「はいはーい！そんな何べんも鳴らさなくたって聞こえてるってば！」

勢いよく扉が開いたと思えば、ナマエの同級生である虎杖が出て来たものだから目が点になるモブ夫。
そんなモブ夫に

「ん？あれ、君確かナマエの後輩くん？だっけ？」

どったの？と、最初の雰囲気からガラリと変わり、人当たりの良い感じで接してきた虎杖にモブ夫は訳を説明した。

「あー、そうだったんだ！でも悪ぃ。今、ナマエ出かけてて居ないんだよねっ。」

「あ、そうなんですか…？」

それは残念。気を落とすふりをしてさり気なく玄関先を見れば、いつも履いてるナマエの靴を見つけるモブ夫。
すかさず、モブ夫の視線に気付いたのか偶然か、自分の身体で視線を遮った虎杖が

「じゃ、そういう事だから。」

と笑顔で素早く扉を閉めてしまったので1人呆然と取り残されたモブ夫は

「……あ、お菓子。」

渡しそびれたお菓子の袋を見つめるも、何となく、今はインターホンを押してはいけない気がして。

仕方なく、肩を落としながら帰路につくのであった。



「ん…誰だったの？」

「え、後輩くん！実家から届いたお菓子持って来てくれたんだって！（あ、お菓子貰うの忘れてた。）」

「えぇ！？そんなっ…悪いじゃん！折角来てくれたのに！（急いで追いかけないと！）」

「と、ダーメ！今日は1日俺の相手してくれるんでしょ？」

「わっ…ちょっ悠仁く、んンっ」

そしてまた行為が再開されるのであった。