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五条悟
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「あっそ。ならもう勝手にしなよ」
そのまま出張に行ってしまった五条の事を彼女はただひたすらに待っていた。きっかけは些細なこと。ただ、ついカッとなった彼女の方が「もう放っておいて下さい!」そう強く言ってしまったのだった。今まで言い合う事はあっても日を跨ぐ前には仲直り出来ていた事もあり、連絡ひとつしあわずはや1週間が過ぎようとしていた現状を彼女は不安に思いながら過ごしていた。
「え、まだ既読付かないんすか?」
彼女の様子を気に掛けてその日食事に誘ってくれた後輩が驚いたように問い掛ける。実は出張に行ったその日のうちに一度だけ、彼女の方から、ごめんなさいの一言と任務での身体を気遣うメッセージを五条に送っていたのだった。
「や、返信が来ないだけで」
「だけって、もうかれこれ1週間ですよね? 流石に長過ぎません?」
「……まあ、任務中だから、ね」
忙しいんだよきっと。
そう、今まで自分を言い聞かせてきたように後輩にも話した彼女は、誤魔化すようにして手にしていたグラスの中身を呷った。思った以上に辛そうな様子を目の当たりにした後輩は、その後ドリンクメニューを眺めていた彼女の気を解すつもりで、言葉を紡いだ。
「まあ、五条さんてそういう時ははっきり言ってきそうだし、大丈夫っすよ!」
「……そういう時?」
「ほら、別れたいけど別れ話は嫌だみたいな奴いるじゃ無いっすか! 五条さんはその辺しっかりしてると思いますし。てか、そもそもあの人が先輩を嫌いになるわけが無いっていうか……て、あれ、先輩?」
メニュー表を握り締めながら、俯きがちになった彼女の様子を気遣う。徐ろに顔を上げた彼女の目には溢れんばかりの涙が溜まっていた。
「嫌われ、ちゃったのかなぁ……?」
「そっそんな訳ないじゃないっすか!!」
両手で顔を押さえながらボロボロと涙を流す彼女の言葉を慌てて否定する。
「でも、返事来ないし……」
「それはそのっ……あ! 直接会ってから仲直りするつもりなんすよ! そう絶対!」
「そ、そうなのかなぁ……?」
「そうですって! だってあの五条さんすよ? きっと頼まれたって先輩のこと手離さな」
「一体、何事?」
「!?」
ギギギと声のした方へ顔を向けた後輩は、威圧感を全開にして佇む五条の姿を見る。思わず喉がヒュッとなるのを感じながら、泣きじゃくってまだ五条の存在に気づけていない彼女の代わりに事の経緯を話した。
「――そう。悪かったね、わざわざ」
「あ、いえ、そんな」
「でもあまり、ナマエを苛めないであげてね」
ナマエ、帰るよ。
驚く彼女を丸め込み、荷物と共に抱き上げた五条は、そのまま店内を出た。1人取り残された彼は、五条が置いていった万札を凝視しながら、じわじわと湧き立つ恐怖心を酒で流し込むのだった。
久々に感じる彼の温もり。匂い。周りが騒がしいのは外だからだろうか。人目があるのに抱っこだなんて子どもじみた事、本当だったらすぐにでも止めて貰うべきなのに。馬鹿みたいに溢れてくる思いが止まらなくて、縋りつくようにして首に回していた腕に力を込めたら、そんな私を受け入れるように彼の手にも力が籠った。
「っ……ごめんなさ」
「僕の方こそごめん。やり過ぎたね。ごめん」
「そ、んなこと、」
「あるよ。君が不安がると分かっててわざとやったんだから」
だからごめんね。
真面目な口調で、何度も繰り返される反省の言葉が心に沁みる。発端はどうであれ、最初に突き放したのは私自身なのに。大人びた彼と今の子どもじみた自分とを比較して堪らず不安を口にすれば、すぐに「好きだよ。大丈夫」言いながら頭を撫でられた。
やがて家に着き、靴を器用に脱がしてくれてから居間のソファに腰掛けた彼は、一息つくように深く息を吐いた。
「……おかえりなさい」
「うん。ただいま」
「会いたかったです」
「僕もだよ。ねぇ、そろそろ顔が見たいな。駄目?」
「……まだ駄目、です」
えー?と困ったように笑う彼の肩が小刻みに震える。せめて一度洗顔でもしないと、こんな泣き腫らした酷い顔、到底見せられない。それなのに、彼の手が顔に滑り込んできてなんとか見上げさせようとしてくるものだからこっちも必死になって抵抗した。全く、何のための確認か分かったもんじゃない。
「んもー、ケチ!」
「お風呂入ってからです!」
「んじゃ、一緒に入ろ! はい決まり!」
「なっ、ズルい! て、あ"」
思わず顔を上げたら、してやったりな顔でにんまりと見下ろす彼と目が合った。羞恥心から咄嗟に逃げようとするも、顔と腰とを固定されて動けない。そのまま至近距離にまで迫ってきた彼の表情からは、剽軽さが消えていた。
「ね、仲直りしよ?」
腰に響くような低い声で甘えるように言ってくる。頬を撫でる彼の手が擽ったくて、つい鼻から息が漏れた。こんなの狡いと悪態を吐きつつも、ぐっと噛んだ下唇をゆっくりと解放してから、仲直りの合図に唇を重ねれば、直後吸い付くように何度も啄んできた。止まらない行為に堪らず制止を掛ければ、熱い吐息で手のひらがじんわりと湿った。
「おっお風呂! お風呂入りましょ!」
「……沸かさないとね」
「沸かしてきます!」
急いで彼の膝から降りようとすれば、その前に腰を抱き寄せられ、また戻って来ることを約束させられた。言われた通りに戻ってこれば、お風呂の合図が鳴り響くまで、行為の続きを余儀無くされる。蕩けるような舌使いにぐずぐずなままお風呂に入れば、もう後は彼になされるがままだった。
「好きだよ、愛してる」
譫言のように何度でも繰り返してくれる愛の言葉に、私は身も心も溶かされるのだった。
そのまま出張に行ってしまった五条の事を彼女はただひたすらに待っていた。きっかけは些細なこと。ただ、ついカッとなった彼女の方が「もう放っておいて下さい!」そう強く言ってしまったのだった。今まで言い合う事はあっても日を跨ぐ前には仲直り出来ていた事もあり、連絡ひとつしあわずはや1週間が過ぎようとしていた現状を彼女は不安に思いながら過ごしていた。
「え、まだ既読付かないんすか?」
彼女の様子を気に掛けてその日食事に誘ってくれた後輩が驚いたように問い掛ける。実は出張に行ったその日のうちに一度だけ、彼女の方から、ごめんなさいの一言と任務での身体を気遣うメッセージを五条に送っていたのだった。
「や、返信が来ないだけで」
「だけって、もうかれこれ1週間ですよね? 流石に長過ぎません?」
「……まあ、任務中だから、ね」
忙しいんだよきっと。
そう、今まで自分を言い聞かせてきたように後輩にも話した彼女は、誤魔化すようにして手にしていたグラスの中身を呷った。思った以上に辛そうな様子を目の当たりにした後輩は、その後ドリンクメニューを眺めていた彼女の気を解すつもりで、言葉を紡いだ。
「まあ、五条さんてそういう時ははっきり言ってきそうだし、大丈夫っすよ!」
「……そういう時?」
「ほら、別れたいけど別れ話は嫌だみたいな奴いるじゃ無いっすか! 五条さんはその辺しっかりしてると思いますし。てか、そもそもあの人が先輩を嫌いになるわけが無いっていうか……て、あれ、先輩?」
メニュー表を握り締めながら、俯きがちになった彼女の様子を気遣う。徐ろに顔を上げた彼女の目には溢れんばかりの涙が溜まっていた。
「嫌われ、ちゃったのかなぁ……?」
「そっそんな訳ないじゃないっすか!!」
両手で顔を押さえながらボロボロと涙を流す彼女の言葉を慌てて否定する。
「でも、返事来ないし……」
「それはそのっ……あ! 直接会ってから仲直りするつもりなんすよ! そう絶対!」
「そ、そうなのかなぁ……?」
「そうですって! だってあの五条さんすよ? きっと頼まれたって先輩のこと手離さな」
「一体、何事?」
「!?」
ギギギと声のした方へ顔を向けた後輩は、威圧感を全開にして佇む五条の姿を見る。思わず喉がヒュッとなるのを感じながら、泣きじゃくってまだ五条の存在に気づけていない彼女の代わりに事の経緯を話した。
「――そう。悪かったね、わざわざ」
「あ、いえ、そんな」
「でもあまり、ナマエを苛めないであげてね」
ナマエ、帰るよ。
驚く彼女を丸め込み、荷物と共に抱き上げた五条は、そのまま店内を出た。1人取り残された彼は、五条が置いていった万札を凝視しながら、じわじわと湧き立つ恐怖心を酒で流し込むのだった。
久々に感じる彼の温もり。匂い。周りが騒がしいのは外だからだろうか。人目があるのに抱っこだなんて子どもじみた事、本当だったらすぐにでも止めて貰うべきなのに。馬鹿みたいに溢れてくる思いが止まらなくて、縋りつくようにして首に回していた腕に力を込めたら、そんな私を受け入れるように彼の手にも力が籠った。
「っ……ごめんなさ」
「僕の方こそごめん。やり過ぎたね。ごめん」
「そ、んなこと、」
「あるよ。君が不安がると分かっててわざとやったんだから」
だからごめんね。
真面目な口調で、何度も繰り返される反省の言葉が心に沁みる。発端はどうであれ、最初に突き放したのは私自身なのに。大人びた彼と今の子どもじみた自分とを比較して堪らず不安を口にすれば、すぐに「好きだよ。大丈夫」言いながら頭を撫でられた。
やがて家に着き、靴を器用に脱がしてくれてから居間のソファに腰掛けた彼は、一息つくように深く息を吐いた。
「……おかえりなさい」
「うん。ただいま」
「会いたかったです」
「僕もだよ。ねぇ、そろそろ顔が見たいな。駄目?」
「……まだ駄目、です」
えー?と困ったように笑う彼の肩が小刻みに震える。せめて一度洗顔でもしないと、こんな泣き腫らした酷い顔、到底見せられない。それなのに、彼の手が顔に滑り込んできてなんとか見上げさせようとしてくるものだからこっちも必死になって抵抗した。全く、何のための確認か分かったもんじゃない。
「んもー、ケチ!」
「お風呂入ってからです!」
「んじゃ、一緒に入ろ! はい決まり!」
「なっ、ズルい! て、あ"」
思わず顔を上げたら、してやったりな顔でにんまりと見下ろす彼と目が合った。羞恥心から咄嗟に逃げようとするも、顔と腰とを固定されて動けない。そのまま至近距離にまで迫ってきた彼の表情からは、剽軽さが消えていた。
「ね、仲直りしよ?」
腰に響くような低い声で甘えるように言ってくる。頬を撫でる彼の手が擽ったくて、つい鼻から息が漏れた。こんなの狡いと悪態を吐きつつも、ぐっと噛んだ下唇をゆっくりと解放してから、仲直りの合図に唇を重ねれば、直後吸い付くように何度も啄んできた。止まらない行為に堪らず制止を掛ければ、熱い吐息で手のひらがじんわりと湿った。
「おっお風呂! お風呂入りましょ!」
「……沸かさないとね」
「沸かしてきます!」
急いで彼の膝から降りようとすれば、その前に腰を抱き寄せられ、また戻って来ることを約束させられた。言われた通りに戻ってこれば、お風呂の合図が鳴り響くまで、行為の続きを余儀無くされる。蕩けるような舌使いにぐずぐずなままお風呂に入れば、もう後は彼になされるがままだった。
「好きだよ、愛してる」
譫言のように何度でも繰り返してくれる愛の言葉に、私は身も心も溶かされるのだった。