「…家主に何か用かな？」

ドアが開いたかと思えば、入り口を塞ぐ形で壁にもたれながら話す男性が出てきて吃驚するモブ夫。
よく見れば、髪を下ろしていて分かりにくかったが、ナマエの同期でいつも物腰柔らかな印象のある夏油である事に気付く。

あれ、でも…。

「用があるなら手短に頼めるかい？急いでるんだ。」

「え？あっ…すっすみません！ミョウジさんにこれ渡したくて…」

地元の有名な銘菓なんです！なんて言いながらモブ夫が差し出した紙袋を受け取った夏油は、

「有難う。帰ったらナマエに渡しておくよ。」

と言って扉を閉めた。1人取り残されたモブ夫は、

夏油さんて普段あんな圧感じる人だっけ…？

と、いつもとは異なる夏油の様子に違和感を抱きながらも帰路につくのであった。



「受け取って来たよ。」

「ン……有難う、傑くん。誰だった？」

「モブ夫…確かそんな名前だったかな。」

「！…後でお礼しとかないと。」

「…そうだね。せめてこのまま、私と致してから考えると良いよ。」

「っ、……傑くん、相変わらずタフだね…。」

「ナマエも呪術師ならもっと体力付けないとね。」

「～っ、呪術師関係な、んぁっ、」