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五条悟
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「え、まさか、五条くん……?」
誰もいない教室にいた見慣れぬ白いモフモフの犬。恐らくポメラニアンであろうその犬が頭に付けている、見覚えのあるサングラスに気付いた彼女は、思わず犬に問い掛けた。問い掛けながら彼女は、同級生の硝子から聞いた、最近流行りだしたというポメガバースという病の事を思い出していた。疲れすぎたり、寂しすぎるとポメラニアンになってしまうというその病は、好意の相手に癒やして貰うことで人間に戻るのだという。まさか、その病に、彼氏である五条がかかってしまうだなんて。
正直、ポメラニアンになってしまった事よりも、こうなるまでに気付けなかった事に対して、彼女はギュッと自身の胸ぐらを掴んだ。そんな彼女の様子に何かを察したのか、床に座り込んでいた彼女の膝に前足を乗せ、そのつぶらな瞳で顔を覗き込んで来た犬。その際、小首を傾げた事で、頭に掛かっていたサングラスがズレて上手い具合に目に掛ける形となり、彼女は思わず笑みをこぼした。
「あっはは……今の姿じゃ全然様になんないね」
言いながら、サングラスを頭に掛け直す。笑い声に反応して尻尾を勢いよく振り始めた犬を彼女はわしゃわしゃと撫でてからそのままぎゅっと抱き締めた。
「大丈夫。私が絶対に元の五条君に戻してあげるからね……!」
「何ひとりでごっこ遊びしてんだよ」
「えっ……えぇ!? ごご五条君が2人!!?」
もう暫くは聞けないと思っていた彼の声が突然背後から聞こえてきて吃驚した彼女は、彼を視認してから自分の手の中にいる犬と彼とを何度も見比べる。パニックに陥る彼女と自分の探していたサングラスを何故か付けていた犬を見て、大体を察した五条は、彼女に歩み寄ったかと思うと腕の中に収まっていた犬から自分のサングラスを取り上げて掛け直した。
「はっ。この俺が、そんな弱っちい生きもんなんかになるかよ、ばーか」
言いながらわしゃわしゃと彼女の頭を力強く撫でた五条は、そのまますぐに教室を出て行ってしまった。1人、犬と取り残された彼女は、乱れた髪もそのままに、暫くぽかんとした表情でいた。
(もしかして私、とんでもなく恥ずかしい勘違いをしたのでは!?)
後からようやく気付いた彼女は、恥ずかしさのあまり、犬の体に顔を埋めるのであった。
「なんてこと、あったよね」
ソファで2人、久しぶりの余暇を、テレビなど観てゆったりと過ごしていた時。ふとCMに映った白いポメラニアンを見て、五条がニヤニヤしながら彼女に話し掛けた。当時の事を思い出し、既に羞恥心が込み上げていた彼女は、勿論分かって話しているのであろう五条には目も合わせず、
「そうだねぇ」
と適当に相槌を打って返事をした。
「つれないねぇ……今度こそ本当にポメラニアンになっちゃうかもよ?」
「……何? 疲れてるの?」
「もしもの話だよ」
そう五条が返せば、やっと合わせた視線を直ぐにテレビの方に移してから、
「ふーん」
と彼女は呟いた。
(んだよ、もう関心ねぇのかよ)
内心、そんな悪態をつきながらも、自分もテレビの方に意識をやると、暫くして、彼女がおもむろに口を開いた。
「どっちかっていうとさ」
「ん?」
「今なら、悟君よりも私の方がなっちゃうような気がするよね」
「……ポメラニアンに?」
「そう、ポメラニ……えっあっ、ちょっと待って!?」
我に返ったのか、咄嗟に逃げ出そうとした彼女を、五条は
「やだね、待ってやんなーい」
なんて言いながら腕を引いて懐に閉じ込めた。
「はっ離してよ!」
閉じ込められた彼女は、羞恥心から必死に抵抗してみせる。
「え、でもこのままじゃお前、寂しすぎてポメラニアンになっちゃうんでしょ?」
「なっ何いってんの!? ならないから!!」
「はぁ……素直になれない奴はこういう時まで強がっちゃうから駄目だよね。ああ大丈夫、そこんとこ、僕はよく分かってるつもりだから。お前をあんな小動物にはさせないよ!」
「うぐっ……ちょ、悟君、苦しっ……」
抵抗しまくったのが気に障ったのか、そのまま暫く、五条の悪ノリは続くのだった。
その後、怒る彼女に五条は、
「はいはい。でも真面目な話、甘えられる時には甘えなよ」
「連勤から帰ったらお前が犬になってました、なんて笑えないかんね」
「……てなわけで、はい!」
言い終えるのと同時に両手を大きく広げて見せた。
(いや私まだ怒ってるんですけど……)
不服に思いながらも、有無言わさぬ雰囲気を出す五条に、結局は彼女の方が先に折れて抱き締められるのだった。
【実は高専時代、勘違い起こしていたとはいえ自分の為に全力になる彼女を見て、立ち去ってからこっそり廊下で「あれは反則だろッ……クソ」とかなってたら私が滾るなって思いましたまる】
誰もいない教室にいた見慣れぬ白いモフモフの犬。恐らくポメラニアンであろうその犬が頭に付けている、見覚えのあるサングラスに気付いた彼女は、思わず犬に問い掛けた。問い掛けながら彼女は、同級生の硝子から聞いた、最近流行りだしたというポメガバースという病の事を思い出していた。疲れすぎたり、寂しすぎるとポメラニアンになってしまうというその病は、好意の相手に癒やして貰うことで人間に戻るのだという。まさか、その病に、彼氏である五条がかかってしまうだなんて。
正直、ポメラニアンになってしまった事よりも、こうなるまでに気付けなかった事に対して、彼女はギュッと自身の胸ぐらを掴んだ。そんな彼女の様子に何かを察したのか、床に座り込んでいた彼女の膝に前足を乗せ、そのつぶらな瞳で顔を覗き込んで来た犬。その際、小首を傾げた事で、頭に掛かっていたサングラスがズレて上手い具合に目に掛ける形となり、彼女は思わず笑みをこぼした。
「あっはは……今の姿じゃ全然様になんないね」
言いながら、サングラスを頭に掛け直す。笑い声に反応して尻尾を勢いよく振り始めた犬を彼女はわしゃわしゃと撫でてからそのままぎゅっと抱き締めた。
「大丈夫。私が絶対に元の五条君に戻してあげるからね……!」
「何ひとりでごっこ遊びしてんだよ」
「えっ……えぇ!? ごご五条君が2人!!?」
もう暫くは聞けないと思っていた彼の声が突然背後から聞こえてきて吃驚した彼女は、彼を視認してから自分の手の中にいる犬と彼とを何度も見比べる。パニックに陥る彼女と自分の探していたサングラスを何故か付けていた犬を見て、大体を察した五条は、彼女に歩み寄ったかと思うと腕の中に収まっていた犬から自分のサングラスを取り上げて掛け直した。
「はっ。この俺が、そんな弱っちい生きもんなんかになるかよ、ばーか」
言いながらわしゃわしゃと彼女の頭を力強く撫でた五条は、そのまますぐに教室を出て行ってしまった。1人、犬と取り残された彼女は、乱れた髪もそのままに、暫くぽかんとした表情でいた。
(もしかして私、とんでもなく恥ずかしい勘違いをしたのでは!?)
後からようやく気付いた彼女は、恥ずかしさのあまり、犬の体に顔を埋めるのであった。
「なんてこと、あったよね」
ソファで2人、久しぶりの余暇を、テレビなど観てゆったりと過ごしていた時。ふとCMに映った白いポメラニアンを見て、五条がニヤニヤしながら彼女に話し掛けた。当時の事を思い出し、既に羞恥心が込み上げていた彼女は、勿論分かって話しているのであろう五条には目も合わせず、
「そうだねぇ」
と適当に相槌を打って返事をした。
「つれないねぇ……今度こそ本当にポメラニアンになっちゃうかもよ?」
「……何? 疲れてるの?」
「もしもの話だよ」
そう五条が返せば、やっと合わせた視線を直ぐにテレビの方に移してから、
「ふーん」
と彼女は呟いた。
(んだよ、もう関心ねぇのかよ)
内心、そんな悪態をつきながらも、自分もテレビの方に意識をやると、暫くして、彼女がおもむろに口を開いた。
「どっちかっていうとさ」
「ん?」
「今なら、悟君よりも私の方がなっちゃうような気がするよね」
「……ポメラニアンに?」
「そう、ポメラニ……えっあっ、ちょっと待って!?」
我に返ったのか、咄嗟に逃げ出そうとした彼女を、五条は
「やだね、待ってやんなーい」
なんて言いながら腕を引いて懐に閉じ込めた。
「はっ離してよ!」
閉じ込められた彼女は、羞恥心から必死に抵抗してみせる。
「え、でもこのままじゃお前、寂しすぎてポメラニアンになっちゃうんでしょ?」
「なっ何いってんの!? ならないから!!」
「はぁ……素直になれない奴はこういう時まで強がっちゃうから駄目だよね。ああ大丈夫、そこんとこ、僕はよく分かってるつもりだから。お前をあんな小動物にはさせないよ!」
「うぐっ……ちょ、悟君、苦しっ……」
抵抗しまくったのが気に障ったのか、そのまま暫く、五条の悪ノリは続くのだった。
その後、怒る彼女に五条は、
「はいはい。でも真面目な話、甘えられる時には甘えなよ」
「連勤から帰ったらお前が犬になってました、なんて笑えないかんね」
「……てなわけで、はい!」
言い終えるのと同時に両手を大きく広げて見せた。
(いや私まだ怒ってるんですけど……)
不服に思いながらも、有無言わさぬ雰囲気を出す五条に、結局は彼女の方が先に折れて抱き締められるのだった。
【実は高専時代、勘違い起こしていたとはいえ自分の為に全力になる彼女を見て、立ち去ってからこっそり廊下で「あれは反則だろッ……クソ」とかなってたら私が滾るなって思いましたまる】