「えっわっごごごごめん！！！！！」

慌てて持ってた手ぬぐいでお互いがお互いの大事な所を隠す。
前を隠しながらしゃがみ込む彼女に虎杖は咄嗟に目を泳がしながら、

「と、とりあえずお湯……浸からね？」

て勧めてくる。

湯に浸かってからは2人並んで沈黙タイム。虎杖は空を見上げ、彼女の方は俯いてて、お互いがあからさまに目のやり場で困っている。

とりあえず何か話さねばと

「今日の呪霊厄介だったよなぁー」

とか

「そいや伏黒がさー」

とかとにかくお喋りし始める。
でも全然返答が無いから

「あれ？　ナマエ……？」

ドキドキしながらチラリと彼女の方を見ると、不意にぽてんっと肩に彼女の頭が寄り掛かってきて思わず肩が跳ねる。

「え、あれ、ナマエ？」
「……」
「んんん？」

よく見れば逆上せて真っ赤になってる彼女がいて。
慌てて彼女を横抱きし、湯から上がった虎杖は、急いで浴衣を羽織り羽織らせ部屋に戻った。
クーラーを付け、額に濡らしたタオルを乗せて団扇で扇いでいれば、やがて意識の戻った彼女が申し訳なさそうに謝って来て。

「や、俺の方こそ気づくん遅れてごめんな……」

わしゃわしゃと頭を撫でられくすぐったそうにしながらも安堵した彼女は徐ろに身体を起こした。
すると浴衣の前がはだけてポロリ。

「ぬわああ！！？　ねっ熱冷ました方が良いかと思ってそれであのッッごめん！！！！」

弁解しようとして余計お互いに恥ずかしくなる奴。
付き合っててもハプニングには弱いカップルだと可愛いよねっていう。