とりあえず家入さんが言うには1.2日で元に戻るだろうとの事なのでそのまま2人で伏黒自宅に戻る。

何せ背が小さいので、何をするにも足場や物を使わないと1人ではこなせないこの状態に情け無くてイライラしちゃう。
一方、そんな伏黒を見て度々母性本能をくすぐられてきゅんきゅんしちゃうナマエは、つい子ども扱いし過ぎた言動を取ってしまっていた。

「…おい」

「ん？」

「ん？じゃねぇだろ。何一緒に脱衣所まで着いて来てんだ。」

そう言って、外見に見合わない声の低さで隣にいるナマエに尋ねる伏黒。
そんな彼にナマエは「え、だって1人でお風呂が心配だったから」なんて平気で言うものだから彼の機嫌もマックスに悪くなる。
しかしナマエが好意で言ってくれている事は分かっているのでそこは彼も我慢して、でも少しくらい仕返ししてやろうと伏黒は密かに口角を上げた。

「分かった。じゃあ、早速だが服を脱がせてくれるか？」

「うん、分かった！」

「それから、身体を洗って欲しい。」

「了解」

「出たら髪を乾かして、一緒に寝て欲しい。良いか？」

「勿論！」

全てを快く引き受けてくれたナマエであったが、その後にお礼だと言われて全く同じことをして貰う羽目になるとは全く想像出来なかったナマエなのであった。




「遠慮するなよ。随分世話になった分、俺も世話してやるから。」

そう、壁際に追い込んだナマエの顔を片手で掴んで固定しながら話す伏黒。

すっかり身体は元の彼に戻っていた。

「え、と…恵くんの気持ちは嬉しいんだけど、でも、ほら、私は自分で出来るし、」

「俺も別に出来たけどな。でもまあ…自分はどうであれ、相手の好意には素直に甘えるべき…だろ？」

不敵の笑みを浮かべる伏黒に背筋が凍るナマエ。

こうなったらもう逃げられない事をナマエは知っているので、調子乗り過ぎたなだなんて今更後悔しながら、今日は一日中彼に甘やかされるのである。