる彼女なのであった。
(夏油曰く、揶揄ってるつもりはないよ(ニッコリ)
イベントで京都校に来ていた彼女は、そこで知り合った男からの熱烈な好意を先程から一心に向けられていた。勢いに押されそうになるのを何とか踏ん張って、彼氏がいる事を伝えた彼女に、男は一瞬落ち込むもまたすぐ顔を上げて
「あ、もしかして五条さんですか!?」
と切り返してきた。
「違う違う! もう1人黒髪の方!」
「ああ! 夏油さんですか! 良いですね、フラれた僕が言うのも何ですけど、凄くお似合いのカップルですよ!」
「! そ、そうかな? 有難う……」
何だか照れ臭くて俯いていたら、丁度話題に出ていた夏油が2人の視界の端から声を掛けて来たものだから、男は咄嗟に挨拶を交わしてからそれじゃあと走り去って行った。
「何だい? 今の」
もう見えなくなった男の背中を怪訝な表情で見ていた夏油が尋ねる。
「んー、うちでいう灰原君タイプの人かなぁ」
「や、そうじゃなくて」
「ん?」
チラリと彼女の表情を確認する夏油に目の合った彼女が首を傾げる。本人は普通にしているつもりなのだろうが、上がった口角に下がった目尻はどう見ても何か嬉しい事があった顔だと、状況的に心中穏やかでない夏油は密かにモヤモヤを募らせていた。
「……何か嬉しい事でもあった?」
「え? 別に?」
「にしては口元が緩みまくりだけど?」
幸福感に浸っていた彼女がピリついた空気に反応して、はっと夏油の顔を見上げる。眉間に皺を寄せた彼の瞳は、不安と怒気を孕んでいるように見えた。
「違うよ? 彼とは何も無いから」
咄嗟に彼の袖の端を掴んだ彼女が先程とは打って変わって真面目な表情で答えた。
「大丈夫、そこは私も信用してるよ」
「え? じゃあ何に怒ってるの?」
「……そうだなぁ」
突然身を屈ませた夏油が彼女との距離を限りなく縮める。キスをしそうな位にまで近づいた彼の瞳が彼女の瞳を射竦めた。
「君があまりにも可愛い顔をしてたものだから、かな」
「っ……」
「楽しむのは結構だけどね」
子どもじみた妬き方をして悪かったね。
そう言って屈めた身体を起こすのと同時に彼女の頭をポンポンと撫でた夏油に、彼女はこっそり満更でもないような表情を浮かべてから、ひとつ弁解を口にした。
「私たちの事、お似合いですねって言われて……その……嬉しかった、だけだから……」
「……へぇ」
「ッッニヤニヤしないで! だから言いたく無かったんでしょ!!」
「してないよ」
「してるよ!!」
結局、暫くそのネタで揶揄われては、羞恥心を弄ばれる彼女なのであった。
(夏油曰く、揶揄ってるつもりはないよ(ニッコリ)